株式会社ファイブスターズ アカデミー

まずはお気軽に
お問い合わせください。

03-6812-9618

村上 徹

予想インフレ率

今まで、このブログでは「日銀はインフレを実現することが重要」と書いてきましたが、もっと正確に言いましょう。「インフレを実現する」ことではなく「人々がこれからインフレになると予想する」ような雰囲気を実現することです。経済学的には、「予想インフレ率」という考え方があります。ご説明しましょう。経済学のテキストをひも解くと、予想インフレ率とは以下のように定義されています。(予想インフレ率)=(普通国債の利回り)―(インフレ連動債の利回り)まず、インフレ連動債の説明をしましょう。普通国債というのは、利回りが決まっています。ですので、満期(=償還)までの間に高いインフレ率になってしまうと、資産運用としては…

続きを読む

デフレの正体

藻谷浩介氏のベストセラー「デフレの正体」によれば、デフレの原因は日本の人口が減少し続けていることだそうです。つまり、人口が減少してモノが売れなくなったため、値段を下げざるを得ないという理屈です。本当でしょうか?結論から言うと間違いです。もしこの論が正しいとするなら、人口が減少している国はすべてデフレになるはずです。安達誠司氏の「円高の正体」(光文社新書)に、その研究が掲載されています。ご紹介しましょう。氏は1988年以降、生産年齢人口が減少している国を調べています。どのくらい人口が減っているか見てみましょう。グルジア―0.7%,モルドバ―0.6%、ブルガリア―0.5%、そして日本が―0.4%、…

続きを読む

5%のインフレが必要!?

財政政策を決定するのは政治家ですが、金融政策を決定するのは中央銀行です。今や、日本の景気の行方は日銀が握っているといっても過言ではありません。2012年2月26日の「インフレで自殺する人はいない」というプログの、フィリップス曲線のところでお話ししたように、2~3%の適切なインフレ率は、景気を良くして失業率を低く抑えることができます。だから世界中の中央銀行は、インフレ目標にコミットしているのです。ところが、日銀は最後の最後までインフレ率にはコミットしませんでした。そして、2012年2月に、ようやくコミットしたのですが、その数値は、0%~2%と言いながらも、当面は1%を目途とするというものでした。…

続きを読む

インフレは特効薬

前回、デフレは消費を縮小すると書きました。今回は、インフレの影響についてみてみましょう。今、もしインフレ率が3%だとすると、今100万円の商品は、1年後には103万円に値上がりしているはずです。さぁ、どうしますか?1年間、買うのをガマンしますか?しませんよね。即買いしますよね。つまり、インフレは消費を拡大するのです。いかがですか?インフレは、消費(需要)を増やすことを通じて、経済活動を活発化させ、そのことを通じて景気を良くして、結果として失業者を減らすのです。ここで、今までのまとめをしてみますね。景気をよくするには、財政政策と金融政策の二つがありました。財政政策は赤字国債を発行するなどして、公…

続きを読む

需要拡大策 その2

需要不足を解消する方策は二つあり、一つは政府支出、すなわち公共事業でした。これは、「投資」に働きかけるのでしたね。経済学では、財政政策と言います。ケインズ経済学といえば、これを指します。今回はもうひとつの方法である、金融政策についてお話しましょう。一般的には、中央銀行が金利を引き下げる方法を言います。企業は、銀行の貸出金利が下がるとお金が借りやすくなるので、新工場を建設するなどの設備投資を考え始めます。つまり、金利を引き下げることによって、企業の投資意欲を刺激して、結果として民間投資を活発化させることです。しかし、現在のように、金利がゼロに近くなるほど低くなってしまうと、少々金利が下がっても誰…

続きを読む

需要拡大策 その1

需要拡大策には二つあるといいましたが、今回はその一つ目をお話しします。ただその前に、需要についての理解を深めましょう。需要を構成する要素は二つあります。それは、「消費」と「投資」です。よって、需要を拡大するには、「消費を拡大する」方法と、「投資を拡大する方法」があります。今回は、「投資を拡大する」方法についてお話しましす。ところで、「投資」もまた二つに分けられます。それは誰がお金を出すかによって分かれます。民間企業などがお金を出すのが、民間投資です。主に、新製品生産のために新しい工場を建てたり、新しい機械を導入することです。一方、政府がお金を出すのが、政府支出です。国や地方自治体が橋を架けたり…

続きを読む

需要と供給

よく、「価格は需要と供給のバランスで決まる」などと言います。これは自由経済における価格決定のメカニズムです。バブルの時は、土地を欲しいという人が大勢いたのに、売りものの土地が少なかったので地価は高騰しました。だから地上げまでして、土地を供給しようとしていたのです。日本が長く苦しんだ円高も、マーケットで円を買いたい投資家が大勢いるのに、十分な円が供給されなかったために、円の値段が吊り上ったにすぎません。これが需要と供給のバランスで価格が決まるということです。では今一度、冷静に日本経済全体の需要と供給のバランスをみてみましょう。供給は十分なされているでしょうか。なされていますよね。スーパーに行くと…

続きを読む

ロムニーの成功

前回クルーグマンの本について書きました。そこで思い出したことがあります。2カ月ほど前、NHKのBS放送を見ていた時のことです。たしかCNNだったと思いますが、アメリカの大統領選挙の話で盛り上がっていました。ニュース番組なのでしょうか、司会者の他に、オバマとロムニーの各陣営のブレーンが座りお互い丁々発止の議論を展開していました。大統領選挙には全く興味のない私が、なぜ延々と見続けたかというと、中立のコメンテーターとして、ポール・クルーグマンが参加していたからです。さすがアメリカ!コメンテーターにノーベル経済学者を用意しているとは・・・これが日本なら、庶民代表ということでお笑いタレントが登場している…

続きを読む

借金は返さなくていい!?

ついに消費増税法案が成立しました。14年4月に8%、15年10月には10%に消費税率がアップします。このことが、日本の税収にどのような影響を及ぼすか、12年4月6日の私のブログから引用してみますね。「消費税率アップでどれくらい税収が増えるか、過去のデータをもとに検証してみましょう。97年に橋本龍太郎内閣が、消費税率を3%から5%に引き上げました。これにより、この年の消費税の税収は約4兆円増えました。しかし、これにより景気は深刻なまでに冷え込み、99年度の所得税と法人税の税収は合計で約6兆5千億減少しました」おわかりいただけましたでしょうか。全体として税収は減るのです。日本経済は、間違いなく深刻…

続きを読む

ぜロ金利でも高利回り!?

消費税率を上げなくても、消費税収入を増やす方法があります。それは、インフレにすればいいのです。そのメカニズムをお話しする前に、金利についての基礎知識を学びましょう。経済学では、お金の遣い道は2通りしかないと考えます。「消費」と「貯蓄」です。ここでいう「貯蓄」とは「消費」以外のものを言いますので、現金をそのままタンス預金するのも、貯蓄の一種とみなします。消費が縮小しているということは、貯蓄が増えていることに他なりません。なぜ、貯蓄が増えているのでしょう。それは、デフレだからです。ここまで聞いて、「おかしい」と思った人もいるでしょう。というのは、デフレになると銀行の金利は非常に低くなるためほとんど…

続きを読む

初めての方へ研修を探す講師紹介よくある質問会社案内お知らせお問い合わせサイトのご利用について個人情報保護方針

© FiveStars Academy Co., Ltd. All right reserved.