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2016年03月

たとえば霧や

たとえば霧や あらゆる階段の跫音のなかから、遺言執行人が、ぼんやりと姿を現す。━━これがすべての始まりである。鮎川信夫の『死んだ男』は、戦死した親友の森川義信を悼んだ詩です。鮎川自身は傷病兵としてなんとか生きて帰還しますが、もう一人の詩人は「生きているにしても、倒れているにしても僕の行手は暗いのだ」という便りを残してビルマで戦病死しました。鮎川の代表作とも言うべき詩ですが、詩論『すこぶる愉快な絶望』を読むと、詩集として正式に上梓されるまで、何回も何回も書き直されたことが記されています。もしかしたら、鮎川の詩作の原点は、死んだ者たちへのスウィートな追憶のリフレインではないかと私は思うのです。そし…

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怒りを捏造する

流行のアドラー心理学を読むと、なるほどと納得させられることが多くあります。例えば、すべての感情は何か目的があって作られるという話です。こんなケースを考えてみましょう。部下が初歩的なミスをしたので、あなたが怒鳴ったとします。普通に解釈すると、部下がミスをしたことが原因で「怒り」という感情が引き起こされたと考えますよね。ところがアドラー心理学は、その「目的は?」と問いかけるのです。「いやいや、目的なんかないよ。ただ単に部下がミスをしたから怒ったんだ」とあなたは答えます。しかし、その答えは間違っています。あなたには何らかの目的があったはずなのです。例えば、部下を完全にコントロールできていなかったから…

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なぜ無気力にならない?

後にアメリカ心理学会の会長を務めたマーティン・セリグマンが、まだ若手の研究者だった頃、手がけていた実験について予想もしなかった反論を受けました。その時の研究のテーマは、「人はどんな時、無気力になるか」でした。しかし、人体実験に踏み切るだけの勇気がなかったので、実験対象はもっぱら犬でした。まず、音や電気ショックなどの不快な刺激を与えます。その刺激は、犬がどんなことを試みようと止むことはなく、その代わり何もしなくても唐突に止んだりします。つまり、自分ではコントロールできない不快刺激というわけです。一度この条件づけをされた犬は無気力になってしまい、次に自分で刺激をコントロールできる仕掛けに入れられて…

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“優秀”の定義

「他部署で“優秀”と評価された若手でも、この部署に来ると必ずしもそうではないんです」ある行政機関の管理職の言葉です。一般にビジネスの世界で“優秀”と言われる人は、利害関係者の調整能力に優れた実務家です。たとえば、あるプロジェクトが立ち上がると、いち早く関係者の間を立ち回り、実現の可能性が高い完成形のイメージ作りをします。また、関係者の間で利害が対立しそうな問題があると、全員の妥協が得られそうな最大公約数を探ります。そしてそこを“落としどころ”と定め、微調整を繰り返しながら交渉していきます。短期間で一定の形に仕上げるので、一見するとどんな部署でも重宝がられる“優秀”ビジネスパーソンに見えますが、…

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三番目のミンガス

その男は、ジャズクラブのオーナーとギャラのことで揉めてはドアノブを引きちぎったり、ライフルをぶっ放したりと大暴れ。デューク・エリントンの楽団にいたときは、ナイフを持ったバンドのメンバーに、ステージ上で追いかけ回されたこともあります。一度はベースを抱えたまま逃げ出しますが、防火用の斧を持って舞い戻ると、そのトロンボーン奏者の椅子を真っ二つに。気に入らない演奏をしたメンバーを殴りつけることなど日常茶飯事でした。しかし不思議なことに、殴られたメンバーはなぜか彼を慕ってついて行くのです。怒れるベーシスト、チャールズ・ミンガスを形容するときよく使われる言葉が、“武闘派”“反骨”などです。確かに怖い男でし…

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