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村上 徹

スコッチ・アイリッシュ(2)

1780年、ペンシルバニアの市民軍の士官だったロバート・サミュエルズが軍を辞め、ケンタッキーで農業とウィスキー造りに専念したところから『メーカーズ・マーク』の歴史は始まります。 当時のケンタッキーはヴァージニア州の一部でしたが、州政府は山を越えてケンタッキー・カウンティーを開拓する者にはトウモロコシを作る許可を与えるとともに、400エーカーの土地を提供することを通達しました。 スコッチ・アイリッシュが大勢入植した理由は、トウモロコシを作るというよりもトウモロコシを使ってより高く売れるウィスキーを造るためでした。 サミュエルズ一家は規模を徐々に拡大し、3代目のテイラー・ウィリアム・…

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スコッチ・アイリッシュ(1)

アメリカのウィスキーと言えばバーボンですが、独立前まではラム酒の方が多く飲まれていました。 理由は、あの悪名高き「三角貿易」。 アメリカはアフリカにラム酒を輸出し、アフリカは農園で働く奴隷をカリブ諸島に輸出し、カリブの島々はサトウキビからとれた砂糖や糖蜜をアメリカに輸出していました。 ラム酒は、アフリカで奴隷を買うための「通貨」の役割を果たしていたのです。 この糖蜜を利用してラム酒を造っていたのは、ニューイングランド地方に入植したイギリス人たち。 なにせ廃棄するしかなかった糖蜜から造るわけですから、ブランデーなどに比べとても安上がりです。 このことが、植民地争いにおいてイギ…

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ロシアを決して信じるな(2)

ロシア研究の第一人者である中村逸郎が、モスクワで最も近代的な設備を誇るシェレメーチエヴォ空港で巻き込まれたのは、手荷物が届かないという海外旅行にありがちなトラブルでした。 2個のスーツケースが行方不明になったのです。 カウンターに出向くと、すでに怒りに満ちた10人ほどの乗客が列を作っていたため1時間半ほど待たされてようやく順番が回ってきます。 担当者は、メールで各空港に問い合わせるとは答えてくれましたが、ロシアの空港職員が真面目に探すとは到底思えません。 その時、中村の脳裏に出発地のチター空港のことが蘇ります。 隣のチェックイン・カウンターで、モスクワのドモジェードヴォ空港行きの…

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ロシアを決して信じるな(1)

ロシア研究の第一人者、筑波大学教授の中村逸郎が2021年に上梓した『ロシアを決して信じるな』は、中村が入手した極秘資料に記載されている衝撃的なエピソードから始まります。 1995年1月25日午前9時過ぎ、当時エリツィン大統領の補佐官で、国家安全保障担当のユーリー・バトゥーリンのもとに緊急連絡が入ります。 「ノルウェーの方角からモスクワに向けて核ミサイルが飛んできている。首都に着弾するのに20分もかからない」 当時、ノルウェー沖でアメリカ軍の原子力潜水艦が活動していることはクレムリンもすでに把握済み。 すぐに「チェゲート」と呼ばれる核バッグを持つ3人、すなわちエリツィン大統領…

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AIにはできない(2)

料理人や理髪業者など細かな手先の技能が必要とされる仕事が、すぐにロボットに取って代わられるわけではありません。 なぜなら、コストの問題があるからです。 一般に人間の手先のように繊細な動きができるロボットを開発することは、非常に難しいと言われています。 なので、開発には膨大な費用がかかることが予想されます。 たとえ開発に成功できたとしても、人間を雇うコストより割高になってしまうと採算が取れなくなります。 だから、低賃金の仕事は今まで通り人間にやらせておいた方が安くつきます。 ということは、技能が高いか低いかに関係なく、その仕事が低賃金ならば「人間の仕事」として残る可能性が高い…

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AIにはできない(1)

「今後10~20年のうちに、702種類の職業のうち47%がAI化されるだろう」 イギリス・オックスフォード大学のカール・フレイとマイケル・オズボーンの両博士が、衝撃の論文『雇用の将来:私たちの仕事はどこまでコンピューターに奪われるのか?』を発表したのが2013年ですから、「今後10~20年」のうちの半分くらいが経過したことになります。 この論文をきっかけに、将来多くの人が職を失うのではないかという議論が沸騰しましたが、もしこの論文が正しいなら残された時間はそう多くありません。 最近、AIに宅地建物取引士(宅建士)試験や司法試験の過去問題を学習させて、次の試験問題を予想させるという…

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明日死ぬかのように(2)

麻薬の禁断症状の苦痛に耐えかねたゲッツが、ホテルの向かいにあるドラッグストアに押し入ったのは朝の7時すぎ。 ポケットに手を突っ込んで、あたかも拳銃を持っているかのように装って鎮痛用のモルヒネを手に入れようとしたのですが、見破られて何も取らずにホテルに逃げ帰るはめに。 通報を受けて駆けつけた警官は、パニック状態でホテルの廊下を歩き回っているゲッツをすぐに発見します。 でも、ゲッツは根っからの悪人ではありませんでした。 逮捕されたゲッツが真っ先に警官に言った言葉は、「申し訳ないことをした。拘引される前に謝りたいので少し待ってほしい」 本当は気の小さい人間なのかもしれません。 し…

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明日死ぬかのように(1)

Jazzandfreedomgohandinhand. 「ジャズと自由は手をつないで行く」 ピアニストのセロニアス・モンクがそう表現した通り、1950年代のアメリカでは公民権運動に代表される人種差別反対運動が盛り上がるのと機を一にして、それまで上流社会のダンスミュージックに甘んじていたジャズが、バップという新しい演奏手法を手に入れることによって黒人の魂の叫びへと変貌を遂げます。 しかし、60年代に入るとジャズは明らかに行き過ぎてしまいます。 旋律やコード進行といった決まりごとをすべて無視した、あの忌々しいフリー・ジャズが始まったのです。 フリー・ジャズは、例えて言うなら安部公…

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失敗学(2)

失敗に関係した人間が抱えてしまうストレスは、想像を絶するものがあります。 畑村は、失敗が起きた時の人間の対応は2種類に分かれると言います。 それは、失敗に対して「敏感に反応する繊細な人」と、「悠長に構えられる鈍感な人」です。 どちらが適切かというと、後者の方だそうです。 なぜなら、前者は正論を振りかざして失敗した人を責め立ててしまうからです。 もしも、正論通りに行動していたら失敗は避けられたのでしょうか? 正論というのは、あくまでも事後に行う議論でしかありません。 「敏感さ」とか「繊細さ」というのは、失敗が起きる前の時点では絶対に必要なことですが、いざ事が起きてしまってか…

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失敗学(1)

東大名誉教授の畑村洋太郎は、言わずと知れた「失敗学」の権威。 もちろん、彼の著書にはあの有名な「ハインリッヒの法則」も紹介されています。 アメリカの損害保険会社の技術・調査部の副部長だったハーバート・W・ハインリッヒは、「1件の重大災害の陰には29件のかすり傷程度の軽災害があり、その陰にはケガには至らないもののヒヤリとしたり、ハッとした事例が300件ある」という、お馴染みの論文を発表したのは1929年。 すでに100年近く経っているのに、現在でもこの法則が金科玉条のごとく語られていること自体、事故を防止するのがいかに難しいかを証明しています。 なぜ、事故防止はそんなにも難し…

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