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2015年02月

ケニー・ドリュー

木全信の本を読んでいたら、見覚えのある人の名前を見つけました。その人物、木全と同じジャズ・プロデューサーであるKさんと、銀座の泰明小学校近くにある古ぼけたジャズ喫茶で会ったのは、今から5年ほど前の事でした。夜はバーとしてウィスキーを出すその店で、私の隣に座っていたのがKさんでした。私は、酒を飲む時は大抵一人なので、ママが気を遣って紹介してくれたのです。彼は、その世界ではとても有名で、アート・ブレイキーのアパートによく遊びに行っていたという話には、時の経つのも忘れて聞き入ってしまいました。そして何より驚いたのは、日本のクラブなどに出演した時のギャラが、たったの2~3万円だったということです。今と…

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ロバート・ギボン・ジョンソン大佐

1820年9月26日。ニュージャージー州セーレムの郡裁判所前は、黒山の人だかりでごった返していました。ある男の公開自殺を見届けようと集まった観衆は、およそ200人。これだけ人が集まった理由は、公開自殺というだけでなく、一風変わったその手段にありました。なんと、毒性の強い植物の果実をたらふく食べるというのです。当時のアメリカでは、その果実は肺炎の原因とも、胃癌の原因とも言われ、食べるどころか手にとることさえ憚られるほど忌み嫌われていました。地元のバンドがおごそかに葬送曲を奏でる中、駆けつけた男の主治医が必死の形相で翻意を試みます。「止めなさい!その果実をひとつでも口に入れたら最期、泡を吹いて虫垂…

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アポトーシス

アポトーシスという言葉を知ったのは、細胞死研究の第一人者、田沼靖一の書いた『アポトーシスとは何か-死からはじまる生の科学』でした。アポトーシスとは、細胞の自殺のことです。例えばオタマジャクシの尻尾は、成長とともに消えてなくなってしまいます。これは、尻尾を形作っている細胞が、自分の役割が終わる時を知り、自ら死のスイッチを入れるためです。これは人間にも見られます。胎児の手の指には、最初のうちは水掻きがついています。まさに、哺乳類が進化する過程で、水中で生活していた時期があったことの証拠です。しかし、やがてこの水掻きも消えてなくなります。水掻きの細胞が、アポトーシスを起こしたからです。もしアポトーシ…

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ノブレス・オブリージュ

竹内久美子の本で、アラビアヤブチドリのことを読んでいたら、シベリア抑留者のことを思い出しました。以前、石原吉郎の回で紹介しましたが、抑留者たちは毎日の作業地域への行き帰りは5列縦隊となって移動します。そして整列の際には、我先にと真ん中の3列に入ろうとします。なぜなら両端の列にいると、凍りついた雪道でうっかり足を滑らした拍子に、脱走と見做されてロシア兵に射殺されてしまうからです。ですので、ひとたび整列の号令がかかると血眼になって近くにいる弱い者を見つけては、力ずくで外側の列に追いやります。短い時間のうちに被害者と加害者が激しく入れ替わる、と石原は表現していました。今回は、この「列」の話です。竹内…

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