株式会社ファイブスターズ アカデミー

まずはお気軽に
お問い合わせください。

03-6812-9618

2015年05月

山之口貘

かつて、私にとってのライトバースの旗手と言えば、ラングストン・ヒューズでした。どっかへ 走っていく 汽車の75セント ぶんの 切符を くだせいね どっかへ 走っていく 汽車の75セント ぶんの 切符を くだせい ってんだどこへいくか なんて 知っちゃあ いねえただもう こっちから はなれてくんだ。(『75セントのブルース』より/木島始訳)ライトバースとは、「軽み」という意味です。日本では田村隆一が代表格だと思っていましたが、高田渡の『生活の柄』を聴いて、山之口貘の存在を知りました。彼が詩壇で無名の存在だった理由は、そのあまりに長い推敲期間にあります。一編の詩を創作するのに何年も、時には10年以…

続きを読む

ただ食べるため

何気なく見ていたテレビ番組が、私の時を止めました。朝から、立ち飲みのおでん屋でカップ酒を飲んでいる中年男性に、テレビクルーがインタビューしています。夜勤でほぼ一晩中立ちっぱなしの警備の仕事が終わり、これから帰って寝るのだと答えます。年齢は私と同じ、世間ではそろそろ定年を迎える年です。そしてナレーションが続きます。40代でリストラされ、その後はただただ食べるため、家族を養うために必死で職を転々としてきた。このおでん屋で2杯のカップ酒を流し込むのは、その後何も考えずひたすら泥のように眠るため。男はほんの一瞬ですが、寂しそうな微笑を浮かべました。私の時が止まったのは、「食べるため、家族を養うために必…

続きを読む

部下と話すとき

私と同年代の人から、こんな話を聞きました。「20代の頃、本当に尊敬できる上司と出会いました。その時の部下はみんな、生き生きと、火の玉のようによく働きました。まるで、何かの魔法にでもかかったかのように」断っておきますが、ブラック企業の話ではありません。古い表現で恐縮ですが、「部下の心に火をつける」話です。その人はこう続けます。「でも、よく観察していたら、上司の魔法の秘密がわかってしまったんです。その上司は、部下の話を聞き終わると必ず、ぐっと身を乗り出してこう言います。『面白そうじゃねえか!』そして、すっと身を引きながら『やってみな!』その後、一拍置きます。そして今度は、ぐっと声のトーンを落として…

続きを読む

フランケンシュタイン

フランケンシュタインとは、あの顔に継ぎ接ぎがあるモンスターの名前だとばかり思っていました。そうではなく、墓を掘り起こしては数々の死体を繋ぎ合わせてこの怪物を作った、いわば生みの親である科学好きの大学生の名前だそうです。では、この怪物の名前はというと、それがわからないのです。そもそも小説では、名前が与えられていません。18才のメアリー・ウルストンクラフト・ゴドウィンが、スイスのレマン湖の畔で、うち続く長雨の退屈しのぎにこの物語を創作したのは、今から約200年前。原作には、怪物の名前どころか、顔に継ぎ接ぎがあったとも書かれていません。つまり、その後作られた映画やアニメが、この怪物のイメージを決定づ…

続きを読む

危険なセリフ

ある保険会社の調査ですが、『社会人1・2年生のやる気を奪う危険なセリフ』というアンケート結果が発表されました。一位は「この仕事、向いてないんじゃない?」です。確かにこれは凹みますよね。しかし、どんな仕事でも、最初から向いている人なんてそうそういるものじゃありません。そう言ってる上司や先輩だって、長く続けているうちに仕事に慣れたのではありませんか?二位が「ゆとり世代だなぁ」。これは日本の教育制度の問題であり、新人クンに責任はありません。いわば、○年生まれだからダメと言われているようなもので、ちょっとかわいそうな気がします。以下、「やる気ある?」、「常識でしょ」、「私が若い頃は・・・」と続きます。…

続きを読む

初めての方へ研修を探す講師紹介よくある質問会社案内お知らせお問い合わせサイトのご利用について個人情報保護方針

© FiveStars Academy Co., Ltd. All right reserved.