株式会社ファイブスターズ アカデミー

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スタッフ

不世出のプロデューサー(1)

1910年12月のある夕刻。4人の娘の父親は、法律事務所の仕事を終えて家路に就きます。もうすぐ5人目が産まれる予定ですが、息子を持つことはもうとっくに諦めていました。行きつけのクラブでカクテルを楽しみ帰宅すると、玄関に迎えに出てきた執事が微笑みながらこう言います。 「紳士がおひとり、旦那様をお待ちでございます」こうしてジョン・ハモンドは、ハモンド家の仲間入りをしました。 これは、彼の自叙伝『ジャズ・プロデューサーの半生記』の書き出しの一節。ハモンド家は執事を雇うほど裕福でしたが、それは父親が金持ちだったからではなく、結婚相手が鉄道王の孫娘だったからです。 「音楽評論家」という肩書きで紹介され…

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なぜ議論しない?(2)

フリードマンによれば、日本の組織は間違った選択をするために、わざわざ根回しをしていることになります。なぜ、こんなことになってしまったのでしょう? 議論を嫌う日本では、意見が異なる人は組織にとって「異分子」と見なされます。同一性を重んじる日本では、「異分子」への対処法は二つしかありません。排除するか、あるいは転向させるか。 排除するとなると波風が立ちます。そこで、転向させようと用意周到な根回しが行われるのです。 でも、根回しが成功することは、組織の中の誰かが妥協していることに他なりません。妥協する人の心理はこうです。 「私はそうは思わないが、上がそう言うなら仕方ない。ただし、良くない結果が出た…

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なぜ議論しない?(1)

メジャーリーグの記録を次々と塗り替え、新たな歴史を作り出している大谷翔平。彼は2024年にドジャースに移籍しましたが、その際にある条件を契約書に盛り込んでいました。 それは、編成本部長のアンドリュー・フリードマンや球団トップが退団した場合は、契約の見直しや破棄ができるというもの。契約書の項目に、わざわざ編成本部長の名前を書き込むなんて、フリードマンに寄せる大谷の信頼は絶大のようです。 でも、アンドリュー・フリードマンとは一体どんな人物なのでしょう?また、大谷は彼のどこをそんなに信頼しているのでしょう? 実は、フリードマンはプロ野球経験者ではありません。それどころか、野球とは全く畑違いのウォー…

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「水」詐欺(3)

最近は「ミネラルウォーター」がよく売れていますが、ミネラルウォーターには法律上の定義などあるのでしょうか?食品衛生法では、次のように定義されています。 「水のみを原料とする清涼飲料水をいい、鉱水のみのもの、二酸化炭素を注入したもの、カルシウムを添加したもの」何だかよくわかりません。 1990年に農林水産省が追加でガイドラインを発表したのですが、これにより水道水など飲用可能な水をボトルに詰めれば、どんなものでも「ミネラルウォーター」と称してよいことになりました。 つまり、一言で言うと「ミネラルウォーターとは飲用可能な水」のことです。 えっ? 何だか、ちょっとがっかりですよね。 最近は「天然水」…

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「水」詐欺(2)

かつて「水素水が体にいい」という謳い文句で、高価な水素水製造器が販売されたことがありました。水素分子が、活性酸素の中でも反応性が高い「ヒドロキシルラジカル」を選択して、無害なものに還元するという作用に注目したものですが、こんな風に科学的に説明されるとついつい信じてしまいますよね。 でも、水素は私たちの体内でも大量に作られています。大腸にいる水素産生菌が、水素を産生しているのです。健康な人はおならをします。 おならの成分の60~70%は飲み込まれた空気中の窒素ですが、他に水素も10~20%くらい含まれています。 おならとして体外に排出される以外の水素は、体内に吸収され血液循環に乗って体内を巡っ…

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「水」詐欺(1)

振り込め詐欺に騙される人が後を絶ちません。犠牲になるのは主に高齢の人たちですが、高齢者だから引っ掛かるというわけではありません。騙される理由は「文系人間」だからです。若くても、文系人間は詐欺のカモになる可能性が高いのです。 あなたが文系人間かどうか一発でわかる質問を、脳科学者の池谷裕二が紹介してくれていますので、ぜひ挑戦してみて下さい。 【問題】マラソンで4位の人を追い抜いた。今何位になった? どうです。わかりましたか。 私は自信満々で「3位」と答えたのですが、残念ながら正解は「4位」でした。なぜかというと、前に4位の人が走っていたのだから、追い抜く前のあなたの順位は5位ということになります…

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国家の臣民(4)

フジテレビの問題について、ここでは「報道機関として」という視点に絞って考えてみましょう。問題は二つあると思います。 一つ目は、報道機関なのに報道に携わる人間を、タレントや芸能関係者の接待要員として使うことが常態化していた点。この会社では、「報道」という仕事は、どのように定義づけられていたのでしょう?もしかしたら、「バラエティ」と同義だったのかも。 二つ目は、トラブルがあった事実を長期間隠蔽していた点。不祥事の隠蔽は、メディアがもっとも厳しく追及していた点ではありませんか。この時点で「報道機関」としては完全に失格なのですが、前者はともかく後者については他局も似たり寄ったりではないでしょうか。 …

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国家の臣民(3)

マスメディアに対する不信感をさらに決定的にしたのが、2024年の兵庫県知事選挙に至る一連の騒動でした。テレビや新聞は知事に纏わる様々な噂について、一切ウラを取っていないのに「疑惑」という形で大々的に報道しました。 「疑惑」というレッテルを貼りさえすれば、どんなことでも報道していいのでしょうか?事実かどうかは関係ないのでしょうか? それまでは、「疑惑」の段階で報道するのは週刊誌だけでした。それがテレビや新聞までやり始めたわけですから、マスメディアは完全に末期症状と言えます。「報道の自由」に、「疑惑の段階でも報道する自由」が含まれていたとは驚きです。 とりわけ問題だったのはワイドショー。多くのコ…

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国家の臣民(2)

多くの日本人は国家に依存したがります。でも、国家に依存することは、国民の権利を放棄することに他なりません。 これでは、天皇制国家の下での「臣民」、つまり「天皇の子供」と同じではありませんか。敗戦により、やっと「天皇の子供」を卒業したと思ったら、今度は「国家の子供」ですか。そもそも緊急事態を除けば、マスクを着用するかどうかは、一人ひとりが自分の責任で判断するべきことです。 つまり、着用するかどうか決める権利は、国民の権利そのものなのです。 考えてもみて下さい。もし、国が「明日からマスクをつけてはならない」という命令を出したら、あなたは素直に従いますか? 自分で考えるのが面倒だから権利を放棄する…

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国家の臣民(1)

新型コロナが猛威を振るっていた2020年、テレビのワイドショーではコメンテーターが口を揃えて、国がもっと強力な「外出規制措置」を取るべきだと主張していました。中には、医師の意見がバラバラなことに腹を立てて、医師界の見解を統一すべきだと発言する人まで現れました。 このコメンテーターの肩書きは「政治評論家」でしたが、もし政治学者の意見がバラバラだったら、学界として見解を統一しなければならないことになります。でも、政治に関する見解を統一するというのは、ファシズムそのものではありませんか。それでもいいのでしょうか? 医学は「科学」だから、政治学とは違うという理屈は通用しませんよ。なぜなら、政治学だっ…

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