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スタッフ

報道の脳死(5)

マスメディアの言う「権力の監視」に関しては、最近逆転現象が起こり始めています。 記者による質問の様子がネットで配信されるため、逆に市民が記者を監視することが可能になったのです。これにより、記者たちの非常識極まりない質問までネットに晒されるようになりました。時には実名を晒され、市民から監視される立場に立たされた記者たちは、今どんな気持ちでしょう。 いやその前に、そもそも記者が守らなければならない「原則」とは何なのでしょう?烏賀陽は、記者の「原則」は何かについてコヴァッチに質問したことがあります。彼の答えは、「客観、公平、独立」。 「具体的に?」と問うと、コヴァッチはこう言いました。「報道を好き…

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報道の脳死(4)

東日本大震災の時、被災者に配慮したマスメディアの姿勢を知った烏賀陽は大混乱に陥りました。なぜなら、自身の理想とする記者像とは、あまりにもかけ離れたものだったからです。 取材者の多くが、「いかにして被災者の感情を傷つけないか苦心した」と回想していることに対しても、彼は強烈な反対意見を突きつけます。「罵声を浴びようと、傷つけようと、悪者になろうと、記録すべきは記録する」べきであると。 さらには、「職責のために憎まれ役を引き受ける覚悟が必要だ」とまで主張し、挙げ句の果ては3・11のように現場の面積が広い事件は、記者にとっては「宝の山」であるとまで言うのです。 そこにはスクープをモノにしたい野心はあ…

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報道の脳死(3)

国民を洗脳する話はこれくらいにして、国家に並ぶほど強大な権力を持つマスメディアとは、本来どのような存在であるべきなのでしょう?マスメディアの人間は「報道の自由」という言葉を頻繁に口にしますが、彼らの言う「自由」とは一体「何からの」自由を指しているのでしょう? 政治家からの自由でしょうか?違いますよね。なぜなら、メディアはすでに政治家からは完全に自由だからです。その証拠に、政治家はメディアにとってもっとも叩きやすい対象のひとつです。 もし、報道されていないスキャンダルがあるとしたら、それは政治家からの圧力によるものではなく、メディア側が「自主規制」した結果です。 そうです。「報道の自由」を妨げ…

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報道の脳死(2)

日本の食料自給率が低いことは、今や小学生でも知っていますが、本当にそうでしょうか? 実は、この「カロリーベースの食料自給率」という概念は、1983年に農水省が発表するまで、世界のどこにも存在しなかった考え方です。理由は後で述べますが、そもそも「食料自給率」を問題にしている国など世界中探してもないのです。もし、どうしても自給率を知りたい時は、世の中に発表されている「重量ベース」と「生産額ベース」のうち、「生産額ベース」を使って計算するのが一般的です。 なぜ、「カロリーベース」という概念が存在しないかというと、「カロリーベース」では野菜に比べて牛肉や豚肉が必要以上に高く評価されてしまうからです。…

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報道の脳死(1)

なぜ、ワイドショーのコメンテーターの発言は、あんなにも非論理的なのでしょうか?群衆心理の研究で有名な、フランスの社会心理学者ギュスターヴ・ル・ボンの名言があります。「大衆は理性ではなく感情によって動かされる」なるほど、だから彼らのコメントには論理性の欠片もないのですね。 この理論に基づいて、テレビやラジオ、映画などのメディアをフルに活用し、国威発揚に成功したのがナチス・ドイツ。ということは、私たちがマスメディアに接する時は、相当注意して臨む必要があるということです。元朝日新聞記者の烏賀陽(うがや)弘道は、ネットが普及したことによって、ある事実に気づいたと言います。それは、新聞やテレビがメディ…

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ひと晩寝て考えなさい(4)

でも、奇跡は再び起きました。次の日、同じ夢を見たのです。 今度こそ失敗は許されません。レーヴィはすぐに実験室に飛び込み、夢が教えてくれた方法を実行します。まず二匹の蛙から心臓を取り出し、それぞれ容器に移します。容器にはリンガー液が入っているので、二つの心臓はそれぞれ動き続けています。 片方の心臓に電気刺激を与えると、拍動は徐々に弱まっていきやがて停止しました。そこで、もう一方の元気な心臓を取り出し、停止した心臓が浸かっていたリンガー液に入れてみます。 すると、なぜか次第に拍動が弱まっていき、最後には停止してしまいました。レーヴィは考えました。これは、先に停止した心臓から、拍動を抑制する何らか…

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ひと晩寝て考えなさい(3)

ドイツの有機化学者アウグスト・ケクレは、ベンゼンの構造解明に取り組んでいました。ベンゼンが、6つの炭素原子と6つの水素原子から構成されていることはわかっています。ただ、どのように結合しているのか、その構造がどうしてもわからないのです。 そんなある日、ケクレは不思議な夢を見ます。目の前で小さな原子をくっつけた大きな原子が飛び回り、それが輪のように連なったのです。やがて、輪は尻尾をくわえた一匹のヘビとなって回転し始めました。 その時ケクレは閃きます。「そうだ!ベンゼンは環状になっている」 これが、「ベンゼン環」の構造を解き明かすきっかけとなりました。輪がヒントとなり、亀の甲羅のような六角形の三辺…

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ひと晩寝て考えなさい(2)

マンチェスター大学の「睡眠と記憶の研究所」所長で脳神経科学者のペネロペ・ルイスは、世の中一般に通用する「夢」の定義は存在しないと言います。強いて定義するなら、「睡眠中に経験するすべての知覚、思考、または感情」となるだろうとのこと。 人類が誕生して以来、毎晩見ているはずの「夢」ですが、未だに定義がないなんて本当に不思議です。 ところで、睡眠は記憶の定着に一役買っているという報告があります。試験の直前に徹夜で勉強する学生がいますが、一睡もせずに勉強するよりも、学習直後に睡眠をとった方が記憶が定着しやすいことがわかっています。ただし、翌日テストがあることを知らされていないと、この効果はないそうです…

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ひと晩寝て考えなさい(1)

「ひと晩寝て考えなさい」あなたも子どもの頃、親から言われたことはありませんか? ひと晩寝たところで結論は大して変わらないだろうと思っていましたが、これが大間違い。最近の研究により、寝ている間も脳はひっきりなしに働いていることがわかりました。今回は、未だ解明されていない部分が多い睡眠と夢について、最新の研究の数々を紹介していきたいと思います。 睡眠は大事だといいますが、動物にとってなぜ睡眠が必要なのか、その理由は未だにわかっていません。でも、動物を覚醒した状態に置き続ける、所謂「断眠」を続けると例外なく死に至ることが実験でわかっています。 なぜ必要なのかわからないのに、とらないと死んでしまう「…

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はずれ者の生物学的意味(3)

高度成長期の日本では、大量生産をサポートするために労働者にあることが求められました。 それは、決められた工程の中で、決められた作業を正確にこなすことです。それができる社員を育成するために、企業は社員の「標準化」を進めました。 社員なら誰でも「普通」に仕事をこなすことができるよう、徹底した社員教育が実施されたのです。「普通」の仕事をより上手にこなせる社員、つまり「平均」より上の社員は「優秀」と呼ばれ、「平均」に届かない社員は「落ちこぼれ」と呼ばれました。 つまりは「はずれ者」です。 そして、「なぜ皆と同じようにできない!」と叱責されたりもしました。社員も、製品と同様「規格品」であることが求めら…

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