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絶対音感は誰にでもある!?

前回は脳の視覚野についてでしたが、今回は耳の方の聴覚野に関する話です。 柏野牧夫の『空耳の科学』によれば、楽器メーカーの音楽教室の影響か、外国よりも日本の方が「絶対音感」の保持者が多いそうです。 それでも絶対音感を持っている人の割合は、1万人に1人と言われています。 確率にすると0.01%。 ところが、これが自閉スペクトラム症の場合は8%にまでハネ上がります。 理由はわかりませんが、自閉スペクトラム症の人に、ある特定の能力がズバ抜けて高い人が多いことと関係があるのかもしれません。 また、絶対音感は遺伝することが知られています。 私のように、「相対音感」しか持ち…

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脳は大忙し(2)

ここで、ちょっと脳細胞が情報を伝達する仕組みを見てみましょう。 ヒトの脳細胞は、「ニューロン」と呼ばれる神経細胞と、それを維持するための「グリア細胞」からなっています。 ニューロンは、細胞内の電位を変化させることによって情報を伝達するのですが、静止時には「静止膜電位」といって、細胞の内側は外側より電位的にマイナスに保たれています。 ここに何らかの刺激が加わると細胞膜上のナトリウムチャネルが開き、細胞の外からプラスのナトリウムイオン(Na+)が流入してきます。 すると、細胞内がプラスに帯電するので、「脱分極」といって細胞の内と外の電位の逆転現象が起こります。 これが細胞が「…

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脳は大忙し(1)

「百聞は一見に如かず」という諺があるように、日頃私たちは目から入ってくる情報はとても重要だと考えています。 たしかに、地震の被害状況などは、ラジオで聞くよりもテレビの映像を見た方が早いもの。 目から脳へは、様々な情報が次々と送られてきています。 脳は、目からの情報を処理するのにさぞ忙しいのだろうと思いきや、全く別のことでてんてこ舞いでした。 それは、「ムダな情報」の処理です。 驚くべきことに、後頭葉に位置する第一次視覚野に送られてくる情報のうち、網膜経由のものはたったの3%しかないそうです。 なんと97%は、目で見ている情報とは全く無関係な、所謂「ムダな情報」だというのです…

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血液型と病気の関係

世間には、血液型は性格と関係があると思っている人が少なからずいるようですが、これは完全なる迷信です。 こんな馬鹿げたエセ科学を信じているのは、世界広しといえども日本だけです。 科学警察研究所の山本茂によれば、ヨーロッパではA型の中にもA1型、A2型の2種類があると考えられているそうです。 すると当然、AB型にもA1B型、A2B型の2種類があり、合計すると血液型は6種類あることになります。 血液型と性格に相関関係があるというのなら、この辺もキチンと説明してほしいものです。 そもそも血液型とは一体何でしょう。 血液型研究の歴史は意外にも新しく、つい最近までヒツジの血液を人間に輸血したりしていま…

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協力し合う生物(3)

「共感」と聞くと、私は最近流行の「寄り添う」という言葉を思い出してしまいます。 マスメディアにとってとても便利なワードのようで、その定義もはっきりしないまま盛んに使い回されています。 随分と無責任な話ですよね。 「寄り添う」という言葉には、相手の気持ちを思いやるという意味も含まれているようですが、殺伐とした現代では結構高度な精神活動のような気もします。 でも、それは全くの間違いです。 生物学的には、「共感」はかなり原始的な行動原理であることがわかっています。 そもそも共感とは、相手と同じ精神状態を追体験することです。 冒頭で、エモリー大学のフランス・ドゥ・ヴァールが、ネズ…

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協力し合う生物(2)

スタンフォード大学のマシュー・ファインバーグらが行った「公共財ゲーム」とは次のようなものです。 集められた216人の大学生は、4人1組のグループとなります。 メンバーのA、B、C、Dの4人には、それぞれ5ドルずつが与えられます。 そして、そのうちいくらをグループのために投資するのか、その金額をそれぞれ各自の判断で決定してもらいます。 5ドル全部を投資してもいいし、全く投資しなくてもかまいません。 0~5ドルの間で自由に決めていいのです。 一方、投資に対するリターンは、各自の投資額を合計した金額の2倍と決められています。 それを4人が均等に分け合います。 この時ミソな…

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協力し合う生物(1)

最近、世の中がどんどん物騒になっているような気がします。 新聞には、毎日のように殺人や傷害、あるいはいじめといった殺伐とした記事が載っています。 なぜ、人間はお互い傷つけ合うのでしょうか。 生物学界では長い間、「人類は争いを好み、攻撃的で野蛮である」いう考え方が主流でした。 というのも、19年9月のブログ『狂暴な番犬』でも紹介した、ダーウィンのブルドックと言われた19世紀の生物学者、トマス・ハクスリーが「道徳とは人類が勝手に創り出したもので、自然界には存在しない」という説を主張していたからです。 さらには、ノーベル生理学・医学賞を受賞した動物行動学界の大御所コンラート・ローレンツ…

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ヒトの目を気にする

人目を気にするのは、程度の差こそあれ皆同じ。 でも、人の目があるのとないのとでは、私たちの行動はそんなに変わってしまうものでしょうか。 2005年に、心理学者のハーレイらはちょっと変わった論文を発表しました。 本物の目ではなく、目のような模様であったとしても、見られているという意識が人の行動を変えてしまうのかどうか調べたのです。 集められた参加者248名は、それぞれペアとなり「独裁者ゲーム」をやらされます。 ペアになった2人をA、Bとすると、まずAに10ドルが与えられます。 Aは、それをBと分け合うのですが、配分の割合はAが自由に決めることができます。 どんな割合でも、B…

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新聞は消滅してしまうのか(4)

満を持して発足したコンプライアンス委員会。 朝日新聞社員には『コンプライアンスの手引き』という45ページからなる小冊子が配られますが、そこにはありとあらゆる規則が列挙されていました。 まるで、箸の上げ下げまで指導するような細かな内容でしたが、最も顰蹙を買ったのは「公益通報制度に関する規定」の項目。 そこには、こう記されていました。 「いわゆる内部通報制度ですが、『密告のすすめ』ではありません」 なぜ顰蹙を買ったかというと、社員の誰もが「密告」という手段が権力闘争に使われてきた朝日の黒歴史を知っていたからです。 新たに設置された「内部監査室」は、社長直属という強力な権限を…

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新聞は消滅してしまうのか(3)

2014年5月の、東京電力福島第一原子力発電所の吉田昌郎元所長の調書に関する記事は、まさに「世紀の誤報」でした。 朝日新聞は「所長命令に違反原発撤退」という見出しで、「フクシマ50」の名で英雄視されていた作業員たちが、実は所長命令に違反して現場から逃亡した卑怯者集団であるとセンセーショナルに伝えたのです。 これは超弩級のインパクトがありました。 でもよく考えてみると、事故から3年も経っているわけですから、所員の9割に当たる650人もの人たちが所長命令に背いて逃げたというのが本当なら、とっくにその事実が表沙汰になっていてもおかしくないはず。 この記事は、政治家に裏から手を回して入手し…

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