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スタッフ

日本語教(1)

日本人は、日本語を捨てようとしているのでしょうか。 大晦日の紅白歌合戦と言えば国民的行事のひとつですが、昨年の出場者のうち名前がアルファベット表記の歌手やグループの割合は4割を超えていました。 でも、これはまだいい方で、書店に並ぶ雑誌名などはほとんどがアルファベット。 日本語は、このまま廃れてしまう運命にあるのでしょうか。 「日本語教」を提唱した言語学者の鈴木孝夫は、日本語ほど素晴らしい言語はないと主張しました。 世界では現在77億を越える人々が約6,000種もの異なる言語を使っているそうですが、使用する人の数が1億を超えるという「大言語」は10前後しかありません。 もちろん、…

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オリンピック症候群

遺伝子の話が続きましたが、今回はシリーズの締めくくりとして変わり種の遺伝子の話をまとめてみました。 最初は、運動能力に関する遺伝子です。 一生懸命ジムに通ってマッチョな体を作り上げたら、その筋肉は将来産まれてくる子どもにも遺伝するのでしょうか。 残念ながら遺伝しません。 でも、運動能力を獲得できるかどうかは、すべて本人の努力次第というわけでもありません。 例えば、筋肉の質に関しては遺伝的な要因が認められています。 一般に筋肉は、「赤筋(遅筋)」と、「白筋(速筋)」に分けられます。 遅いとか速いというのは収縮速度のこと。 収縮速度が遅い赤筋(遅筋)は、長時間収縮し続けるこ…

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寿命遺伝子

今回のネタ元は、寿命研究に関する分子遺伝学の第一人者、白澤卓二の著書です。 寿命や老化のスピードに影響を与える遺伝子はいくつか見つかっていますが、私たちの寿命が全て遺伝で決められているのかというと、そういうわけではありません。 一卵性双生児の遺伝子は全く同じですが、双子の寿命は同じではありませんよね。 白澤によれば、老化に関する遺伝的要因は25%に過ぎないそうです。 つまり、生まれたあとの環境や、本人の生活習慣によって左右される部分の方がはるかに大きいのです。 やれやれ、まずは一安心。 でも、25%とは言え、遺伝的要因も気にはなります。 遺伝子は、どのような形で寿命に関係…

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性格は遺伝するのか(2)

遺伝しない性格、つまり後天的に作られる性格というのは次の3つです。 ①自己志向 ②協調性 ③自己超越性 ①の「自己志向」とは、自立心のことを言います。 具体的には、自己責任を感じる能力や臨機応変に対応する能力のことで、「自己受容」というのも含まれます。 自己受容のできる人は、「もし自分が○○だったらよかったのに」などと思うことは決してありません。 だから、自立心が弱いという人は、自分の性格を遺伝のせいにしてはいけないのです。 でも、育った環境が原因だとなると、親の責任が全くないとも言いきれなくなりますが・・・。 次に、②の「協調性」。 他人の気持ちを考えたり…

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性格は遺伝するのか(1)

性格は遺伝するのでしょうか? なんとなくするような、しないような・・・。 今回ご紹介するのは、東京大学名誉教授の石浦章一の説。 石浦によれば、100%ではないにせよ遺伝的要因が認められるのは、以下の3つの性格だそうです。 ①新奇性追及 ②損害回避 ③報酬依存 では、①の「新奇性追及」から説明していきましょう。 新奇性追及とは、分かりやすく言うと探究心の強さのことです。 こう言うとよさげに聞こえますが、要するに「新しモノ好き」のこと。 衝動買いや浪費癖などとも関係しますので、どちらかと言うと気をつけなければならない方の性格です。 これにはドーパミン受容体が関係し…

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プロミスド・ランド(1)

テナー・サックスのジョン・コルトレーンが、ブルーノートに残した唯一のリーダー・アルバム『ブルー・トレイン』。 57年9月録音のモダン・ジャズ史に残る名作です。 実は、この作品はコルトレーンの義理堅さから生まれたものでした。 麻薬と深酒のため満足にバンドスタンドに立つことさえできず、マイルス・デイヴィスからクビを言い渡されたコルトレーンは、カーティス・フラー(トロンボーン)に相談を持ちかけます。 フラーは、「アルフレッド・ライオンが君のアルバムを作りたがっているから行ってみたら」とアドバイスしました。 ライオンは言わずと知れたブルーノートの創始者。 しかし、麻薬代欲しさにレコ…

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神は無私の心に宿る(2)

蓮月焼の儲けがどうなったかの謎は、嘉永3年(1850年)の飢饉の際に解き明かされます。 窮民の救済に当たっていた、京都東町奉行所の与力平塚表十郎の元に、蓮月の命を受けた鉄斎が包みを届けに現れます。 包みの中身は30両。 現在の価値でいうと1,000万円近い大金です。 蓮月はこれを匿名で届けるよう命じていたのです。 おかげで鉄斎は、奉行所から怪しまれて取り調べを受ける羽目になりました。 ところで、その蓮月の生い立ちはというと、これが結構複雑なのです。 天明8年(1788年)正月晦日、鴨川の東のほとり宮川町団栗辻子(どんぐりずし)の裏店から出火した「天明の大火」は、禁裏御…

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神は無私の心に宿る(1)

億万長者になったベンチャー企業の社長が、メディアで盛んにもて囃されています。 まるで稼いだ金額が、そのまま人間の価値を示しているかのような大騒ぎ。 そもそも日本人というのは、昔から富める者は尊いと考える民族だったのでしょうか。 歴史学者の磯田道史は、その著書『無私の日本人』で、欲がなく自分を犠牲にしてでも、清貧の暮らしに生きた江戸後期の人々を紹介しています。 大田垣蓮月。 この尼僧の造る陶器『蓮月焼』は、安価なことも手伝って幕末の京都で大人気を博し、造る片端から売れていきました。 人気の理由は、急須や茶碗に釘で彫りつけた自詠の和歌。 次々と注文が舞い込み、蓮月は頼まれれば頼ま…

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神々は真っ先に(2)

香月が画家であることを申告したとたんに待遇は劇的に変わります。 以降はプラカードやスターリンの肖像画を任されるようになり、屋外での過酷な重労働は免除されました。 収容所の応接間の壁掛けを任される頃には、食べるものに困ることはほとんどなくなっていたといいます。 横山操のように職業をひた隠し、黙々と厳冬の重労働に甘んじた画家もいましたが、だからと言って香月を非難することはできません。 なぜなら、私たちは極限状況を体験していないからです。 戦後、生まれ故郷の山口県三隅町に戻った香月は、まるで何かに取り憑かれたように、方解石の粉末と炭粉を混ぜた黒灰色のキャンパスの上に、さらに真っ黒な…

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神々は真っ先に(1)

とにかく真っ黒な絵画でした。 でも、目を凝らして観ていると、暗闇の中に何かがうっすらと浮かび上がってきます。 それが幾つも幾つも描かれた人間の顔だと気づくまで、それほど時間はかかりません。 げっそり肉が削げ落ちた頬に大きく窪んだ目。 鼻筋が一本通っていることを除けば、髑髏にも似たそれは紛れもなく、シベリアの凍土に埋葬された兵士たちの顔。 耳を澄ませば、祖国に棄てられた者たちの、静かなる怨嗟の呻きが聞こえてくるようです。 今から30年ほど前、絵画に全く興味のない私が、時間潰しのためにふらりと立ち寄った絵画展で香月泰男の代表作『涅槃』を観た瞬間、私の脳裏に浮かんだのは詩人石原吉…

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