株式会社ファイブスターズ アカデミー

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村上 徹

本当にインフレは来るのか?

毎日の新聞やテレビのニュースを見ていると、ガソリンから食品までありとあらゆる商品が値上げされているような印象を受けます。しかし、本当にそうでしょうか?これだけインフレ報道が街に溢れかえると、消費マインドはどんどん冷え込んでしまいます。その結果、私たちの財布のヒモはますます固くなり、不要なものや衝動買いなどは極力抑えようとします。ましてや高価な買い物などはご法度です。店側としては当然売り上げが落ちますから、その対策が必要となります。しかし、対策といっても、やることはできるだけ安い商品を並べるしかありません。現実に、売り上げにかげりの見えているデパートなどは、インフレに逆行するべく低価格商品の開発…

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ムダな公共事業などない

以前、上げ潮派の話をしましたが、景気刺激のために財政出動を唱える政治家も目立ち始めました。しかし、メディアは「ムダなパラマキ型の公共事業は悪である」という論調です。すでにこのフログでお話しましたが、経済学的に見た場合、ムダな公共事業などはないのです。なぜなら、ばらまいたお金が景気の呼び水となって、需要の4番バッターである「個人消費」を刺激するからです。ところが、今の日本の深刻な問題は、公共事業が個人消費の呼び水にならないことです。では、ばらまいたお金が景気の呼び水になるというメカニズムを、もう一度おさらいしましょう。公共事業でばらまいたお金は、その何倍かの経済効果をもたらします。それは「乗数効…

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財政破綻と大騒ぎするけれど・・・

メディアは、「このままでは日本は財政破綻してしまう」と大騒ぎです。でも、本当に財政破綻してしまったら、一体どうなるのかは誰も教えてくれません。日本の国全体が夕張市のようになるのでしょうか。それを考える前に、基本的な知識をおさらいしておきましょう。まず、財政破綻により国債の償還ができなくなることを「デフォルト」といいます。要するに借金の踏み倒しです。過去にデフォルトを起した国はたくさんあります。ちょっと前ですが、ロシアやアルゼンチンの国債を買っていて痛い目に会った人もいるのではないでしょうか。これらの国は、よその国からの信用を維持するよりも、自国の人々の生活を最優先に考えたのでしょう。もちろん借…

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財政再建か?自殺か?

福田さんはあんなことになってしまいましたが、先月新内閣を組閣したときに、上げ潮派か、増税派かと騒がれました。上げ潮派というのは経済成長を重視する考え方で、経済発展によって税収を改善し、財政の健全化を目指す人たちのことだそうです。一方、増税派というのは、経済成長が見込めないので、財政健全化のためには増税も止む無しとする人たちのことだそうです。ここに根本的な疑問があります。政治家の中で、はたして経済成長を重視しない人がいるのでしょうか?もしいるとすれば、即刻引退するべきでしょう。財政の健全化は大切ですが、それが景気対策より優先することはありえません。まず、経済成長ありきなのです。経済成長があれば、…

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今こそインフレターゲット政策を

「値上げは許さない」という消費者の姿勢が、日本中の業者を窮地に追い込んでしまったといっても、それじゃインフレ大歓迎というわけにもいきません。そこでインフレターゲット政策が必要になります。例えば、物価が1年で数十倍とか数百倍になるようなハイパーインフレは、経済そのものを破壊してしまいます。そこまで行かなくても、1年で2倍になっただけでも生活は大変です。2倍ということは、インフレ率は100%ということです。現在インフレターゲット政策を取り入れている国の多くは、インフレ率をだいたい1~3%くらいに目標設定しています。日本では、インフレ率がマイナス1%というデフレのときにこの政策が議論されましたので、…

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値下げは日本を破壊する

前回までは、財布のヒモが固いことが不況の原因だと結論付けました。では、どうすればいいのでしょうか。その前に、なぜお金をジャブジャブにしても景気が良くならなかったのか考えましょう。経済学のテキストでは、お金をジャブジャブにしただけでインフレが起こるとは考えていません。もうひとつ「インフレ期待」というものが必要なのです。”期待”というと誤解されやすいのですが、要するに「インフレ予測」ということです。人々が「これからインフレになる」と予測することこそ、ジャブジャブ効果として金回りがよくなる条件なのです。しかし、日銀はインフレターゲット政策を採用しなかったため、このインフレ期待を作り出せませんでした。…

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お金に羽根が生えてたら・・・

前回の話を振り返りましょう。お金の量はかなりのジャブジャブなのに、なぜか景気は良くならないということでしたね。今から5年ほど前のことになりますが、私はある金融機関のシンクタンクの会合に参加していました。そこでは、景気分析についてチーフ・エコノミストが説明していました。彼は、量的緩和によるインフレターゲット論には否定的な立場として知られていました。すなわち「お金をジャブジャブにしても、実際に物価は上昇していないではないか」というのです。そこで、質問タイムになった時に、私は持論をぶつけてみました。まず、なぜ物価が上昇しないのかについては、こう説明がつきます。MV=PTの左辺のMが上昇しても、Vが減…

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素朴な貨幣数量説

このプログを書き始めて以来、方程式だけは使わないように心がけてきました。しかし、今回だけはどうしても使わないと話が進みません。数式が苦手な方は、読み飛ばしていただいても結構です。ただ、今回の話はインフレターゲット論の基本に関わることですので、ちょっとだけ我慢してくださいね。そのかわり、できるだけ分かりやすくしますから。MV=PTこれは素朴な貨幣数量説というもので、インフレターゲット論の根拠になっているものです。まず左辺からみていきましょう。Mは、マネーサプライの頭文字で、世の中にどれだけの量のお金が出回っているかを表します。これが大きい数字だと、ジャブジャブということです。Vは、貨幣速度とか流…

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貯蓄に励むとリストラされる

若者たちが将来の不安に備えてせっせと貯蓄すると、一体どのようなことが起こるか考えてみましょう。現在、車の販売台数が落ち込みはじめています。ということは、自動車産業を取り巻く環境は今後ますます厳しいものとなるでしょう。当然リストラが行われ、自動車産業全体で雇用できる規模はどんどん縮小していくことが予想されます。若者たちの買い控え行動は何も自動車だけではありませんので、あらゆる業界が販売不振に陥ります。すると、企業としては当然リストラに着手せざるを得なくなります。ということは、若者たちは自らの就職先を失うことになるのです。幸いにも職を得ることができた若者も安心はできません。買い控えの影響で、自分の…

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デフレ育ち

前回お話した、「消費しない若者たち」を生み出した背景を考えてみたいと思います。彼らはバブル崩壊後の深刻な不況期に育ちました。もっとはっきり言いましょう。経済学的には、一生の間に遭遇するのが極めて困難な、『デフレ』の真っ只中で育ったのです。つまり、世界的に見ても、歴史的に見ても、彼らは非常に特殊な経済環境下で、お金に対する価値観を育んだのです。そう考えると、この特異な行動も納得がいきます。なぜなら、デフレ下では、お金を遣わないでいるとその価値が上がるからです。例えば1万円をそのまま持っていると、どんどん物価が下がっていくので、遣わない方が得をするのです。しかし、本当にデフレのせいだけでしょうか。…

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