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5☆s 講師ブログ

か弱き開拓者

強い潮風が吹き付ける海岸に、砂防用の松が植えられているのをよく見かけます。 松は、厳しい自然環境下でも生き抜くたくましい木で、荒廃した高山などに最初に進出していく「開拓者」でもあります。 ところが、次第に松が群生するようになり、下草が生い茂って森が豊かになると、今度は椎や樫などの照葉樹が台頭し始めます。 すると、松は照葉樹との生存競争に負けてしまい、より険しい高地を目指すしかなくなるのだそうです。 つまり、松が厳しい環境に進出する理由は、他者との競争がない不毛の土地でなければ生きていけないからです。 開拓者が荒れた土地に挑むのは、肥沃な土地では他者との競争に負けてしまうからだ…

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「切れ者」津田永忠(3)

番頭(ばんがしら)に抜擢され、藩士たちの羨望の的となった永忠でしたが、その翌月に早くも事態は急変してしまいます。 あれほど絶賛していた綱政が、まるで手の平を返したように辛く当たり始めたのです。 一体どうしたというのでしょう。 実は、永忠に嫉妬の念を抱いた重臣が、あることないこと綱政に告げ口していました。 無能な上司が気をつけなければならないのは、このような「ご注進」に及ぶ部下の存在です。 多くの場合、彼らの主たる仕事は上司の「ご機嫌取り」と「ご注進」です。 いや、有能な上司も例外ではありません。 豊臣秀吉の家来に、曽呂利新左衛門というお伽衆がいました。 ある時、秀吉から…

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「切れ者」津田永忠(2)

たとえその扱いが難しくとも、もはや「切れ者」に頼るしかなくなった綱政。 一方の永忠は、嫌われ役を演じることに何の抵抗もありませんでした。 農民を飢餓から救うためなら、鬼になることも厭わない永忠は、家老や藩士に厳しい倹約を強いることで財政の再建を試みます。 でも、永忠が「切れ者」と言われる所以は、その柔軟な発想力にあります。 財政とは「入」と「出」からなります。 藩の財政を立て直すには「支出」を減らすだけでなく、「収入」を増やすことが絶対に必要です。 当時の収入と言えば年貢米。 その取り立て量を増やすには、2通りの方法が考えられます。 ひとつはノルマを増やす、つまり税…

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「切れ者」津田永忠(1)

「切れ者」というのは、周囲の人間から出世を妬まれたり、足を引っ張られたりすることがあります。 サラリーマンの話ではありません。 江戸時代の岡山藩の話です。 津田永忠は、日本三名園のひとつである後楽園の築庭の際に活躍した人物ですが、そのように紹介されるのは永忠の本意ではないでしょう。 永忠が目指したものはただひとつ。 農民を飢餓から救うことでした。 岡山はもともと水害の多い地域で、2018年の西日本豪雨により271人に及ぶ死者・行方不明者を出したことは記憶に新しいところです。 承応三年(1654年)、後に名君と謳われた岡山藩の池田光政もまた、大洪水に悩まされていました。 …

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やる気を出すにはまずやる気

今回は、やる気を出すためにはどうしたらいいかという話です。 本題に入る前に、自分の意思で脳の活動をコントロールできることを説明しておく必要があります。 かつて、リラックスした時に現れるα波に関する研究で注目された「バイオフィードバック」という現象があります。 被験者の頭に脳波計をつけて、リラックスするクラシック音楽や小川のせせらぎなどを聞かせます。 しばらくしてα波が現れたら、小さな赤いランプを点灯して被験者にα波が出ていることを知らせます。 これをくり返しているうちに、やがて赤いランプを見ただけでα波が出現するようになります。 これが「バイオフィードバック」です。 …

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射殺されたトランペッター(2)

61年7月にジャズ・メッセンジャーズを退団したリー・モーガンは、満を持して自分のバンドを結成します。 しかし、本人の思惑に反して仕事は減る一方。 翌年にはウソのようにすっかり仕事がなくなり、失意のうちに故郷のフィラデルフィアに戻ります。 打ちひしがれたモーガンに再起を促したのは、意外にも地元のラジオ番組でした。 アナウンサーは彼のレコードをかける際、演奏者を「過去形」で紹介しました。 「とんでもない。オレは生きている。まだ終わっちゃいないんだ」 モーガンは一念発起し、再びニューヨークへ。 そして63年10月、盟友ハンク・モブレー(テナー・サックス)が吹き込む『ノー・ルーム…

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射殺されたトランペッター(1)

1956年秋、フィラデルフィアにやってきたディジー・ガレスピー楽団は、困った事態に直面します。 トランペッターが1人脱退したのです。 急場凌ぎに地元ミュージシャンを起用しますが、この時抜擢されたのは神童と呼ばれる18才の若者でした。 自身もトランペット奏者であるディジー・ガレスピーは、すぐさま彼の類い希な才能を見抜き、トランペッターの腕の見せ所ともいうべき曲『チュニジアの夜』を、この若者にスポットが当たるように編曲し直します。 迸る無鉄砲な若き情熱と、それとは裏腹に時折バラードで見せる、憂いを帯びた陰影の濃い哀愁とのコントラストは一躍ジャズシーンの注目を集め、その年の11月には…

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首を賭ける

その日、江ノ島電鉄の総務課長を務めていた楢井進は、密かに辞表をしたためていました。 万一の事態が起こった時には、すべての責任を取る覚悟だったからです。 驚くべきことに、彼が職を賭けてまで実現したかったのは、縁もゆかりもない少年の「運転士になりたい」という夢を叶えることでした。 16歳の新田朋宏君は、拡張型心筋症という、数万人にひとりの難病を患っていました。 心臓を動かす筋肉が弱いため、心不全が起きやすくなる病気です。 生後7ヶ月の時に診断されて以来、ずっと医療サービスが充実した専門の養護施設に入っていました。 9歳の時には、最愛の母親を同じ病気で失うという悲しみも経験します…

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ネズミの方が賢い?

2018年8月のブログ『ハトの方が賢い?』で、「モンティホール・ディレンマ」という課題をやらせると、人間よりハトの方が成績がいいというデータを紹介しました。 随分とプライドを傷つけられる話でしたが、今回紹介するのはその続編。 今度はなんと、人間よりネズミの方が頭がいいという話です。 ウィリアム・アンド・メリー大学のパクリサヌ教授が、1967年に行った実験です。 くじ引き用にAとBの2つの箱を用意するのですが、それぞれの当たりの確率が違います。 Aは75%、Bは25%です。 Aの箱から引く方が有利なのは誰でもわかりますが、残念ながらくじを引く本人は確率に差があることを知り…

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十八不徳(2)

役に立たないと思った「九徳」ですが、山本によれば「九徳」にインパクトがないのは、「~であれ」という表現だからだそうです。 この言い回しは儒教の教えに基づくものですが、ヨーロッパは全く逆で、『旧約聖書』はすべて「~するなかれ」という表現を採用しています。 そこで山本は、この「九徳」を真逆の言い方に変換することによって、「十八不徳」なるものを作り出しました。 例えば、①の「寛にして栗=寛大だが締まりがある」を真逆に言い換えると、「こせこせとうるさいくせに、しまりがない」となります。 どうです? こっちの方がわかりやすいですよね。 では、以下18個の「不徳」を列挙してみますね。 …

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