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村上 徹

浮気遺伝子

今回の脳内物質は、バゾプレッシンです。前回お話したオキシトシンと大変よく似た構造で、おなじ9つのアミノ酸から成り立っていますが、そのうちの2つが違うだけです。よって、この物質も恋愛などに関係しているといわれています。今回の話は微妙なテーマですので、もちろん人間の話ではありません。ハタネズミという動物の話ですが、同じ仲間でありながら行動が全く違う2種類がいるのです。まず、プレイリーハタネズミですが、こちらは一夫一婦制です。つまり浮気をしません。もう一方は、アメリカハタネズミですが、こちらのオスは風来坊のようなさすらい生活をしていて、たまたま出合ったメスとすぐ交尾をするそうです。とんでもない浮気者…

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人を信じるホルモン

以前、行動ファイナンスの話をしましたが、最近では経済学と脳科学が融合して、経済行動を脳のメカニズムから解明しようという動きが盛んです。2週間も脳内情報伝達物質の話をしましたので、ついでに少し触れておきましょう。今回は、オキシトシンという物質のお話です。この物質は、愛情に関係するホルモンとして知られています。ここではマネーゲームの際の作用について調べた、チューリッヒ大学のマイク・コスフェルドらの実験を紹介しましょう。あなたは、ゲームのプレイヤーです。胴元からあなたに、投資資金として12,000円が支払われました。あなたは、そのうちのいくらかを顧客に投資します。投資金額は、4,000円、8,000…

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好奇心遺伝子

前回は、日本人のセロトニン・トランスポーターの遺伝的要素が、心配症に関係しているのではないかという仮説をお話しました。今回は、好奇心に関する遺伝子のお話しましょう。好奇心が強ければ、当然モノの消費は盛んになります。現在の日本の「需要不足=消費不足」は、日本特有の遺伝的な要素が関係しているのかもしれません。今回の主役は、ドーパミン受容体です。ドーパミンとは、セロトニン同様脳内の情報伝達物質ですが、別名「快感ホルモン」と言われています。私たちの脳内の神経細胞の表面には、様々な物質を受け取る専用アンテナみたいなものが突き出ています。これを、受容体といいます。この受容体の数や感度の違いによって、感受性…

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心配症遺伝子

日本人の脳は、なぜ不安を感じやすいのでしょうか。これから2回にわたり、脳科学の視点からいくつかの仮説を提示したいと思います。まず、セロトニンのトランスポーターに関する遺伝的な特徴です。セロトニンとは、脳内の情報伝達物質で、幸福感などに関係するといわれています。また、セロトニンは攻撃性を抑制する働きもありますので、これが不足すると人はキレ易くなります。さて、このセロトニンを運ぶのがトランスポーターですが、こちらの遺伝子には2つのタイプがあります。s型とl型です。sはshort、lはlongの頭文字です。s型遺伝子を保有していた場合、トランスポーターの産生量が少ないため、不安を感じやすくなります。…

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日本人はなぜ心配性?

日本の景気悪化を加速しているのは、消費の冷え込みです。たとえ少ない収入でも、なんとか消費を切り詰めて貯蓄に回そうとする私たちの姿勢こそが原因なのです。と、ここまではこのプログで何回も述べました。すでに耳タコの人も多いでしょう。では、なぜ私たちは、このような消費行動をとるのでしょう。その答えは「不安」だとも書きました。将来に対する不安心理が、消費を切り詰めてツメに火を灯すようなi貯蓄¥行動に走らせるのです。でも、ちょっと待ってください!他の国はどうなのでしょうか?日本以上に将来が心配な国は、世界中にたくさんあるではありませんか。でも、なぜか日本だけが異常なまでの貯蓄行動に走っているのです。今、国…

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バブルはコントロールできる

前回、ジャブジャブのお金を供給することでインフレを作り出せるか、もし作り出せないとしても株や土地の値段が上がると書きました。こう書くと、心配性の方は、バブルの再来を懸念するかもしれません。「バブル」という言葉を聞くと、まるで過去に犯した犯罪のように思っている人もいるようです。しかし、景気がいいということは、多かれ少なかれ「バブル」の要素を含んでいるのです。問題は、それが適正価格から大きく逸脱しているかどうかです。すでにこのブログで書きましたが、土地の値段にはファンダメンタル価格という適正価格があります。株だってそうです。PBRとかPERといった目安はそのためにあるのです。私は、金融政策とは、一…

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MV=PTの難点

MV=PTというのは素朴な貨幣数量説と言われ、M(マネーサプライ)を増やせば、P(物価)は上がるという関係を表しています。しかし、水野和夫氏が「人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか」(日本経済新聞出版社)で、指摘しているように、Mが増えてもそのお金が株や土地に投資されてしまい、結果として物価上昇に結びつかないことがあります。実際、80年代後半の日本がそうでした。当時の日本は円高不況で苦しんでいました。そこで、政府・日銀は金融緩和策をとりました。これは正解です。日本は変動相場制を採用していますので、景気の回復を目指すなら、財政出動よりも金融緩和策の方が効果が高いというのは、マンデルフレミン…

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私が日銀総裁なら・・・

私が日銀総裁ならば、今すぐ景気回復のためにとる方策があります。それは、日銀が株式市場から、直接株を購入することです。その理由を説明する前に、この大不況がなぜ起こったかを振り返ってみましょう。まず最初に起こったことは、アメリカのサブプライムローンの破綻でした。これが引き金となって、世界中の金融商品や株が大暴落しました。このとき、メディアはこのように報じました。この金融界の問題が、いずれ実経済にも飛び火するのではないかと。そして、事態はメディアの予言どおりになりました。自動車や電器製品などの工業製品が売れなくなり、これらの輸出で潤っていた日本は大きな打撃を受けたのです。金融商品の値下がりが、なぜ工…

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ミスター円

5年くらい前のことです。夜のビジネス番組を見ていたとき、思わずフリーズしてしまうような事件が起きたのです。二人の経済学者が討論をしていました。ひとりは、私が、日本でもっとも優れた経済学者ではないかと思っている、学習院大学の岩田規久男氏です。もうひとりも某大学の教授で、かつて官僚として為替相場を動かしていた人です。岩田氏が、持ち前の量的緩和論を持ち出して、デフレ脱却のために日銀はもっと紙幣を印刷すべきと主張しました。そして、もしそれでもインフレが起こらないなら、政府はそのお金で株式市場の株を買うべきと続けました。それでもダメなら土地を買ってもいいとも。もし政府がこのような行動に出れば、確実にイン…

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インフレの起こし方

前回、インフレを起こせば消費は活性化するとお話しました。ではどうやってインフレを起こせばいいのでしょう。実は、この議論はすでに飽きるほどし尽くされています。かつてデフレが深刻だった頃、インフレターゲット論者たちの間で散々議論されていたのです。答えは、カンタン!中央銀行がどんどんお金を印刷することです。世の中のお金がジャブジャブになれば、必ずインフレは起きます。経済学的には、マネーサプライを増やすと言います。以前、MV=PTという「素朴な貨幣数量説」のテーマでお話しましたね。V(貨幣速度)を一定と仮定すると、左辺のM(マネーサプライ)が増えれば、当然右辺のP(物価)も上がるという単純な式です。し…

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