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5☆s 講師ブログ

心配症遺伝子

日本人の脳は、なぜ不安を感じやすいのでしょうか。
これから2回にわたり、脳科学の視点からいくつかの仮説を提示したいと思います。

まず、セロトニンのトランスポーターに関する遺伝的な特徴です。
セロトニンとは、脳内の情報伝達物質で、幸福感などに関係するといわれています。
また、セロトニンは攻撃性を抑制する働きもありますので、これが不足すると人はキレ易くなります。

さて、このセロトニンを運ぶのがトランスポーターですが、こちらの遺伝子には2つのタイプがあります。
s 型とl 型です。 s はshort、l はlong の頭文字です。

s 型遺伝子を保有していた場合、トランスポーターの産生量が少ないため、不安を感じやすくなります。
反対にl 型遺伝子の場合は、あまり不安を感じません。

アメリカのレッシュの研究によれば、アメリカ人の場合は s 型遺伝子を保有しているのが66.7%、l 型遺伝子は32.3%だそうです。
つまり、アメリカ人の1/3は、不安を感じにくいタイプということになります。

日本では、慶応大学の大野裕氏が153人の日本人を対象に調べたデータがありますが、ほぼ全員がs 型遺伝子を最低でも1個保有しており、l 型遺伝子を保有していたのはわずか3人、比率にして1.7%だったそうです。
ということは、日本人の場合は不安を感じにくい人は、100人に2人くらいということになります。

もしもこれが、そのまま消費行動に反映されるとしたらどうなるでしょう。
今100人のアメリカ人がいるとすると、お気楽に消費に励む人たちは32人います。
一方日本人は、100人中たったの2人です。
日本の不況が、消費不足に起因するというのもうなずけますよね。

しかし、「日本の景気低迷は遺伝子の問題」と言ってあきらめてはいけません。

東邦大学の有田秀穂氏によれば、規則正しいリズム運動をすることにより、セロトニンの分泌量を増やすことができるというのです。
つまり、遺伝的にどうであろうと、後天的な努力によってそれを乗り越えることが可能というわけです。
人間何でも努力が大事なんですね。

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