株式会社ファイブスターズ アカデミー

まずはお気軽に
お問い合わせください。

03-6812-9618

5☆s 講師ブログ

変わり者が世界を変える(1)

同じアングルから撮られた2枚の写真が、ネット上で話題になっています。
現在のトランプ・タワーが建っている辺りからニューヨーク5番街を撮った、1900年と1913年を比較した写真です。

前者に写っている乗り物は全て馬車ですが、後者は自動車で埋め尽くされています。
調べてみると、T型フォードの発売が始まったのは1908年。
ということは、たったの5年間で世の中がガラリと変わった計算になります。
もしかしたら、今から5年後の世界は、私たちの想像もつかないものになっているかもしれません。

でも、もっと驚くことがあります。
後者の写真が撮られた1913年から16年後の1929年、全米の自動車販売台数は540万台に達します。
人口比で見ると4.5%。

これがどのくらい凄い数字かというと、2020年の全米の自動車販売台数が1,458万台ですので、人口比は4.4%。
なんと、90年前の方が車は売れていたのです。
本当に、あっという間に自動車が普及したのですね。

しかし、この時景気は明らかに行き過ぎてしまいます。
急激な生産力アップは供給過剰をもたらし、需給バランスが大きく崩れました。
その結果、1929年10月24日、アメリカの株式市場は運命の日を迎えることになります。

世に言う「暗黒の木曜日」。

世界恐慌の始まりでした。
自動車販売台数は大きく落ち込み、再び同じ水準に戻るまでに20年もの歳月を要しました。
イノベーションの凄まじいパワーは、時として深刻な副作用を引き起こすこともあるのですね。

思えば東日本大震災の時、私が持っていた携帯はガラケーでした。
外出中だったため、交通機関の情報を集めるのにとても苦労したのを覚えています。
その後わずか10年でスマホが急速に普及し、もうすぐ5Gの時代が到来しようとしています。
もしかしたら、現在私たちの身の周りで起きている変化は、馬車から自動車以上の変化なのかもしれません。

ところで、イノベーションを起こす原動力は一体何でしょう。
どんな人がイノベーションを起こしているのでしょう。

私見ですが、それは「空気を読まない変り者」ではないかと思うのです。
というのは、「変り者」が人類の進化をもたらしたという説があるからです。

数万年前まで、ユーラシア大陸には3種類の人類の亜種がいたことがわかっています。
ヨーロッパから中央アジアに住んでいたネアンデルタール人、西シベリアの洞窟で発見されたデニソワ人、そして私たちの祖先のホモ・サピエンスです。
互いに多少の交雑はあったようですが、なぜかホモ・サピエンスだけが生き残りました。
その理由について、マックス・プランク研究所とミシガン大学の研究者が、大変興味深い説を発表しています。

ホモサピエンスだけが“generalist”であると同時に、“specialist”を志向する能力と性格を持っていたというのです。
ただし、彼らによれば、“specialist”とは「何かを極めた専門家」という意味ですが、“generalist”の定義は「いろんなことに挑戦する人」だそうです。

ネアンデルタール人やデニソワ人は、限定された地域でしか生活の痕跡が見つかっていないのに、ホモ・サピエンスの方は海を越えてオーストラリアに到達したり、あるいは北の果てのベーリング海峡を経由してアメリカ大陸にも渡っています。
さらには極寒地や高山、砂漠にまで進出しました。

命の危険を冒してまでチャレンジを続けたホモ・サピエンス。
彼らは、一体なぜこんな冒険をしたのでしょう。

初めての方へ研修を探す講師紹介よくある質問会社案内お知らせお問い合わせサイトのご利用について個人情報保護方針

© FiveStars Academy Co., Ltd. All right reserved.