株式会社ファイブスターズ アカデミー

まずはお気軽に
お問い合わせください。

03-3500-1686

5☆s 講師ブログ

マグロ漁船は学びがいっぱい(2)

「鮮度保持剤」の開発のためにマグロ漁船に乗船した齊藤は、漁師のコミュニケーションの取り方についても、自分の職場との違いを思い知らされます。
中でも印象的だったのが、漁師の「叱り方」でした。

マグロ漁の延縄には、時々サメが掛かります。
サメは非常に獰猛なので、すぐにナタで頭を半分くらい落とさなければなりません。
なぜ全部落とさないかというと、胴体と切り離された頭だけでも噛みつくほど生命力があるので、頭が甲板上をゴロゴロ転がる方が危ないからです。

ある日、水揚げ作業中に「おわぁ!」という大きな叫び声が上がりました。
声の方向に目をやると、マグロの内臓を捌く作業に当たっていた若い漁師が、ヨシキリザメに右足を噛まれているではありませんか。
甲板上に並ベられたマグロの中に、サメが一匹混じっていたことに気づかずに、うっかり近づいてしまったようです。
ヨシキリザメは所謂「人食いザメ」の一種。
最悪の場合、右足を失うことにもなりかねません。

ところが、漁師が慌てて足を振り上げると、サメは足から外れてしまいました。
幸運なことに長靴が噛まれただけで、足の方は間一髪のところで難を逃れていたのです。
仲間の漁師たちが口々に「すげぇ」とか「神業じゃ」と声をあげたその時、操舵室から船長の「ゴルァ!」という怒声が響き渡ります。
瞬時に全員が凍りつきました。

もし、あなたの職場で、若手が不注意から重大なミスを犯したら、どんな風に怒られますか?
「バカヤロウ!」ですか?
「やる気あるのか!」ですか?
それとも「何年この仕事やってるんだ!」ですか?

その時、船長はこう叱りました。
「一体、何やっとんじゃ」
ほら、やっぱりどこも同じですよね。
ところが、この後がちょっと違うのです。

「せっかくうまく捌けるようになったお前がここでケガしよったら、みんなが困りようが!こんバカ!」

この叱り方が非常に優れているのは、3つのことを含んでいるからだと齊藤は分析します。
①お前は捌くのがうまい
②お前が欠けると戦力が劣ってしまう
③お前はこの船でとても役立つ人間だ

どうやら、同じ「叱る」でもモチベーションを上げる叱り方があるようです。
その証拠に叱られた当人は、叱られたことがとても嬉しかったと後に振り返ります。
単にミスを叱るだけだと、部下の方は「自分は組織に必要のない存在なのか」と思ってしまいます。

確かに、部下がミスをしたことによって、組織にはマイナスの影響があったかもしれません。
でも、もしその部下がいなくなってしまったとしたらどうでしょう。
組織にとって、もっと困った事態になりませんか。

ミスをした部下も、組織の中では重要なパーツを担っている戦力であり、チームに貢献しているメンバーのひとりです。
まずはそのことをキチンと認めてあげましょう。
その上で、同じミスを繰り返さないよう自覚させればいいだけです。

マグロ船では1カ月余りの航海が終わるまでの間、乗組員は同じ船で過ごします。
途中でメンバーを替えることはできません。
もし、誰かひとりがやる気を失くしてしまうと、業務に支障を来すだけでなく、船の運行が危うくなることだってあり得ます。

だから、叱り方にも細心の注意を払うのです。

あなたの職場だって、ひとりひとりのメンバーが掛け替えのない存在であるという点は、マグロ漁船と同じではありませんか。

でも、「そうは言っても」と反論したくなる管理職もいるでしょう。
確かに、この叱り方が通用しない職場もあることはあります。
それは認めます。
もし、あなたの職場がそれに該当するなら、この叱り方は絶対に使わないで下さい。

その職場とは、メンバーが「日雇い」という雇用形態の職場です。
オレにはこんな叱り方はできないという人は、「日雇い」職場への転職を考えた方がいいかもしれません。

初めての方へ研修を探す講師紹介よくある質問会社案内お知らせお問い合わせサイトのご利用について個人情報保護方針

© FiveStars Academy Co., Ltd. All right reserved.