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5☆s 講師ブログ

汚い言葉が効果的

誤ってカナヅチで自分の指を叩いてしまった時、なぜか人は「クソッ!」などという汚い言葉を発してしまいます。
思わず口にする侮蔑語は、もしかしたらフラストレーションのはけ口になっているのかも?

そんな考えが浮かんだのは、キール大学のリチャード・スティーヴンス。

それを検証する実験手法を検討していた頃、ちょうど流行していたのが「アイスバケツ・チャレンジ」でした。
氷水の入ったバケツを頭から被るという、あれです。

スティーヴンスはこれを少しアレンジして、悪態をつきながら氷水の入ったバケツに手を浸してもらうという実験を思いつきました。

時間は最長5分間。

結果はと言うと、侮蔑的な言葉を何度も口にしながら氷水に手を浸した方が、普通の言葉を発するよりも長い時間耐えることができました。

それだけではありません。
感じる苦痛の度合いが低くなり、心拍数もより高くなったのです。
悪態をつくことは、苦痛に耐えることに関しては有効な行動だったわけです。

この時、スティーヴンスは、心拍数が高くなったという事実に注目しました。

被験者に「闘争・逃走反応」が起きて、ストレス性の無痛状態になったのではないかと考えたのです。
「闘争・逃走反応」とは、動物が身の危険を感じた時に「戦う」か「逃げる」かのどちらかを選択する反応のことを言います。

「戦う」場合は血中のノルアドレナリン濃度が高まり、「逃げる」場合はアドレナリン濃度が高まります。

ノルアドレナリンが「怒りのホルモン」、アドレナリンが「恐怖のホルモン」と呼ばれる所以です。

この「闘争・逃走反応」というのは、生理学界の大御所ウォルター・キャノンが1929年に提唱した大変有名な説ですが、彼は優れたユーモアセンスの持ち主だったので、
“Fight or Flight?”(戦うか逃げるか?)というダジャレを用いて論文を書いたのでした。

さあ、困ったのは日本語の訳者。

この見事な英語のダジャレをどう訳そうかと悩んだ挙句、「闘争か、逃走か?」というこれまた名訳を捻り出します。
これは座布団一枚ですよね。
最近では、この他に“Freeze”(固まる)も加えて「3つのF」と言われています。

スティーヴンスは念のため2回目の実験を行いますが、そこで新たな事実に気づきます。

被験者に日常生活で侮蔑語を口にする回数を尋ねたところ、頻繁に悪態をついている人ほど痛みの軽減度合いが少なかったのです。
一定の刺激が繰り返し行われると、その刺激の効果が次第に薄れていくことを心理学の専門用語で「馴化」と言いますが、悪態をつく効果にも馴化が認められたのです。

それにしてもスティーヴンスはしつこい。

なんと、3回目の実験も行っています。

今度は「侮蔑語を発するときに人は攻撃的になっている」という仮説を立て、被験者を2つのグループに分けて片方にはシューティング・ゲームを、もう片方にはゴルフのビデオゲームをやってもらいます。

すると、シューティング・ゲームをやったグループの方が、長い時間氷水に耐えることができ、その上心拍数も高いという結果が得られたのです。

仮説は証明されたわけです。
以上をまとめるとこうなります。

人は、悪態をつくとき攻撃的になる。

そして、悪態をつくことでストレスが軽減され、より長い時間苦痛に耐えられる。
ただし、普段からしょっちゅう悪態をついていると、その効果は薄れてしまう。

まぁ、一言で言うと、上司の悪口は「いざ!」という時のためにとっておきましょう、という教訓ですかね。

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