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5☆s 講師ブログ

株主重視政策の”光と影”

経済学の専門用語に「労働分配率」というのがあります。これは、簡単に言うと、企業が得た利益のうちどのくらいの割合を労働者(=社員)に還元しているかということです。

日本は、先進国の中ではかなりこの割合が高い国でした。

だから、従業員は愛社精神に燃えてがんばったのです。

ところで、企業が得た利益をどう処分するかについては、労働者に還元するだけでなく、将来の設備投資や研究開発費に充てる方法もあります。

これを内部留保といいます。

そして、さらにもうひとつ、株式配当として株主に還元するという方法もあるのです。

この割合を「資本分配率」といいます。

あのホリエモン騒動以来、経営者は株を買い占められて会社を乗っ取られるという恐怖を知りました。

そして、乗っ取り防止策のひとつとして、株価を高く保つ方法を模索しました。

その結果として、株式配当を多く出すという結論に至ったことはすでに述べました。

つまり、「労働分配率」を抑えて、「資本分配率」を高くしたのです。

最近、企業決算は好調なのに、なかなかベースアップに反映しないという声を聞きますが、それは以上のようなからくりによるものです。

株主には光が当たるようになりましたが、一方で従業員は影の部分に入ってしまったということが言えるかもしれません。

しかも、今年の5月からは三角合併が解禁されました。

これは、外国企業による日本企業の買収を非常にやりやすくするものです。

企業としては、ますます株価対策に気を使うことになるでしょう。

しかし、よく考えてみると、企業の発展を支えたのは、従業員ひとりひとりの頑張りであったはずです。

それなのに、乗っ取りが怖いからといって従業員の給与を低く抑えたままでは、次第に活力が失われてしまうでしょう。

企業が活力を失い、その結果として魅力的な新製品の開発もできなければ、やがて株式市場での評価は下がり、最終的に株価は下がり始めます。

これからは、経営者はより一層むずかしい舵取りを迫られることとなります。

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