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5☆s 講師ブログ

会議の前に手を洗え

ビジネスでは、素早い判断を求められる場面が多々あります。

この判断で本当に良かったのかと、後から不安になることもしばしば。

でも、自分の判断が間違いだったとは認めたくないので、「これでよかったのだ」と正当化したい心理がどうしても働いてしまいます。

このことを心理学用語で、「認知バイアス」と言います。

この認知バイアスを回避して、客観的に振り返るにはどうしたらよいのでしょう。

ミシガン大学のリーとシュバルツによれば、手を洗うことが認知バイアスのリセットに有効なのだそうです。

彼らは、40人の大学生に30枚のCDからベスト・アルバムと思うものを10枚選ばせ、ランクづけさせました。

その際、5位か6位のどちらかのCDは持ち帰ってもよい旨付け加えます。

この5位か6位という順位が、後で重要になってきますので覚えておいてくださいね。

次に、Aグループには石けんで手を洗ってもらいます。

一方、Bグループには石けんには触れさせず、見た目だけで石けんの良さや使いやすさについて点数づけをしてもらいます。

その後両方のグループに、先ほどのCDのランクづけについて、もう一度見直す作業をしてもらいました。

この時注目するのは5位と6位のランキングですが、奇妙な変化が起きたのです。

石けんで手を洗ったAグループの方のランキングは、洗う前と変わりませんでした。

しかし、手を洗わなかったBグループの5位と6位は、ほとんどが2位とか3位にランクアップしていたのです。

これはどういうことでしょう?

5位か6位のどちらかを持ち帰れると聞いた時点で、多かれ少なかれそのCDには特別な思い入れが生じていたと思われます。
そして、もう一度見直した時に、「自分の選んだCDはやっぱりいい!」という認知バイアスが働いてしまい、より高いランクに再編成してしまったと考えられるのです。

冷静に考えると、5位よりも上にランクづけしてしまうとCDを持ち帰ることができなくなってしまうのですが、その不利益を差し引いてもなお、自分の判断は正しかったと思い込みたかったのでしょう。

でも、手を洗ったAグループでは、なぜこのような認知バイアスが生じなかったのでしょうか。

それは、手を洗うことで、自分の判断の正当性に対する執着心まで洗い流してしまったのではないかと考えられます。

だから、客観的に見直すことができ、結果としてランキングは変わらなかったというわけです。

実はこの効果は、私たちの日常生活においてもしばしば見られます。

例えば、嫌なことがあった日は、早く家に帰ってシャワーを浴びたいとか、風呂に入ってさっぱりしたいと思いますよね。
これは、身体を洗い流すことで、嫌な記憶も洗い流してしまいたい、という気持ちが働くからです。

ですので、イベントの反省会などをする時には、会議の前にまず全員で手を洗う習慣を身につけた方がいいかもしれませんね。

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