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5☆s 講師ブログ

男の脳と女の脳

男の脳と女の脳では、一体どこが違うのでしょうか?

巷に跋扈する“トンデモ脳科学”は論外としても、かつて科学的に常識とされていた男女の脳の性差が、
最近の研究で真っ向から否定される事態が起こっています。

それは、金科玉条のごとく言われてきた「脳梁」の太さの問題です。

脳梁とは、左右の脳を繋ぐ「架け橋」のようなもの。
これがあるおかげで左脳の情報は右脳に行くことができるし、その逆もまた可能となるわけです。

かつて、てんかん患者の治療と称して、脳梁を切断したり前頭葉を切除するという荒っぽい手術が行われたことがあります。

一時的に患者は大人しくなりましたが、同時にやる気も失ってしまうなど人格まで変わってしまうため現在は行われていません。

ちなみに、数百人にこの手術を施したポルトガルのモニスは1949年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。
一口に「ノーベル賞」と言っても、コペンハーゲン大学のフィビガーの「ガンの原因は寄生虫である」という研究など、昔は結構眉唾ものもあったんですよ。

さてこの脳梁ですが、かつては女性の方が太いというのが定説でした。

脳梁が太いということは、それだけ左右の脳の情報の行き来が盛んだということです。
これが、「女性はおしゃべり」という通説に繋がりました。

どういうことか解説しますね。

一般的に、言語脳は左脳にあります。
交通事故などによってこの言語脳が障害を受けると、言葉を話せなくなってしまうことがあります。
ところが女性の場合は、なぜか早期に回復して喋れるようになるケースが数多く報告されています。

どうやら右脳が左脳に代わって言語脳の役割を果たしているようなのですが、
女性は脳梁が太いから言語情報が左右の脳を行き来しやすいのではないかと言われてきました。

つまり、女性は左右どちらの脳でも、おしゃべりを考えているというわけです。
なかなか説得力がありますよね。

ところが最新の脳科学の研究によって、脳梁の太さには性差がないことが判明しました。

それだけではありません。
「女性はおしゃべり」という通説自体が崩れ始めているのです。

小さな録音チップをつけて、長時間にわたっておしゃべりを録音した実験があります。

それによれば、おしゃべり度に男女差はなかったというのです。
その昔、「男は黙って〇〇ビール」というコピーがありましたが、あれはウソだったことになります。

一方、新たに性差が観察された研究もあります。

それは、芸術の理解度に関する領域についてです。

イスラス・バレアレス大学のケラ・コンデ博士らの研究によれば、絵画や写真を見せた時の左右の脳の反応が男女で違っていました。
作品に「美」を感じた時、男性では頭頂葉の右側が反応したのに対して、女性は右側だけでなく左側も反応したのです。

なんと、芸術性の理解度に男女差があるらしいのです。
詳しく解説する前に、まず頭頂葉の右側と左側では、機能にどのような違いがあるのか抑えておきましょう。

右側は、空間内の位置関係を認識する機能を司ります。

一方、左側はモノとモノとの相対的な位置関係、つまり前後左右を認識するときなどに活性化します。

どうやらこれは、ヒトの原始時代の暮らし方に関係しているらしいのです。

原始時代、男性は遠くまで狩りに出掛けました。
その時重要なことは道に迷わないことです。

そこで、自分の位置を俯瞰で把握するような、空間認知能力が発達したと考えられます。

この空間認知に関係する部位が活性化するということは、男性は主に景色に対して「美」を感じているということです。

一方、女性は住居の近くで果実の採集などをするのがもっぱらの仕事。

男性のように自分の位置を俯瞰で把握する必要はなく、大木などの目印になるものを覚えておけば十分です。

そのため、空間認知能力よりも果実がある場所に行き着くためのランドマークを記憶する能力や、草や木の実が食べられるものかどうか識別する能力の方が発達したと考えられます。
ですので、女性は景色だけでなく木や草花にも「美」を感じるようです。

いかがですか?

「ガッテン!」していただけましたでしょうか?

ところで、ちょっと気になる研究もあります。

スタンフォード大学のライス博士らの研究です。
ジョークを聞いた時の男女の脳の反応の違いを調べたものです。

それによると言語や知識に関係する部位では性差は認められませんでしたが、女性の場合は側坐核が強く反応しました。

側坐核は快楽に関係する部位ですので、女性はユーモアそのものを楽しんでいるようです。

博士によれば、女性はオチの面白さを過剰に期待することなく、提示されたオチを素直に楽しんでいるとのこと。

逆の見方をすると、男性はオチの完成度を厳しく吟味しているということになります。

そういえば思い当たる節があります。

企業の管理職研修では、どうしても男性の受講生の方が多くなります。
そうか、だから私の冗談が受けないのか!

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