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5☆s 講師ブログ

自分探し

若者の間で“自分探し”という言葉が流行り出しのは、いつの頃からだったでしょうか。
本当の自分を探して、世界のあちこちへ旅する人もいるといいます。

私が疑問に思うのは、世界のどこかで“自分”と出会えるのかということです。
ヨーロッパかアフリカのどこかの道端に、“自分”がひょっこり落ちているとでもいうのでしょうか。

自分が何者で、そして一体何をやりたいのか・・・
どうやら、その答えが、世界のどこかであなたを待っているらしいのです。

本当でしょうか?

“自分探し”と聞いたとき、真っ先に思い浮かべたのは、
ジョン・コルトレーンの『チェイシン・ザ・トレーン』でした。
ジャズの聖地、ヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴですが、
その中で彼は、長い長いアドリブ・ソロを吹いています。

それは、「まるで何かにとり憑かれたように」という表現がピッタリの激しいものです。
時間をすべて忘れてしまったかのように演奏は延々と続きます。

それこそ、ジミー・ジュフリーがいみじくもこう表現した
「音楽がホーンからではなく、直にその男から吐き出ている」状態に他なりません。

いや、このような形容自体がすでに正確ではないのかもしれません。
後にコルトレーンは、ジャズ評論家のナット・ヘントフにこう語っています。
「ぼくのアルバムにはジャケットの解説は抜きにしてもらいたいと願うよ、ほんとに。音楽が言わないことを、どうして言葉が音楽の代わりに言えるんだ?」

コルトレーンがテナーを吹きながらあまりにステージを激しく動き回るため、
録音技師のルディ・ヴァン・ゲルダーはマイクを持ちながら、必死で彼の後を追いかけざるを得ませんでした。
これが、『チェイシン・ザ・トレーン』という題名の由来です。

しかし、クラブの経営者であるマックス・ゴードンにとって、これはあまり好ましい事態とはいえません。
というのは、一般にジャズクラブでは、客は曲と曲の合間に飲み物の注文をします。

ところがコルトレーンの曲は総じてかなり長く、その間中客は酒を口にすることすら忘れ、
ひたすら音楽に没頭するためドリンクの売上が極端に落ちてしまうのです。
ただそのかわりに、ヴィレッジ・ヴァンガードの名前は世界中に知れ渡ることとなります。

あの激しいアドリブの最中、コルトレーンは間違いなく自分を探していたのだと思います。
彼の頭の中には、もはや満員の客など存在せず、
ひたすら自分自身の中の可能性を追及することで、何かを極めたかったのでしょう。

そうです。
彼はその時、間違いなく“内的な旅”の途中にあったのです。
その証拠に、録音後には
「演奏を始めるまで、どのような曲になるか全くわからなかった」と述べています。

また、『ジョン・コルトレーン インタヴューズ』という本の中で、
「最近はずっと、“自分探し”の旅を続けてきた」と話しています。
この歴史的演奏のちょうど一年前のことです。

自分という存在が、いったい何者で、どんなことをやりたいのか。
その答えが、世界のどこかに落ちているわけではありません。
誰かが教えてくれるわけでもありません。

答えは、自分自身の中にあるのです。

悩める若者たちよ。
この先、あなたが進むべき方向を指し示す道標は、
これまで“あなた”という歴史を築いてきた、あなた自身の内面にしか存在しないのです。

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