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5☆s 講師ブログ

極端の回避

今ある大衆食堂が困っています。

かつ丼のメニューで、「上」1000円と、「並」700円の2種類があるのですが、
安い方の「並」しか注文がないのです。
どうしたら、より利益の出る「上」の注文を増やすことができるのでしょうか。

答えはカンタン!
「特上」1800円のメニューを新たに追加し、3種類にすることです。
人間は、値段の違う3種類のメニューを見せられると、真ん中を選ぶ傾向があるのです。

このことを実験で最初に証明したのは、トゥベルスキーです。

まず、カメラを買いたい106人にカメラを選ばせます。
彼らを第1グループとしましょう。

カメラはAとBの2種類です。
Aは170ドル(約1万7000円)の手頃なもので、Bは240ドル(約2万4000円)というちょっと高いものです。
結果は、ちょうど半々でした。

次に、第2グループの115人です。
今度は、より高級なC=470ドル(約4万7000円)のものも追加して、3種類としました。
すると、半分以上の57%の人が、Bを選んだではありませんか。
そして、AとCは全く同じ21.5%でした。

つまり、人は、極端なものを回避する傾向があるということです。

カーネマンとトゥベルスキーは、「人間の行動というものは、あまり合理的なものではない」という
ことを証明する様々な研究を行いました。

行動ファイナンスという、経済学に新しいジャンルを確立したカーネマンは、
2002年にノーベル経済学賞を受賞しました。
しかし、残念ながらトゥベルスキーは受賞できませんでした。

彼が認知心理学者だったからという理由ではありません。
彼はその6年前に、この世を去っていたのです。

ところで、この行動ファイナンスについては、2008年の初めに何回かシリーズでブログに書きました。
次回は、その頃にバック・トゥ・ザ・フィーチャーして、論理パズルを楽しみたいと思います。

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