株式会社ファイブスターズ アカデミー

心理学の話題ではありませんが、脳の話が出たので今回は脳科学についてちょっと・・・。

書店に行くと、「右脳を鍛える」というような題名の本がズラリと並んでいます。
ところが、脳科学者の中で、このような本を信じている人はまずいません。
なぜなら、右脳だけ鍛えることは難しいからです。

脳は構造的に、脳梁という「橋」で右脳と左脳が結ばれています。
そして、一方の脳の情報は、「橋」を渡って反対側の脳にも連係されています。
ですので、片方の脳だけ鍛えることは、事実上不可能です。

私の考えを言うと、題名に「脳」とついている書物の９５％くらいは、
非科学的なものだといっていいでしょう。

「右脳の活性化」と言う話に対しても、もう少し慎重になるべきです。
一般的には、ある作業をしたときに脳の様子をＰＥＴで画像化すると、
右脳の血流が増えたので、右脳が活性化したと判断しているようです。

しかし、石浦章一氏によれば、血流が増えたことは必ずしも活性化の証しではないというのです。
神経のシナプス結合がうまくいけば、情報の流れはスムーズになります。
ですので、たいした労力を費やさなくても情報は流れます。

この理屈から言えば、右脳の血流が増えるということは、かなりの労力を費やしているということです。
これを活性化というのかどうかは、判断の分かれるところです。

ですので、今日の結論。
「脳」関連本、特に自己啓発の本を買うのは、かなり慎重に。