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5☆s 講師ブログ

技術革新はいつ起こる

マクロ経済理論の中に、ソロー残差とか、成長会計、あるいは全要素生産性といわれるものがあります。
学術的に解説するとこうなります。
ちょっだけがまんして聞いてくださいね。

経済成長は、一般には2つの要素で説明がつきます。
ひとつは労働人口の増加で、もうひとつは資本装備率の上昇です。
しかし、それだけでは説明しきれない部分があり、それが「技術革新」だというのです。

この専門用語だらけのむずかしい話を、クルーグマンが実にわかりやすい例え話にしてくれました。

今、広い土地で、10人の建設作業員が、スコップを使って土木工事をしているとしましょう。
あまりに工事がはかどらないので、作業員を2倍の20人に増やすとしましょう。
これが労働人口の増加です。
たしかに作業ははかどりますが、所詮は人力ですので限界があります。

そこでブルドーザーを1台投入しました。
作業は目に見えてはかどりましたので、2台、3台と増やしていきました。
これが資本装備率の上昇です。
ところが、土木作業には様々な作業が求められますので、ブルドーザーだけでは使い勝手がよくないですよね。

そこで、今度はパワーショベルとか、ダンプカーやクレーンといった全く異なる機械を投入したとしましょう。
すると、作業効率は飛躍的にアップします。
これが、技術革新です。

実際には、最初に述べた2つの要素で現実の経済成長について実証分析したところ、この2つだけでは説明がつかない事態に陥りました。
そこで技術革新という考え方を持ち出してきたら、残りの部分がうまく説明できたということなのです。

前回、国の活力という話をしましたが、まさにこの「技術革新」を生み出す力こそが活力なのではないでしょうか。
とするなら、それは金持ち願望で支えられるものではないと思います。
新しいものやサービスを生み出したい、新しいことに挑戦したいというフロンティア精神によって支えられるものではないでしょうか。

かつてNHKで「プロジェクトX」という番組がありましたが、企業の技術者たちがチームを組んで数々の新製品や新技術を開発していました。
そこには、金持ち願望などというものは全くありませんでした。

これは私見ですが、失われた10年の間、日本の生産現場で目覚ましい技術革新が生まれなかったのは、もしかしたら成果主義等の企業の人事制度が原因なのではないでしょうか。

橘木氏らによれば、金持ちへの課税税率は欧米と比較するとほぼ同じレベルだそうです。
しかし、わが国の消費税率がかなり低いことを考慮すると、総合すると金持ち優遇税制になると分析しています。
そして、氏はかつてのような、最高で70%という累進課税制度に戻すことを提案しているのです。

高額納税にはまったく縁のない私としてはもろ手を挙げて大賛成 !
と言ったら、あまりに無責任ですかね。

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