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5☆s 講師ブログ

行動を変える(2)

部下の意識を変えなくても、部下の行動は変えることができるのです。
同様に上司の行動だって、上司の意識を変えなくても変えることができます。

会議中に発言しない“死人”が多いというのなら、司会者が全員に指名して意見を求める「行動」をとればいいだけの話です。

積極的に発言するように参加者の意識を変える必要など全くありません。
ましてや、「雰囲気が重苦しい」という環境要因も変えなくていいです。
なぜなら、参加者の行動が変われば、雰囲気など簡単に変わるのですから。

変数はあくまで「行動」です。
意識や雰囲気を言い訳にする人は、自分が“死人”のままでいたいだけの人です。

冒頭、注意しても直らないと嘆く管理職の話をしましたが、口頭で注意するだけの管理職なら置いておく必要はありません。
なぜなら、「口頭で注意する」という変数は、管理者の変数の中では最も安易なものだからです。

管理職など置かなくても、スマホにメッセージを流せばそれで済むではありませんか。
管理職であるなら、口頭注意よりもっと有効な変数を探すべきです。
例えば、作業ミスを減らすという目的ならば、いちいち口うるさく注意しなくても、手順をビジュアル化したイラストを参照させたり、映像化したタブレットを配布した方が効果的でしょう。
この方法で問題を解決した会社は山ほどあります。

そして、そのうち部下はそんなものを見なくても作業できるようになります。
これが即ち、「理解」したという状態です。
つまり、私たちは「理解 → 行動」の順だと思っていますが、現実には「行動 → 理解」の順に起こるのです。

さらに理解が進むと、部下は体得したコツを他の作業にも応用するようになります。
これが「成長」です。
稀に口頭注意だけで成長する人がいますが、そんな人を採用しようと努力しても無駄です。

なぜなら、優秀な人はもっと条件のいい会社に転職していくからです。
そんな人は、もっと有能な上司のもとで仕事がしたいのです。
部下が無能だと嘆く前に、あなた自身が有能な管理者なのか自問すべきです。

このような行動にフォーカスするやり方は、何もオペーレーターに限った指導方法ではありません。
とかく精神論に流れがちな、営業職も同じです。

ずいぶん昔の話ですが、ズバ抜けた成績を挙げている自動車販売店がありました。
早速コンサルタントが調査に入ったところ、来店客へのアプローチ行動が他店とまるで違っていました。

具体的にいうと、客の車が入ってくるや否や、すぐに営業マンが駆け寄って駐車スペースに誘導します。

車が停止すると運転席の窓側にしゃがみこみ、目線を客より少し低くして「本日はご予約ですか?」と尋ねます。

実は、この目線の高さを客より少し低くする、つまりちょっとだけ客が見下げるような形にするのがミソです。
かつて全米を席巻したバーベキュー・ソース「吉田ソース」の創業者の吉田潤貴は、部下と話す時はとりわけ目線の高さに注意すると言います。

なんでも上司の目線を部下より低くしないと、部下は本音を言わないのだとか。
これからは、意識して目線を低くしましょうね。

さて、予約ですかと聞かれた客ですが、わざわざ予約して来店する客は滅多にいません。
要するに、会話のきっかけを作るための声がけ行動です。

客が車から降りたら、店の入り口まで一緒に歩きながら雑談を交わすのですが、ここで最低限必要な情報を入手してしまいます。
このように入店する前に客にアプローチすると、入店してからアプローチするよりも圧倒的に成約率が高くなることがわかりました。

このアプローチ行動はすでに業界内では周知のことなので、今ではどこの販売店でも行われています。
これが、営業の具体的「行動」を指導した具体例です。

改めて、まとめてみましょう。
部下育成における最大の環境要因は「上司」です。
そして、上司における最大の変数は「行動」です。

つまり、上司がどのような行動をとるかが、部下育成における最も重要なポイントなのです。
その行動も、あくまで部下の行動にフォーカスした指導であるべきです。

精神論を振りかざして部下の意識を変えようとする管理職は、今すぐ管理職を降りるべきです。
上司の仕事とは、自分の「行動」という変数を操作して、部下の「行動」を変えることです。

意識など二の次でいいのです。
なぜなら、人間というのは不思議なもので、行動が変われば次第に意識も変わっていくからです。

もし、行動を教えることなく、部下の意識だけを変えようする管理職がいたら、その人は死人を教育しているのと同じです。

 

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