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5☆s 講師ブログ

マスメディアはこれでいいのか?(3)

教育系の『見るだけで賢くなる理科の話』という動画サイトを観て大変驚きました。
ウイルスは昔から存在していて、長い歴史の中で様々なウイルスがヒトに感染してきたことは知っていましたが、なんとウイルス由来の遺伝子が全体の45%を占めているというのです。
だから、「ヒトはウイルスとともに進化した」と言うより、むしろ「ヒトはウイルスに感染することによって進化した」という方が正しいそうです。

この動画のおかげで、長年抱いていたある疑問が解消されました。
それは、なぜ母親が自分の血液型とは異なる胎児を妊娠できるのかということです。
だって、異なる血液型を輸血してはいけないのですよ。

なのに、お腹の中にいる赤ちゃんが、母親と血液型が違うこともあるというのは不思議な話ですよね。
秘密は、胎児に栄養を補給する「胎盤」にありました。
胎児は胎盤を通じて母親から酸素や栄養をもらうのですが、それらを運んでいるのは母親の血液。

しかし、母親から直接血液を受け取ってしまうと、白血球に反応して重篤な免疫反応が起きてしまいます。
だから、白血球は受け取らずに、酸素や栄養だけを受け取らなければなりません。
そんなに都合のいい受け渡しが果たしてできるものでしょうか。

鍵を握るのは胎盤内の「絨毛」でした。
絨毛の表面は「合胞体性栄養膜」という膜で覆われているのですが、この膜はよくできていて酸素や栄養は通しても白血球は通しません。

でも問題は、細胞と細胞の間には僅かながら隙間があることです。
もし、白血球が隙間を通り抜けてしまうと免疫反応が起きてしまいます。
これはピンチ!

ところが、ここでウルトラCとも言うべき進化が起こります。
なんと、合胞体性栄養膜を構成する絨毛の細胞がすべて合体して、隙間をなくしてしまったのです。
つまり、ひとつの大きな細胞の中にいくつもの核が存在しているのです。
こんな細胞見たことありません。
細胞が合体したおかげで酸素や栄養分は通しても、白血球は通さないというミラクルが実現したのです。

この合胞体性栄養膜を作る遺伝子は、実はウイルス由来です。
言い換えると、ヒトはウイルスに感染することによって、初めて妊娠することが可能になったのです。
おそらく、私たちの祖先がこのウイルスに感染した時にも、何らかの激しい反応に見舞われたことでしょう。

そのような犠牲と引き換えに、私たちの祖先は進化を手に入れてきたのです。
もしかしたら、新型コロナウイルスも人類に何らかの進化をもたらそうとしているのかもしれません。

この回のタイトルは『私たちはウイルスによって、人間になった』。

でも、私が驚いたのは合胞体性栄養膜のことではありません。
もっと驚くべきことがありました。

それは、このサイトが中学を受験する「小学生向けのサイト」だったことです!
なんと、ウイルスのおかげで人類が進化できたことは、小学生でも知っていることなのです。

YouTubeを見終わってテレビをつけると、ワイドショーをやっていました。
そこでは、科学にはズブの素人のコメンテーターたちが、「ウイルス怖い」の大合唱。
果たしてテレビに未来はあるのでしょうか。
スポンサーがテレビから離れていくのも頷けます。

YouTuberの中には下衆な輩も大勢いますが、一方では良質なサイトが数多く存在していることも事実です。
要するに、見る側がチャンネルを選べばいいだけの話です。
そこがマスメディアとの最も大きな、そして決定的な違いです。

私たちは、様々な事象を長期的な視点で見る習慣を身につけなければなりません。
もしかしたら、数十年後私たちがメディア史を紐解いた時、そこには「新型コロナの時の戦略ミスがマスメディアにとって命取りになった」と書かれているかもしれません。

コロナ対策で多大な実績を残した首相は、メディアが仕掛けたネガティブ・キャンペーンにより退任に追い込まれ、その後釜には超有名進学校出身の新首相が座りました。
すると、同じ高校出身の大手新聞社のドンが、首相を全面的に応援することを表明します。
以降、この新聞で政府に批判的な記事を目にすることはなくなりました。
本当にこんなことでいいのでしょうか。

マスメディアは、自分たちが世の中からどう見られているのか、一度立ち止まって冷静に考えるべきです。
ネットの隆盛はマスメディアに与えられた、自身の使命を思い出す「最後の機会」なのかもしれません。

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