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5☆s 講師ブログ

作り笑顔の効用(2)

笑顔が大事なことはわかっていても、多忙で余裕がなかったり、目標の進捗状況が思わしくなかったら、管理職も笑ってはいられませんよね。
気持ちはわかりますが、実はそこが運命の分かれ目です。

産経新聞系列の日本工業新聞(現サンケイビジネスアイ)で30年も取材に飛び回り、大阪経済部長まで勤めた竹原信夫は「日本の景気を悪くしているのは新聞ではないか」という疑問を抱きます。
「これから景気はよくなる」という記事を書くと、なぜかその新聞の売れ行きは思わしくありません。
反対に「景気は悪くなる」と書くと、飛ぶように売れるのです。

こうなると、新聞社としては勢い暗い記事ばかり書かざるを得えなくなります。
竹原は、新聞が明るい記事を書くようになれば日本の景気はよくなるはずだと考えて、新聞社を辞めて『日本一明るい経済新聞』というミニコミ紙を発行します。

編集長として、大阪を中心にとにかく「明るい」社長を探し出しては、どんどん紹介記事を書きました。
零細企業だって構いません。
明るい社長には、人を惹き付ける魅力があります。
その社長の魅力を紹介するだけで読者は元気になるのです。

そんな時、一人の底抜けに明るい社長と出会います。
とにかく、いつ如何なる時でも明るいのです。
あまりの徹底ぶりに、「なんでそんなに明るいのですか?」と思わず聞いてしまいました。

社長の答えは意外なものでした。
「実は何年か前に、会社が不渡りを出す寸前までいってしまってね」

今は順調ですが、やはり浮き沈みの波があったようです。
最悪の場合首を吊らなければいけないかも、というところまで追い詰められたある朝、歯を磨こうとして鏡を見た社長はあまりのことに思わず声をあげてしまいます。
鏡には生気の欠片もなく疲れ切った、今にも死にそうな男の顔が映っていました。

「社員は毎日こんな顔を見せられていたのか」
そう思うと情けないやら申し訳ないやら、涙が溢れそうになります。

そして、心に固く誓ったのです。
「社長のオレがこんな顔をしていてはダメだ。これからはとにかく明るく振る舞おう」
それからは、鏡に向かって必死で作り笑顔の練習です。

一般に潰れそうな会社には、ある共通する現象が見られます。
それは、大した用事もないのに、来客が異常に多いということです。
みんな「近くまで来たから寄ってみた」などと言いながら、本当はどんな様子か探りを入れに来ているのです。

会社の観察に余念のない来客たちは、しばらくするとあることに気づきます。
「おかしいぞ。潰れそうだと聞いたのに、社長がえらく明るいじゃないか」
そして次の瞬間、はたと膝を打ちます。
「あ、そうか!資金繰りの目処がついたんだ。それであんなに明るいんだ」

不要不急の来客はみんな勝手に早合点をしては、出されたお茶に手をつける間もなく慌てて帰っていきました。
あの時、取引先が1社も手を引かなかったおかげで会社は救われたと、社長は笑顔で回想します。

これがまさに「作り笑顔の効用」です。
辛い時は誰でも辛い顔をします。
苦しい時は誰でも苦しい顔をします。
でも、辛い時、苦しい時に笑顔でいられる人は「人物」であると私は思います。

辛いとか、苦しいとかを言い訳にしてはいけません。
なぜなら、チームが苦境を脱することができるかどうかを決定する大事な要素のひとつは、あなたの表情なのですから。

最近、心理学者のストラックらの研究によって、作り笑顔をすると自身の考え方まで前向きになることがわかってきました。
作り笑顔は心の中まで明るくするのです。

さあ、組織の雰囲気を明るくしたかったら、そしてあなた自身が前向きな気持ちになりたかったら、取りあえずは作り笑顔ですよ。
無理だなどと思わずに、まずは試しに微笑んでみて下さい。
ほら、少し心が軽くなった気がしませんか。

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