株式会社ファイブスターズ アカデミー
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SCSKでは、一斉に有給休暇を取得しようという日を設定していましたが、2014年は2月11日の火曜日が祝日。
前日の10日の月曜日に有給休暇を取れば4連休が実現できるので、会社はこの日を「有休取得奨励日」に設定することにしました。
しかし、社員の多くはクライアント先に常駐しています。
クライアント企業の社員が休暇をとっていないのに、派遣されているSEが休暇を申請するなんて普通では考えられないことです。
最悪の場合、怒ったクライアントから契約を打ち切られる可能性だってあります。
そこで中井戸は、クライアント宛にレターをしたためました。
「SCSKはこの日を全社一斉有給休暇取得奨励日としています。
お客様のご迷惑になる形で取得はしませんが、もしやりくりがつくのであれば、御社の業務に携わっている私共の社員が休みを取ることに関して、ご理解をいただけないでしょうか」
代表取締役兼CEO中井戸英信の署名入のレターを持ち、役員がクライアント先に出向いて頭を下げました。
心配は杞憂に終わります。
「それならうちも」と、同調してくれるクライアントが次々現れたのです。
中井戸がここまでするのには理由があります。
彼が経営の根幹と考えているのは、「社員の健康」です。
例えば会議中に居眠りしている社員がいれば、すぐに指摘するのですが、それは叱っているわけではありません。
居眠りは、社員が発する黄信号です。
会議で眠くなるというのは働きすぎか、さもなくば夜の付き合いが原因です。
中井戸は、居眠りする社員の健康が、心配で心配でたまらないのです。
だから、夜の会合も2次会はやるなと指導します。
そもそも会社というのは、付加価値の高い商品やサービスを産み出すことによって利益を得ている組織です。
では、その付加価値を産み出しているのは何でしょうか?
企業の貸借対照表を見ると、「資産」の部に計上されているのは固定資産では土地や建物。
流動資産なら現金や預金です。
でも、これらが自動的に付加価値を産み出しているわけではありませんよね。
付加価値を産み出しているのは、間違いなく人です。
社員です。
貸借対照表には載っていないけれど、人こそが会社にとって最も大切な「資産」のはず。
その資産の健康状態に危険信号が灯ることは、会社にとって大きなリスクです。
社員が健康であることは、会社にとって最優先の課題なのです。
トップが社員のことを「消耗品」と考えていたら、当然「働き方改革」には身が入りません。
壊れないように上手に使って、もしダメなら取り替えればよい。
どこかにそんな気持ちがあると、「働き方改革」の取り組みが緩くなってしまうのは致し方ありません。
中井戸は、報償金の出る「禁煙キャンペーン」などの健康増進に関するイベントに関しては、社員の家族にも真っ先にレターを送って協力を訴えました。
このようなやり方を、「見識がない」とバッサリ斬り捨てる経営者もいましたが、社長の本気度は間違いなく伝わります。
中井戸は言います。
「残業をコントロールできないような経営者には、会社の経営などやれない」
どんなに見識が高くても、結果を出せなければ経営者としては失格です。
そもそも、残業を減らすという結果を出すためには、仕事の効率を高めなければなりません。
そのためには、徹底的にビジネス・プロセスを変えていく必要があります。
逆に言えば、ビジネス・プロセスが変わらなければ、残業を劇的に減らすことはできないのです。
中井戸は、そのアイデアラッシュを社員一人一人に求めました。
もちろん、残業時間の削減で浮いたお金はすべて社員に還元します。
中井戸が最も嫌ったのは3Kでした。
3Kとは紙(書類)、会議、そしてコミティ(委員会)。
コミティは英語で書くと頭文字はCですが、カタカナだからという理由でKとしました。
中井戸によれば、この3Kの数と会社の業績は反比例するそうですよ。
あなたの会社はどうですか?
「働き方改革」とは、社長と社員の、それぞれの本気度が問われる取り組みです。
かけがえのない会社の資産を大切と思わない経営者。
上からの指示に文句を言うばかりで、どうしたらもっと効率的にできるか、もっと高い付加価値を産み出せるかを考えようとしない社員。
これではまるで、マルクス=エンゲルスの時代ではありませんか。
そんな人たちの挙げる「働き方改革」の掛け声は、私には烏合の衆の遠吠えにしか聞こえません。
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