株式会社ファイブスターズ アカデミー

まずはお気軽に
お問い合わせください。

03-3500-1686

5☆s 講師ブログ

俺に敬意を払え!

最近、高齢者による暴力事件が増えているそうです。

65歳以上の老人が起こした暴力事件は、20年前は年間約300件程度でしたが、現在はなんと1万3千件を超えており単純比較すると43倍。

高齢者の数も増えているので事件数が増えるのは当然ですが、高齢者10万人当たりの発生率で見ると10倍になるそうです。

しかも、毎年の推移をグラフにすると、ほぼ直線的な右肩上がり。

これは、一体どう解釈したらよいのでしょう。

昔に比べ、老人の暴力性が高まったとでもいうのでしょうか。
だとしたら、「血気盛んな老人」が増えていることになります。

でも、私はちょっと違った解釈をしています。

それは、老人が増えたことでその希少価値が薄れ、周囲の人があまり敬意を払わなくなったことが原因ではないかと思うのです。

以前、花見に出掛けた老人たちが列車の座席を確保するため、
「席をお譲り下さい。次の駅から敬老者が16名乗車します」
と書いた紙を座席に貼ったことが話題になりました。

最近は、老人が目の前に立っていても、スマホに夢中で優先席を譲ろうとしない無礼な若者もいます。
しかし、だからと言って優先席ではない一般席についても、常に老人に譲るべきだと考えるのは行き過ぎではないでしょうか。

一般席に座っている人の中には、肉体労働でヘトヘトに疲れている若者だっているし、始発駅から列に並んでやっと座れた人だっているのです。

老人だからといって、一般席も常に譲ってもらえると思うのは間違いです。

そもそも、日本の公的年金制度は積立方式ではなく、賦課方式で運営されています。

ですので、現役世代の彼らが支払ってくれる保険料で、老人の年金が賄われていることを忘れてはいけません。

そんなことより、私がこのニュースで引っかかったのは、「敬老者」という表現です。

辞書にはこんな単語は載っていません。

「敬老」という言葉は、年下の人が年上の老人に対して敬意を払うという意味です。
ですので、老人自身が自分のことを「敬老者」と表現するのはおかしな話です。

これではまるで、自分のことを「無冠の帝王」とか「カリスマ」と自画自賛していた、あのボクシング団体の会長と同じではありませんか。

昔は老人がそれほど多くなかったので、長生きした人には自然と敬意が払われる風潮がありました。

ところが、現在のように老人だらけの世の中になってしまうと、どうしても敬老の精神は薄れてしまいがちです。

この、若い人が老人に敬意を払わないという傾向が老人をイライラさせ、その結果として「怒れる老人たち」が出現しているのではないでしょうか。

老人の怒りが暴走してしまう場所は駅が多いのですが、もともと暴力的な性格の人は少なく、現役時代は企業の管理職といった、それなりの地位についていた人も多いと聞きます。

現役時代は部下が敬語を使って丁寧に接してくれたのに、リタイアすると誰もあなたに敬語を使ってくれません。

ホームに立っているあなたに対して、「恐れ入りますが、もう少しお下がりいただいた方がよろしいかと存じますが」などという丁重なアナウンスがされることはないのです。

それどころか、時には「お下がり下さい!」と、叱責口調で注意されることさえあります。
現役時代、あなたにそんな失礼な口の利き方をする部下はいなかったはず。

「俺を誰だと思っているんだ!」とつっかかってみたところで、駅員にとっては利用客の安全確保の方が最優先事項。

老人のプライドに配慮している暇などありません。

こうして日頃から小さな鬱憤が堆積していき、ある日信号故障などで電車が止まったりすると、鬱憤は突如として怒りに形を変えます。

「いつ動くんだ?」と詰問するせっかちなあなたに、忙しさのあまり「わかりません」とついぶっきらぼうに答えてしまう駅員。
その瞬間、怒りは沸点に達してしまいます。

でも、よく考えてみると、現役時代に部下があなたに敬意を払っていたのは、あくまであなたの「肩書き」に対してであり、あなたの「人間性」に対してではないはず。

そして悲しいことに、「肩書き」がどんなに立派だったとしても、リタイアと同時にご破算にされてしまいます。
一方、「肩書き」と連動して肥大化していた「プライド」の方は、そう簡単にはご破算にはなりません。
頭では分かっていても、理屈と感情は別物です。

「もっと俺に敬意を払え!」そう凄んでみたところで、「肩書き」がなくなってしまった今、あなたはもう「ただの人」でしかないのです。

だから、一般ピーポー扱いされるのは致し方のないこと。

でも、がっかりするには及びませんよ。
そもそも、かつての老人が年下の人から敬意を払われていたのは、ただ単に長生きしたからというだけではありません。

敬意を払うに値するだけの、人間性が優れていたからです。
その意見を拝聴するに値するだけの、高い見識を持っていたからです。

ならば、今後はそこを前面に出していけばいいだけの話ではありませんか。

えっ?

そこはあまり自信がないって?
だったら、誰からも敬意を払ってもらえなくても、しょうがないと諦めるしかありませんよね。

初めての方へ研修を探す講師紹介よくある質問会社案内お知らせお問い合わせサイトのご利用について個人情報保護方針

© FiveStars Academy Co., Ltd. All right reserved.