株式会社ファイブスターズ アカデミー

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5☆s 講師ブログ

どれだけ歩いたら

How many roads must a man walk down
Before you call him a man?
(どれだけの道を歩めば、一人前の男と呼ばれるの?)

ご存知、ボブ・ディランの『風に吹かれて』の出だしの歌詞です。
ブレンデッド・ウィスキー『デュワーズ』の創始者、ジョン・デュワーが歩いた距離は25マイルでした。

彼は職を得るために、生まれ故郷の村からパースまで歩き通し、小さなワイン・スピリッツ商のもとでようやく仕事にありつくことができました。
そこで、17年に及ぶ修行の後40才で独立します。
起業する年齢としてはかなり遅い部類に入りますが、目の付け所が違っていました。

この頃酒を買うには、客がジャーなどの入れ物を持参して酒屋に出向かなければなりませんでした。
ジョンは考えます。
もしボトル詰めで、しかも中身がわかるようにラベルが貼ってあれば、もっと多くの人が買いに来るはずだと。

今考えれば至極当然のことですが、当時はそんなこと誰も思いつきませんでした。
いつの時代も、常識を覆すことこそが成功の秘訣なのですね。

でも、『デュワーズ』が飛躍的な発展を遂げたのは、二人の息子たちの貢献によるところが大きいのです。
生産部門を担当する兄アレクサンダーは、ブレンド専用のモルトウィスキー『アバフェルディ』蒸留所を建設します。
『誇大妄想狂』(2017年2月)の回でピーター・マッキーを取り上げましたが、彼が『ホワイト・ホース』のために『クレイゲラヒ』を造ったのと同じ英断です。

対して販売部門を受け持っていたアイデアマンの弟トーマスは、ロンドンの見本市にキルトで正装したバグパイバーを登場させ大評判を博します。
兄弟は、スコッチを拡販した功績が認められ貴族に叙せられただけでなく、ともに国会議員にまで上り詰めました。

ところが、面白いことに二人の性格は全くの正反対。
クールで典型的なスコットランド紳士である兄は自由党。
饒舌でロマンチストの弟は保守党と、所属政党まで違っていました。

この見事なまでの対比が、お互いの短所を補い合ってプラスに作用したのでしょう。
会社でも、同じタイプばかりが揃った組織というのはうまく機能しないものです。

1900年代初頭に誕生した『デュワーズ・ホワイト・ラベル』は、
スコットランド出身の鉄鋼王アンドリュー・カーネギーが、当時の大統領ベンジャミン・ハリソンに樽ごとプレゼントしたことがきっかけで、アメリカで最も有名なスコッチとなります。

その後、ラベルに印刷された「ホワイト・ラベル」の文字が小さくなったのは、人種差別を意識したからだとか。
いかにアメリカのマーケットを重要視していたかが窺えますよね。
今では世界140カ国で、年間300万ケース以上を売り上げるビッグブランドにまで成長した『デュワーズ』。

23才の農夫ジョン・デュワーが、パースに向けて最初の一歩を踏み出してから約190年。
“一人前の男”と呼ばれるまでの長い道のりを、ジョンは息子たちと一緒に歩んだことになります。

香り高いこのウィスキーを、ウィットに富んだ演説で知られた、弟トーマスの名スピーチと共に味わうのもまた一興です。

「正しいことをしなさい。
そうすれば人を恐れることはない。
女性には手紙を書くべからず。
そうすれば女性を恐れることはない」

この教訓、もっと早くに聞いておくべきでした。
因みにトーマスは生涯独身だったそうです。

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