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5☆s 講師ブログ

浮気遺伝子

電車の中で、スーツを着たサラリーマンが、夢中になってコミックを読んでいます。

しかも、週刊の少年マンガ。
あまりカッコいいものではありませんよね。

コミックというと、ウィスキーをテーマにした『BARレモン・ハート』ぐらいしか読みませんが、
それでも『北斗の拳』のケンシロウの名前くらいは知っています。

そのケンシロウが一度敗れたという、サウザーという敵役がいるそうです。

なぜケンシロウが敗れたのかと言うと、サウザーの臓器が鏡に映したように、左右反転しているのだそうです。

生物学の専門用語では『内臓逆位』と言うそうですが、
これを引き起こすサウザー遺伝子なるものがショウジョウバエで見つかりました。

「サウザー」と命名したことからわかるように、発見したのは日本人です。

ただし、内臓のすべてが反転しているわけではなく、腸のらせん回転が通常と逆向きになっているだけです。

しかし、マウスでもleftyという受精後左側だけに発現する遺伝子が見つかっていますので、
今後研究が進んでこの左右を決定するメカニズムが解明されれば、
臓器が左右反転している動物を遺伝子操作によって作り出すことができるかもしれません。

ところで、7年前に遺伝子シリーズを書いていた時、『浮気遺伝子』について触れました。

「えっ! そんなのあるの?」と思った人、覚悟してください。

あります!

でも、人間の話ではありません。

ハタネズミという動物の話です。

ハタネズミには、プレイリーハタネズミとアメリカハタネズミというよく似た仲間がいます。

でも、その行動は正反対。

プレイリーハタネズミは一夫一婦制で、決して浮気はしません。

しかし、もう一方のアメリカハタネズミは大変な浮気者で、たまたまメスと出会ったりするとすぐに”行動”に出ます。

人間なら完全にお尋ね者扱いですが、幸か不幸かネズミの世界にはこれを取り締まる法律がありません。

見た目はよく似ているのに、この違いはどこからくるのでしょう?

その答えは遺伝子でした。

脳内物質のバゾプレッシンの受容体の数を決める遺伝子が違っていたのです。

浮気者のアメリカハタネズミは、受容体の数が少ないのです。

どうやら、この数が少ないと浮気者になってしまうようです。
それを決定しているのが、DNAの調節配列。

そこで、治療?が試みられました。

ウィルスベクターを使ってDNAを操作し、アメリカハタネズミの脳内に
大量のバゾプレッシン受容体を作り出したのです。

すると、なんということでしょう!

手のつけられなかった浮気者が、突然マイホーム・パパに変身したではありませんか。

その後の研究で、脳の中の腹側淡蒼球という部位にバゾプレッシン受容体があると単婚、
ないと多重婚ということがわかりました。

週刊誌を賑わせている有名人の浮気問題も、遺伝子の問題だと考えると少しは寛容になれますかね。

いや、やっぱりなれないですね。

もしかしたら、将来は人間にもこの治療?が行われるかもしれません。

でも、生物学的には、単婚という形態をとる種の方が圧倒的に少ないのです。
この少数派である“一途な愛”の話を、コミック『BARレモン・ハート』ではウィスキーに絡めて取り上げていました。

ホワイト&マッカイというブレンデッド・ウィスキーです。

このお酒は、“ダブル・マリッジ”という珍しい熟成方法がとられています。

まず最初に、35種類以上のモルト原酒をヴァッティングして、8ヶ月以上シェリー樽の中で熟成させます。

これをファースト・マリッジと言います。

次に、そこにグレーン原酒をブレンドして、再びシェリー樽の中で眠りにつかせるのがセカンド・マリッジ。

この製法は、100年以上全く変わっていません。
2回樽詰めすることを、洒落て“ダブル・マリッジ”と表現したのです。

『BARレモン・ハート』では、離婚した男性が元妻に
「俺にはお前しかいない。もう一度やり直したい」
というメッセージの謎掛けとして、このウィスキーを贈るというストーリーでした。

でも、ちょっと変ですよね。

“ダブル・マリッジ”をそのまま日本語に訳すと、“再婚”ではなく“重婚”となるのでは?

そこでコミックでは、御丁寧に鷹の陶器ボトルに詰めたホワイト&マッカイが登場するのです。

猛禽類は単婚が多いという“落ち”でした。
この回は、『BARレモン・ハート』がBSでドラマ化されたときも放映されたので、ご覧になった人もいるかと思います。

『ホワイト&マッカイ』という名前は、創業者のジェームズ・ホワイトとチャールズ・マッカイからとったものですが、
彼らの死後はそれぞれの息子が跡を継ぎました。
そういう意味では、二人の友情はマリッジより深かったと言えるかもしれません。

現在は販売が終了していますが、『ゴールデン・ブレンド』というラインナップは、
日本向けにブレンドされた特別なウィスキーです。

親子三代にわたる名ブレンダーの家系に生まれたリチャード・パターソンが、
2年もの歳月をかけて完成させた逸品です。

ちなみに彼は、コミック『美味しんぼ』にも登場していましたよね。

アルコール度数は40度ですが、パターソンのお勧め通り少量の水を加えて38度にします。
なるほど。
スペイサイドモルトの比率を高くしているだけあって実にマイルド。

パターソン曰く、
「ブレンダーは一代で出来あがるものではない。幼い時からの訓練。環境。そして何よりも血が必要なのだ」

深いですね。

私たちがスコッチ・ウィスキーを口にするとき、それはスコットランドの長い歴史そのものを味わっているとも言えるのです。

でも、さりげなく「幼い時からの訓練」と言っていますが、はたしてそれは法に抵触しないのでしょうか?

あるいは、ブレンダーは口に含むだけで、決して飲み込まないからいいという解釈か?
まぁ、そこはひとまず置いておきましょう。

それより、「何よりも血が必要」と言うからには、
もしかしたら“ブレンダー遺伝子”なんていうのもあるのかもしれませんね。

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