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5☆s 講師ブログ

二番じゃダメなワケ(3)

日本は「貿易立国」ではなく、完全なる「投資立国」です。なぜこんな状況になったかというと、90年代以降日銀の金融引き締めの影響で、日本はとんでもない円高になりました。 そのため、日本でモノを作って輸出しても全く採算が取れなくなります。そこで、メーカー各社は海外に工場を建て始めました。日本国内でモノを作って海外に輸出するのではなく、海外にお金を投資して現地に工場を建て、その工場で作ったモノを世界各国に輸出する形をとったのです。 これなら、円高という為替リスクをヘッジできます。 話を「貿易黒字」に戻しますね。「貿易収支」が黒字になるのは、日本国内の工場で生産したモノを海外に輸出して儲けた時です。 …

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二番じゃダメなワケ(2)

「工業化」と「情報化」では、なぜ異なる結果になるかというと両者の性質が異なるからです。 性質のどこが異なるかというと、コピーするための費用です。工業革命の時代は、例えば自動車を大量生産するにはそれなりに費用がかかりました。 ところが、情報革命の場合はデジタル化さえできれば、コストをかけずにコピーすることができます。しかも、一瞬で。 これを経済学的に言うと、「限界費用がゼロである」と言います。これが第四次産業革命になると、もっと厄介なことになります。第三次では、情報を加工する主体はあくまで人間でした。 例えば、メールの文章はあくまで人間が書いていたし、音楽もまずは人間が作曲し、その上でコンピュ…

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二番じゃダメなワケ(1)

カール・フレイ博士とマイケル・オズボーン博士が2013年に発表したのは、将来AIが私たちの仕事を奪ってしまうという報告。アメリカでは2033年までに702種類の職業のうちの、47%の労働者が70%の確率で影響を受けるという衝撃的なものでした。しかし、現実問題として仕事というのは複数の作業から構成されています。 その辺を考慮に入れ、その後のAI活用研究は複数の作業を細分化した上で、それぞれの作業ベースでの自動化の可能性を分析する方向に修正されました。 2016年の経済協力開発機構(OECD)の報告書では、作業ベースでの解析で9%という結構低い数字になっています。日本に関してはもっと低くて7%で…

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地震発生確率は大ウソ?(4)

中央防災会議は「予知は困難」という声明を発表しただけで閉会となりましたが、本来目指すべきは政治家や官僚の責任が問われないようにすることではなく、地震による犠牲者を少しでも減らすことです。 調べてみると、大震法が審議された時も「予知は可能」と述べた学者はひとりもいませんでした。彼らはただ単に、「願望」を述べたに過ぎませんでした。 ところが、願望が独り歩きしているうちに、いつしか「予知は可能」という認識に変わってしまったというのです。純粋な学問であっても、一度でも政治が関与しそれに予算が絡むと、全くの別物になるという典型例です。 でも、本当に地震の予知は不可能なのでしょうか。小沢は、『ネ…

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地震発生確率は大ウソ?(3)

小沢が取材を進めていくと、「時間予測モデル」の根拠である室津港のデータが怪しくなってきました。 宝永地震の隆起量1.8メートルと、安政地震の1.2メートルというデータは、旧東京帝大教授の今村明恒の論文が根拠でした。今村は、江戸時代に室津に住んでいた久保野繁馬という人物に面会して、直接話を聞いたそうです。 そこで小沢は室戸市に出向き、久保野が書き残した記録を見つけたのですが、その古文書には重大な欠陥がありました。計測した場所どころか、計測方法さえ書かれていないではありませんか。さらには、潮位の影響についての記述もありません。 そもそも江戸時代の記録に関しては、事前に誤差の補正をしておくのが普通…

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地震発生確率は大ウソ?(2)

2012年12月の合同部会の資料には、文科省からの驚くべき提案が記されていました。会議の冒頭、文科省の担当者が以下の5案を提示します。 ①確率は表示しない②20%③20%~60%④60%を主表示として、20%を*印で表示⑤20%を主表示として、60%を*印で表示 これを見る限り、明らかに文科省は「20%表示」を中心に議論しようとしていたことがわかります。ところが、防災部門から猛烈な反対論が出され、会議は迷走し始めます。 防災部門の反対理由は、「低い数字が出ると市民の防災意識に悪影響が出る」というもの。「ものすごい混乱を引き起こす」とか、「私たちはもう時間予測モデルで洗脳されている。そういう人…

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地震発生確率は大ウソ?(1)

2024年元日、正月気分を一瞬で吹き飛ばす大災害が起きました。能登地方で発生した震度7の地震は、200人を超える犠牲者を出す大惨事となりました。今さらながら、日本が「地震大国」であることを思い知らされる出来事でした。 でも、今最も心配されているのは南海トラフ地震の方。 2018年2月、文部科学大臣を本部長とする地震調査研究推進本部の「地震調査委員会」は、今後30年以内の南海トラフ地震の発生確率を、それまでの「70%程度」から「70~80%」に引き上げました。南海トラフ地震は切羽詰まった状況にあると、改めて世間に喧伝したわけです。ところが、この地震調査委員会のメンバーで地殻変動学者の名古屋大学…

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奇妙な果実

  映画のストーリーは、事実ではありませんでした。 高校生の頃に観た、ダイアナ・ロス主演の『ビリー・ホリデイ物語』。主人公は南部への演奏ツアーの途中、バスから降りた林の中で“それ”を目撃したことになっています。でも本当は、ある若い高校教師が綴った一編の詩によって、“それ”の存在を知ったのでした。 日本では、そこそこ美人で英語のカラオケをそれなりに上手に歌えれば、誰でも「ジャズ・シンガー」を名乗ることができます。でも、アメリカではそうはいきません。 ビリー・ホリデイは、エラ・フィッツジェラルドやサラ・ボーンと並び称されるシンガーですが、彼女たちのように圧倒的な声量や歌唱力を持っているわけではあ…

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メディアの闇(4)

放送利権の恩恵に預かっていたのは政治家だけではありませんでした。官僚もまた然り。 田中の右腕として活躍した郵政官僚の浅野賢澄は、その功績が買われて事務次官に出世します。67年からの3年間で35のテレビ局に予備免許を与えるという、UHF局の第二次大量免許交付を担当したのが浅野でした。 でも、予備免許の争奪戦はあまりに露骨な接待合戦になることが予想されたため、批判を恐れた在京の民放局は表だった政治工作をすることができませんでした。そこで、裏工作を担ったのが系列の新聞社。結果、郵政記者クラブにはブロック紙も含めて50名以上の記者が登録されることになります。 世に言う「波取り記者」の誕生です。 彼ら…

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メディアの闇(3)

2001年に有名タレントが警察に逮捕された時は、メディア側もさすがに報道しないわけにはいかなくなりました。 追い詰められたメディアは、苦し紛れに逮捕されたタレントを「○○容疑者」という肩書ではなく、「○○メンバー」というウルトラC級の新語を創り出して報道しました。卑しくも「報道機関」を名乗る組織が、一芸能事務所の前に跪き、さらにはその靴を舐めるという屈辱的な行動を取ったのです。 メディアが主張する「表現の自由」というのは、このような言葉の言い換えのことを指すのでしょうか?これはまさに、「メディアの死」を意味する象徴的な出来事でした。 テレビ局にとっては真実を伝えることよりも、利害関係者に不利…

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