株式会社ファイブスターズ アカデミー

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村上 徹

フィードバック(2)

部下にとって耳の痛いことを、相手の気持ちに配慮しながら、上手に指摘するにはどうしたらいいのでしょう? 学習理論では、これを「フィードバック」と言いますが、立教大学の中原淳教授の著書『実践!フィードバック』に、そのコツが詳しく紹介されています。 それによると、フィードバックの際、まず“SBI”を伝えることが重要なのだそうです。 “SBI”と言ってもソフトバンクの子会社ではありませんよ。 まず“S”ですが、これはシチュエーションのこと。 つまり最初に、状況がどうだったかを伝えるのです。 なぜなら別の状況になれば、正解が違ってくる場合もあるからです。 次に“B”ですが、これ…

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フィードバック(1)

その昔、私が若手社員だった頃、まるで日課のように上司から叱られていました。 いや、正確に言うと「叱られる」ではなく、「怒られる」です。 時には大声で「怒鳴られる」ことや、「ゲンコツを食らう」ことさえありました。 怒る側は、部下の気持ちに配慮することなく、ただ感情の赴くままに振る舞っていれば良かった時代の話です。 もしも、あの当時「パワハラ」なる概念が存在していたら、もう少し平和なサラリーマン人生を送れたのではないかと回想する今日この頃です。 ところが、ビジネス環境は一変しました。 最近では、新入社員に遅刻を注意したら、「課長、それってパワハラですよね」と反撃された例まである…

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猫好き男にご用心

ハリガネムシという、かなり込み入った生き残り戦略を駆使する寄生虫がいます。 もともとは水生生物なので川や沼で暮らしていますが、生まれた赤ちゃん、つまり卵から孵化した幼生は、呆気なくカゲロウやユスリカなどの昆虫に食べられてしまいます。 でも、それで一巻の終わりというわけではなく、その昆虫の腸の中でしぶとく生き続け、じっとその時を待つのです。 やがて、カゲロウやユスリカは羽化して大空に飛び立ちますが、カマキリやカマドウマなどの陸上で生息する昆虫に捕まって食べられてしまいます。 実は、ハリガネムシはこの時を待っていたのです。 ハリガネムシの最終的な宿主は、カゲロウやユスリカなどの小さな…

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部下に任せる

今回も、アメリカ海軍史上歴代No.1と賞賛されたミサイル駆逐艦ベンフォルドの艦長、マイケル・アブラショフのエピソードです。 ある時、ベンフォルドは潜水艦の追跡訓練という合同演習に参加するのですが、乗組員たちは第二次世界大戦からずっと続いている伝統的なやり方にはもう飽き飽きしていました。 というのは、その手垢にまみれた使い古されたやり方で、すでに2回も演習をこなしていたからです。 そこでマイケルは、新しいやり方にチャレンジしようと考えます。 まず、上官から訓練を主導する許可をとりつけます。 次に、武器担当のジョン・ウェイドにこうもちかけました。 「みんながあっと驚く、新しい訓練案…

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MBWA(3)

管理職自らが職場を歩き回って部下とコミュニケーションをとるという、いわゆる「MBWA(マネジメント・バイ・ウォーキング・アラウンド)」の手法を駆使して、アメリカ海軍で最低の評価だったミサイル駆逐艦ベンフォルドを、艦長就任以来1年足らずで海軍史上No.1の評価にまでに引き上げたのが、伝説の艦長マイケル・アブラショフ。 彼は、リーダーシップをとる時に最も重要なことは、「組織の隅々まで目を凝らし、同時に自分の姿も周りから見えるようにしておく」ことだと言います。 言い換えると、MBWAを通じて「上司と部下のお互いの人間観察」ができるようにしておくことです。 彼は、毎日艦内を歩き回り、乗組…

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MBWA(2)

MBWA(マネジメント・バイ・ウォーキング・アラウンド)で部下の信頼を手に入れた赤井は、いよいよ問題の本質に切り込みます。 Linux事業を改革する新しいビジネスプランを描き上げると、それを持って社内の関係部署を回りました。 根回しというのは面倒な作業ではありますが、各部署のマネージャーと個別にミーティングして承認をもらっておけば、今後の協力が大いに期待できます。 ところが、ある部署の偉いサンから意外なことを言われます。 「このプランには、ブレイクスルーがないね」 確かに赤井のビジネスプランというのは、独創的な着想などとは無縁の、ごくごく当たり前のことを羅列したものにすぎませ…

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MBWA(1)

『リーダーにカリスマ性はいらない』の著者の赤井誠は、転職してきた新任の本部長から電話で呼び出しを受けた時、強烈な違和感を覚えました。 なぜなら、日本HP(ヒューレット・パッカード)に入社以来、上司のデスクに呼びつけられたことが一度もなかったからです。 用事がある時は、上司の方から部下のデスクに出向くというのがこの会社のスタイルでした。 HPの共同創業者、ビル・ヒューレットとデビッド・パッカードは、「オープンで中立的なチーム」を実現するために、他にも様々なマネジメント手法を編み出しました。 例えば、アメリカでは個室を与えられるのがエグゼクティブのステイタスですが、そのドアを開け放つ「…

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ブンヤ暮らし三十六年(2)

  Tの懇願を受け、永栄は仕方なく経済部長の自宅に電話します。 するといきなり、「どういうつもりかね、仲間を週刊誌に売って。T君が泣いて電話してきたよ」と叱責されます。 事情がわからず戸惑う永栄に、「とにかく仲間を売るようなことは止めてくれ」と告げるや否や、電話は一方的に切れました。   すぐにTに電話して「何を言ったんだ」と尋ねても、「何かあったのか?お前から聞いたことを話して『心配いりません』と言っただけだ。お前には感謝している」という返事しか返ってきません。 「ごまかすな!泣いて『同期に売られた』と電話したそうじゃないか」と詰め寄っても、「嘘だ。そんなこと、絶対に…

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ブンヤ暮らし三十六年(1)

  かつて、新聞は「社会の木鐸(ぼくたく)」と言われていました。 木鐸とは、昔の中国で法令などを市民に触れ歩く際に鳴らした大きな鈴のことで、新聞とは社会に対する警鐘であるとともに、進むべき道を示すものであるという意味なのだそうです。 かつて日本が太平洋戦争に突入していったとき、それを強力に推進したのは新聞の論調でした。 そういう意味では、進むべき方向に世論を誘導しているというのは、あながち間違いではありません。 問題はその方向が正しかったかどうかです。   しかし、新聞というのは自らがその責任を検証しない限り、誰からも責任を問われることがないため、過ちは何度も繰り返さ…

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仕事よりも大切なこと

  トリンプ・インターナショナル・ジャパンで、従業員に一切残業させることなく、19年連続増収増益という輝かしい記録を打ち立てた吉越浩一郎のことを、私はてっきりモーレツ・ビジネスマンだと思っていました。 18年8月のブログ『叱れない管理職(2)』で紹介しましたが、彼のビジネス書には「『いい人』は無能な上司の代名詞」といった厳しい言葉が並びます。 これだけ聞いたら、まさに「仕事の鬼」。   ところがその吉越が、現役をリタイアした後に『ほんとうは仕事よりも大切なこと』を著します。 そこで、典型的な仕事人間のはずの彼が、こう断言したのです。 「仕事はゲームである」   …

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