株式会社ファイブスターズ アカデミー

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村上 徹

言葉はいつ手に入れた?

人類が言葉を手に入れたのは一体いつ頃のことでしょうか。以前、笑顔のシリーズで、ヒトがサルから進化し始めたのは、約450万年前頃だと書きました。ところが、言葉を手に入れたのは、かなり最近のことです。180万年前のあたりに、ホモ・エルガステルという旧人がいたことが確認されています。あっ、ちなみに人類は、猿人⇒旧人⇒新人 の順に進化したのです。さて、そのホモ・エルガステルは、見つかった頭蓋骨から、ある程度発達した声帯を持っていたと考えられています。しかし、専門家によれば、短い音節言語しか発声できなかったらしいのです。例えば、「オォ」とかでしょうか。やがて彼らは絶滅し、その後高度な言葉を使いこなせる人…

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MT野

以前、目では見えない部分を、脳が補って映像化している話をしました。今度は、少し観点を変えてみましょう。視覚に障害が発生したらどうなるかというお話です。目から入った情報は、一旦バラバラにされて、脳の中で再構成されます。その工程は大まかにいって、五段階あります。第一次視覚野から始まって、第五次視覚野まであるのです。そして最後には、すべての情報が統合されて、今あなたが見ている映像が脳の中に映し出されるのです。第二次視覚野に障害が起こると、色だけが消えます。つまり、昔の白黒テレビになってしまうのです。その視覚野の中に、MT野(第五次視覚野)があります。ここに障害が起きると、とても不思議なことが起こりま…

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「ma」の口で「ka」

前回に引き続き、北原義典氏の「謎解き・人間行動の不思議」(講談社ブルーバックス)からの紹介です。あなたの前には、テレビが置かれていて、男性の顔がアップになっています。そして、この男性が「ma」と発音している映像が流れています。ところが、スピーカーから出てくるのは、「ka」と発声している音声です。さあ、あなたの耳には、なんと言っているように聞こえてくるでしょうか。①「ma」と聞こえる②「ka」と聞こえる③「pa」と聞こえる④何も聞こえない実際にやってみるとわかりやすいのですが、文章で書いただけでは想像しにくいですよね。まあそれでも、「③と④は、なしだな」と思われた方が多いのでは・・・・ところが、…

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2台のテレビ

また、思い込みの話に戻りましょう。北原義典氏の「謎解き・人間行動の不思議」(講談社ブルーバックス)の中から紹介します。今2台のテレビがあり、左側のテレビを「A」、右側のは「B」とします。Aは、画面が真っ暗ですが、音は出ています。Bは、画面は映っていますが、音は出ていません。あなたは、少し離れて2台のテレビの真ん中に立っています。さあ、音はどんな風に聞こえてくるでしょうか。①Aの背後から聞こえる②AとBの両方から聞こえる③Aの背面から聞こえる④Bから聞こえる答えはあとで教えるとして、少し解説をしましょう。この実験は、聴覚と視覚のどちらが優位にあるかを調べるものです。えっ、早く答えを言えって?分か…

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長嶋さんの名言

前回に続いてテレビ番組から、思い込みの事例を紹介しましょう。NHK総合の「みんなでニホンGO」という番組です。冒頭にクイズが出されました。巨人軍の長嶋さんが、現役選手を引退したときのセレモニーが映し出され、あの名言「我が巨人軍は、〇〇に不滅です」が紹介されました。問題は、〇〇の部分にはどんな言葉が入るかというものでした。これは簡単ですよね。 もちろん「永遠」に不滅ですよね。スタジオにいるほとんどの人がそう答えました。ところが、正解VTRを見ると、なんと「永遠」ではなく「永久」に不滅です、と言っているではありませんか。私はわが耳を疑いました。しかし、長嶋さんはまちがいなく「永久」に不滅です、と言…

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味覚

先日テレビを見ていたら、大変面白い実験をしていました。NHK教育テレビの「サイエンスゼロ」という番組です。まず、2つの小さなコップが用意され、かき氷のシロップが入っていると説明を受けます。コップに入っている液体は、赤と緑です。もうこの時点で、誰だって「イチゴ」と「メロン」だなって思いますよね。実際、一口飲んだレポーターは、即座に「イチゴ」と「メロン」だと断言しました。次に、目をつむって2つのコップを飲ませます。すると、今度はレポーターが首を傾げています。なんと、どちらも同じ味がするというのです。種明かしをすると、どちらも同じ成分の甘い液体に、合成着色料で赤と緑を色づけしただけなのです。この着色…

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ハーモニカ嫌い

好き嫌いというのも、思い込みと同じで、脳の中につくられた回路です。今回は、ハーモニカが大嫌いというだけで、人生最大の失敗をした男の話です。中山康樹氏の「ジャズメンとの約束」(集英社)で紹介されているその男の名前は、デイブ・デクスター・ジュニアといいます。彼は、キャビトル・レコードの敏腕プロデューサーでした。彼が見つけてきたミュージシャンは、ことごとくヒットを飛ばしていたため、社長は彼の「耳」を信頼して、I新人発掘の仕事を任せていました。ある変わった名前のグループから、再三デモのシングルが送られてきましたが、彼は取り合おうとはしません。会議の議題に上るたびに、デクスターの口から出る言葉は決まって…

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見えない色が見える

前回は、脳の回路のおかげで、見えないものまで見えてしまう話をしました。今回は、色の話をしましょう。私たちの視野は結構広いですよね。頑張れば左右180度近くまで見えるような気がします。しかも視野全体がフルカラーです。目が不自由な人を除けば、途中から白黒になってしまう人なんていませんよね。ところが、人間の網膜の細胞を調べると、色を感じることのできる細胞は中心部分にしか存在していません。周辺部に行くと、明るさしか感じられない細胞ばかりです。つまり、本当は視野の中心部分しか、色がついていないはずなのです。でも、今見えている映像はフルカラーですよね。なぜなのでしょうか。それは、脳が、勝手に色をつけて編集…

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カニッツアの三角形

思い込みというのは、脳の回路のしわざだという話をしました。実は、私たちが今見ているものも、本当にそこに存在するのか疑わしい場合もあるのです。目で見たものは、まるでテレビカメラのように、現実に存在するものを映し出していると誰もが思っていますが、そうではありません。脳という編集機能が備わっていて、理解しやすいように適当に編集してくれているのです。カニッツァの三角形という大変有名な図形があります。なんのことはない、鉤のようなものが3つ、凹んだ部分を真ん中に向けてそれぞ独立して置いてあるだけです。もっとわかりやすく言うと、鉤というよりも、丸い円に三角の切り込みのあるものです。昔流行った「パックマン」と…

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思い込みの怖さ

思い込みの怖さについては、誰でも経験があるでしょう。なぜ私たちは、思い込みに捉われてしまうのでしょうか?答えは、脳の仕組みにあります。脳の中に、ある一定の回路が出来てしまうと、私たちはその考えに縛られてしまいます。これは、本人の努力だけでは改善できない場合もあるのです。昔、月面の写真が公開されたとき、太陽の光が影となって、人間の顔が浮き彫りとなっている一枚がありました。解説では、偶然そう見えるだけとなっていましたが、到底信じられませんでした。当時はなにやら霊的なものを感じましたが、今ならはっきり分かります。そうです。「顔細胞」のしわざですよね。ところが、この「顔の認知」についても、不思議なこと…

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