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5☆s 講師ブログ

なぜ「長期金利」

 前回少しだけ触れましたが、なぜ新聞には、国債の価格ではなく「長期金利」が掲載されているのでしょうか。
 今回は、債券価格(国債価格)と、長期金利の関係を解き明かしてみたいと思います。

 例えば、今、あなたが国債を買ったとしましょう。
 額面は100万円で、値段もちょうど100万円だったとします。
 国債は10年ものでしたが、あなたが手に入れたのはすでに9年経過していて、残りの期間が1年しかない国債でした。

 利回りは年2%としましょう。
 計算を簡単にするために、利息の支払いは年1回の国債だと仮定しましょう。
つまり、この国債を持っていれば、1年後には2%の利息=2万円と、額面の100万円が受け取れます。
楽しみですね。

ところが、買った直後にとんでもないことが起こりました。
日銀が金利を上げたのです。これにより、新たに発行される国債の金利は年3%となってしまいました。
あなたならどうしますか?

あなたの持っている国債は年2%の利息しか生みません。でも新たに発行される国債は年3%。当然あなたは、持っている国債を売りに出して、新たに発行される国債を手に入れようとします。
でも、売れるでしょうか?

あなたは100万円で手に入れたので、当然100万円で売りたいところです。
しかし、残念ながら買い手はつきません。
なぜなら、同じ100万円を払うなら、2%の利息(2万円)しか得られないあなたの国債よりも、3%(3万円)の利息が得られる新たな国債を買ったほうがいいからです。

そこで、あなたはやむなく値下げすることにしました。
では、いくらなら買い手がつくでしょうか。

答えは約99万円です。
あなたの国債を99万円で買った人は、1年後には利息の2万円と、額面100万円を受け取ります。よって3万円の儲けとなり、利回りはほぼ3%になります。

整理しましょう。
金利が上がると、債券価格は下がりました。
ということは、債券価格と長期金利は逆の動きをすると言うことになります。
よって、長期金利の動きがわかれば、債券価格の動きもわかるのです。
これが、新聞に「長期金利」しか掲載されていない理由です。

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