株式会社ファイブスターズ アカデミー

研修で疲れて帰宅するときは、疲れを取るために電車では（グリーン車を使わせて
もらってます）静かに寝て帰るのが一番なのですが・・・

先日、首都圏の研修でしたのでいつもより割と早い電車に乗ることができました。
しかしその日は、電車の線路に障害物が・・・ということで電車は遅れ気味、
その上かなり混んでいました。
空いている席に座って、さて寝ようかと思ったところ、後ろのほうからなにやら
楽しげに話をする声が聞こえてきました。

ふり返ってみると、精一杯着飾った主婦らしき女性が3人、イスをボックスにして
向かい合わせに座り修学旅行の学生さながらに嬉しそうに話をしていました。
それ自体は、ほほえましい風景だったのですが、その後の一時間は私にとって、
地獄の乗車時間（1時間）となりました。

研修が終わったとはいえ次の日も研修を控えているため、その時の私の神経は
結構ぴりぴりしていました。ですから早く神経を休めるために寝ようとすると・・・
後ろから「そうよね！あの音楽会は・・・ガハハッ」と三人の笑い声が押し寄せてきます。
「きっと楽しい音楽会帰りなんだな」と気を取り直して再度寝ようとすると、
久しぶりに会った三人なのでしょう。今度は一人ずつ近況報告が始まりました！

「うちの主人はね、うちの娘はね、息子は、姑は、犬は猫は自動車は・・・」と
これまた三人が順繰りにそれぞれ家族の話をし始めたのです。

こうなったらもういけません。寝るどころではなく、否応もなく三人の話を
聞かされる羽目になりました。私が降りるころには三人の家庭の事情がすっかりと
頭に入ってしまいました。

恐るべし主婦力！

音楽会に出かけた帰りの電車の中でも一時間近く休みなく、よどみなく
しゃべりっぱなしのあのバイタリティ！全く脱帽です。

でも、最後に一つ気になりました。それは・・・
この三人の主婦ですが「私は今、こんなことしている、あんなことしている」という
「私は・・」の　「アイ（I）メッセージ」　が全くないのです。
自分を語るのに、主人、子ども、姑、果ては犬猫まで持ち出して自分の周りの状況説明を
しないと自分が浮き出てこないのです。
まるで、画用紙に周りのバックを書き入れてやっと、中心にいる色のない「自分」がなんとなく
残っているといった感じがしたのです。

それがいいとか悪いとかでなく、主婦であろうがなかろうが、働いていようがいまいが
「私はこんなことをしています」と言える生き方をしないと「自分の人生、自分が主役」なのに
たった一度の人生、もったいないと思いました。

それにしても、一時間、話に付き合わされて疲れました！