株式会社ファイブスターズ アカデミー

先日のテレビニュースで地場産業を見直すという特集をやっていました。
今治市の「地場産業」であるタオルが「今、人気商品で売れ行き好調」とのこと。

その元を探るとあの私が尊敬する佐藤可士和さんの存在があったのです。
下火になったタオル産業を立て直すために現地に乗り込み、見事に地場産業の
タオルを彼がよみがえらせたということなのです。

1万円の超高級タオルが新宿のデパートで飛ぶように売れているという現実を
見るにつけ、何がそうさせるのかに大変興味を掻き立てられました。

明治から伝統産業であるタオルを何とかよみがえらせようと現地では
タオルに絵画を織り込んだり、タオルでキャラクターを作ったり、タオルで
野菜や果物の置物を作ったりしたものの、売れ行きは芳しくなく、最後には
アートディレクターの佐藤さんを迎え入れることとなったそうです。

そこで、佐藤さんが打ち出したのは「原点に戻る」というものでした。
「真っ白なタオル、肌触りも吸水性も抜群の白い高級タオル」ということで
最初は現地のタオル業者の人も、このご宣託にちょっと拍子抜けをしたようでした。

つまり、今人気一番のアートディレクターが打ち出すアイデアはもっと奇抜な度肝を
抜くようなものだと思っていたのでしょう。しかし、佐藤さんの決断は「白い高級タオル」
だったのです。

ということで、「白いタオル」からスタートし、今では引きも切らずに人が買い求める
ブランドとなったわけです。

「ブランディング」とは「自分の強み」をしっかりと見据えて、気張ることなく、奢ることなく
しっかりと自分の足元を固めるということに尽きると、この事実を見て、強く感じた次第です。