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5☆s 講師ブログ

社畜の列

台風や地震で電車がストップすると、運転の再開を待つサラリーマンが駅前に長蛇の列を作ります。
ネットでは「社畜」と揶揄されていますが、私たちは「雨が降ろうが槍が降ろうが出社しろ!」と、教えられた世代です。
だから、万難を排して出社するのは当たり前だと思っていました。

でも、最近はこんな疑問を感じるのです。
「万難を排して会社に行って、一体何をするの?」

昔は、とにかく会社に行くことが重要でした。
その日に終わらせなければならない仕事などなくても、とにかく会社に行かなければならなかったのです。
ところが、最近はテレワークを導入する会社が増え、仕事はどこでもできる時代になりつつあります。
一般の会社でも、モバイル端末を駆使すればある程度の仕事はこなせるはず。
IT技術が急速の進化を遂げた今、万難を排して会社に行くことに一体どれほどの意味があるのでしょうか?

実は、昔も大して意味はありませんでした。
会社に行くのは、仕事をするためというよりも、自分の忠誠心を上司にアピールするためでした。
だから、緊急の仕事などなくても、取りあえず会社へと向かったのです。

重要なのは「会社の席にいること」でした。
残業しないでひとりだけ早帰りしたりすると、「協調性がない」とか、「組織人として失格」とか言われて、人事考課の評価が下げられた時代です。
仕事はあくまで組織でするものであり、個々人の成果や生産性が問われるのは、営業職などごく一部の職種に限られていました。
だから、上司から見える席に座って、一生懸命「頑張ってるアピール」をすることで高い評価を得ようとしたのです。

「社畜」が長蛇の列を作っている頃、ネットの書き込みにこんなのがありました。
「あなたは、万難を排して出社してくる部下と、さっさと休みを決め込んだ部下の、どっちと一緒に仕事がしたいですか?」
書き込んだのは、おそらく中高年の管理職でしょう。

今の私なら、答えははっきりしています。
「どっちでもいいから、成果を出せる部下」。

重要なことは出社することではなく、成果を上げることです。
もし、会社に行かないとクライアントと連絡を取ることもできないし、一切の仕事が進まないのだというのなら、それはあなたの会社のリスクマネジメント体制に重大な欠陥があると言わざるを得ません。
そのリスクを今まで放置してきたのは、会社の経営陣と管理職の怠慢以外の何者でもありません。

ゴールは、成果を上げることです。
電車がストップしても、成果を上げるための最低限の仕事ができるよう、日頃からバックアップ体制を考えておかなければならないのです。

一時期、「成果主義」が批判された時期がありましたが、「成果主義」の反対語は一体何だろうと考えてみました。
もしかしたら、「出社主義」とか「在席主義」ではないでしょうか。
でも、この「出社主義」や「在席主義」が成立するためには、終身雇用であることが大前提となります。

ところが、今は会社が定年まで雇ってくれる保障はどこにもありません。
会社はこの先リストラに踏み切るかもしれないし、あるいは倒産するかもしれません。
そんな会社に忠誠を誓うのは無意味です。
それがわかっているから、若手社員は「頑張ってるアピール」をしないのです。

いやいや、「出社主義」とか「在席主義」ではダメだ、上司の意図をちゃんと理解して動くことが重要なのだというのなら、それははっきり言って「忖度主義」です。
忖度に長けたサラリーマンに価値があるのは、その会社の中だけです。
正確に言うと「その会社にとって」ではなく「その上司にとって」です。
会社が倒産しなくたって、その上司が失脚したらお仕舞いです。

サラリーマンの長蛇の列を見て、会社に行くことの意味に、改めて時代の変化を感じさせられた1日でした。

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