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5☆s 講師ブログ

MBWA(2)

MBWA(マネジメント・バイ・ウォーキング・アラウンド)で部下の信頼を手に入れた赤井は、いよいよ問題の本質に切り込みます。

Linux事業を改革する新しいビジネスプランを描き上げると、それを持って社内の関係部署を回りました。
根回しというのは面倒な作業ではありますが、各部署のマネージャーと個別にミーティングして承認をもらっておけば、今後の協力が大いに期待できます。
ところが、ある部署の偉いサンから意外なことを言われます。

「このプランには、ブレイクスルーがないね」
確かに赤井のビジネスプランというのは、独創的な着想などとは無縁の、ごくごく当たり前のことを羅列したものにすぎませんでした。
例えば、社内を歩き回っていた時、「製品ラインナップが多すぎる」という営業マンからの声が多かったので、「売るべき製品を絞り込む」といった内容を盛り込んでいました。
そんな現場の声を拾い上げて集計しただけの提案は、偉いサンにとってはサプライズに乏しい退屈なプランに見えたのでしょう。

ところが、その平凡なプランが、1年後の売り上げをなんと30倍にまで押し上げます。
「ブレイクスルー」という言葉は、「アイデア」に対してではなく、あくまで「結果」に対して使うべきものです。
そして、ブレイクスルーな結果をもたらすヒントは全て現場にあるのです。
だから、あなたの望みが「結果」であるなら、まず現場を歩き回って部下の声に真摯に耳を傾けることが重要です。
もし、部下が警戒して本音を言わないようなら、部下の相談に乗ったりお困りごとの手助けをしたりして、とにかく部下の信頼を得ることに務めるのです。

ところで、HPという会社には、なぜ上司が現場を歩き回るというMBWAの習慣が根付いているのでしょうか。
社史を扱ったビデオに、創業間もない頃のこんなシーンが映っています。
夜遅くまで残業して製品テストをしている社員の傍らを、たまたま共同創業者のデビッド・パッカードが通りかかります。
人手が足りないことに気づいた彼は、なんとその場で部下のテストを手伝い始めたではありませんか。
パッカードは、キャリアも含めて部下を上司が徹底的にサポートする環境さえ整っていれば、人事部など不要であるという持論を主張していました。
実際にHPが人事部を作ったのは、社員数が1000名を超えてからだそうです。

今やパソコンやプリンターの世界トップシェアを誇り、全世界の従業員33万人、売上高13兆円という世界最大のIT企業になったHPですが、その社風は脈々と引き継がれているようです。
そんな社風に魅せられたのでしょう、過去にアルバイトとして働いていた人の中には若き日のスティーヴ・ジョブスや、もう一人のアップルの創業者スティーヴ・ウォズニアックもいました。
あなたも、まずは一日中自席に座って部下を呼びつけるのをやめて、オフィス内をウロウロ歩き回ってみませんか。

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