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5☆s 講師ブログ

いたずら書きの効用

延々と続く結論の出ない会議。

あまりの退屈さに、気がついたら資料にいたずら書きをしていたという経験はありませんか?

いたずら書きは集中力が切れたときの行動と思われがちですが、それを根底から覆す研究が2010年に発表されました。
プリスマ大学のアンドレーデによれば、いたずら書きは集中力の低下どころか、反対に集中力が切れないようにするプラスの効果があるというのです。

実験の概要はこうです。

被験者は、パーティーの主催者が吹き込んだという留守電のメッセージを聞かされます。
退屈な話だということは前もって知らされていますが、実際に聞いてみると予想をはるかに超えるグダグダな内容。

「ナイジェルはパーティーに来るつもりだったんだけど、ペンザンスで会議があるんだって」

「スージーは来るはずよ。陶芸教室で会った人なのよ」

パーティーの出欠とは関係のない、周辺情報までてんこ盛りです。
被験者に与えられた課題は、この退屈極まりない伝言を延々と聞き続け、最終的なパーティーの出席者の名前を書き出すという作業です。

この時、被験者は二つのグループに分けられるのですが、片方のグループには「いたずら書き」が奨励されます。

ただし、ここが心理学実験の難しいところ。
「いたずら書きしていいですよ」と伝えてしまうと、「いたずら書き」がこの実験のポイントであることがバレてしまいます。

そこで四角形や円を印刷した紙を渡して、留守電を聞きながら、その図形の枠内を塗り潰すように指示します。

普通に考えると、塗り潰すことに一生懸命になってしまって、留守電を聞く方がおろそかになるのではと心配になりますよね。

ところが、結果は全く違いました。

ごくわずかの例外を除くと、パーティーの出席者8人の名前を漏れなく書き出したのは、いたずら書きグループの方だったのです。
いたずら書きをしないグループは、全員1人以上の漏れがありました。

さらにその後実施した、パーティー出席者の名前や、メッセージに出てきた場所の名前を答えるという記憶テストでも、いたずら書きグループの方が優秀な成績を修めたのでした。

これは一体どう解釈したらよいのでしょう。

メッセージはわざと退屈に作ってあるので、被験者がメッセージだけに集中しようと頑張っても、長時間に渡って集中力を維持することは難しく、どうしても注意が散漫になってしまう時間帯が訪れます。

いたずら書きは、この注意が散漫になることを防いだり、時には注意を引き戻したりと、適度に調整する役目を果たしているようなのです。

つまり、いたずら書きというのは、集中力をある程度保ちながら、退屈だけど必要な作業を効率よくこなすための手助けをしていると解釈できるのです。

意外ですよね。

ということは、会議中に資料にいたずら書きをしている社員は不真面目な人ではなく、退屈な会議でも一生懸命参加しようとしている、実に真面目な人ということになります。

どうです?
あなたも、会議中のいたずら書き、やってみませんか。

ただし、上司の似顔絵なんかにチャレンジすると、出来映えに集中し過ぎるあまり、会議の方がおろそかになりますのでご注意を。

えっ?

それより、会議の進行を何とかする方が先だろうって?
なるほど、ごもっとも。

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