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5☆s 講師ブログ

日本サッカー界の闇

ワールドカップ本大会の2ヶ月前という、ギリギリのタイミングというにはあまりに遅すぎる時点で、ハリルホジッチ日本代表監督が解任されました。

直接の理由は、ベルギー遠征の結果が予想以上に悪かったことと、選手と監督の間に溝ができたことだそうですが、本当でしょうか。

ベルギー遠征に関して言えば、そもそもウクライラには手も足も出ないのは想定どおり。

一方、マリ戦の前半は、ハリルの看板である「縦に早い攻撃」がいい形で現れていました。

MFからFW に縦パスが入ると、それをワンタッチで後ろに落とす。

それをまたワンタッチで逆サイドのFWに振る。
このFWもまたワンタッチでバックパスすると、今度は中央に縦パス。
マリのディフェンスはいいように翻弄されました。
これで2~3点入っていたら、誰からも文句は出なかったでしょう。
後半は状況が一変しますが、その話は後ほど。

監督解任の理由は戦術の問題ではなく、選手とコミュニケーションをとろうとしない姿勢にあったのではないかと思われます。

でも、それなら協会がハリル本人にチキンと話をして、関係改善を促すようにサポートするのが役目というものではないでしょうか?
何かもっと他の理由があるような気がしてなりません。
ハリルが「ビジネスの犠牲になった」と発言しているのも気になります。

その前に、歴代の代表監督の戦術を振り返ってみましょう。

日本がポゼッション・サッカーをやり出したのはジーコ監督の時から。
とにかく横パスの多いサッカーでした。
一回トラップしてから安全な横パス。
受けた側はトラップして、また安全な横パス。
あまりに遅いその攻撃は、“各駅停車”と揶揄されました。
でも、“各駅停車”を「パスサッカー」と言い換えると、なんとなく戦術っぽく聞こえるから不思議です。

ザッケローニはこれをより攻撃的に進化させましたが、ブラジル大会では全く相手にされませんでした。

その理由は、徹底的に研究されていたからです。
今のサッカーは、相手の良さをいかにして潰すかという、チーム戦術が大きなウェートを占めています。
対戦相手が変わる毎に、監督がいかに緻密な戦術を立ててゲームに臨んでいるかは、UEFAチャンピオンズリーグを見れば明らかです。

ですので、相手によって戦術を使い分けることのできる、ハリルホジッチに白羽の矢が立ったのは当然と言えば当然。

この決断は、予選のオーストラリア戦で見事に結実しました。

そもそも、前線の選手が積極的に守備することで相手の攻撃の選択肢を狭め、中盤の選手が複数でプレスをかけて、ボールを奪ったら一気に速攻というハリルの基本戦術自体は、都並敏史が指摘するように完全に世界の潮流です。

この戦法を採用していないチームは、超一流のFWが揃っているバルセロナくらいでしょう。
でも、その戦い方をよく見ると、ゆったりとしたパス回しをしながら、突然ワンツーを使ってあっという間に局面を打開します。

これが「緩急」というものです。

「緩緩」でも「急急」でもダメなのです。
日本代表のゲームで、パスを出すや否や猛ダッシュする選手を見たことがありますか?
パスを出し終わると、「あー、やれやれ、ボールを取られなかったからオレは減点されないな」と、まったりしている選手ばかりではありませんか。
まるで、ゲームに勝つことよりも、監督の評価の方が重要であるかのように・・・。
なんだか、会社に似てますよね。

さて、話をマリ戦に戻しましょう。

前半のいいリズムは、本田が入ってから一変します。
とにかくスピードが遅いのです。
本田は右サイドのFWを主戦場としていますが、彼は右足が全く使えません。

ゴン中山が「縦に行かないFW」と評したように、右サイドを縦に突破するスピードもなければ、右足で正確なクロスを上げる技術もありません。
だから、いつも左足でボールをキープしながら、中央にゆるゆるとドリブルしてくるのです。

そして結局、安全な横パスかバックパスを選択します。

イタリアでは、「横か後ろにしかパスをしない選手」と酷評されましたが、日本のメディアではなぜか「タメを作った」と評価されます。

このあたりの謎解きも後でやりましょう。

いずれにせよ、守備側からみればこれほど楽なFWはいません。

唯一、縦の攻撃に気をつけるとすればタッチライン際をオーバーラップしてくるSBの酒井宏樹です。
ミランではディシーリオでした。

私の記憶が正しければ、本田が自らゴールライン際でマイナスのクロスを上げたことが2回あります。

イタリアに渡った最初のシーズンでの、確かナポリ戦でした。
意識して縦に突破したのではなく、ディフェンダーともつれてしまった末の苦肉の策でしたが、2回とも得点に結びついています。

ミランで活躍するための答えは、この時出ていたのです。

これを教訓にして、苦手なことを克服しようとする姿勢があれば、レギュラーを掴み取ることができたかもしれません。

しかし、常に自己を絶対的に全面肯定し、苦手なことには決してチャレンジしないという頑なな姿勢が、選手としての可能性を狭めてしまいました。

少なくとも選手でいる間は、一分一秒を惜しんで練習に取り組み、少しでもサッカーがうまくなってほしいと思うのは私だけでしょうか。
ステレオ・イヤホンのデザインだとか、ファッション・アイテムのプロデュースだとか、政治家との会食やシリア情勢へのコメントなどは、選手を引退してからでもできることではないでしょうか。

メキシコリーグであの遅攻が通用しているのは、びっくりするくらい守備が緩いからです。

DFは、相手がキープするボールにアタックに行くことはせず、常に一定距離を保って併走しながら、パスやシュートのコースを切りに行くだけです。
「デュエル」どころか、接触プレーさえほとんど見られません。
象徴的だったのは、ティグレス戦でのゴールシーンでした。
DF陣はただ立っているだけで、本田のマークにつこうとさえしませんでした。
こんなシーンは、J2でもあまり見ることがありません。

本田の名を一躍有名にしたのは、南アフリカW杯の初戦のカメルーン戦。

直前の親善試合があまりに不出来だったため、岡田ジャパンは本田をワントップに据えるという、半ばヤケクソの大冒険に出ます。
これが、なんと本田の先制点を生みます。

しかし、日本ではほとんど報道されませんでしたが、このときカメルーンは監督と選手が「大喧嘩」状態にあり、アーセナルの守備の要であるボランチのソングと、後にスペインリーグで大活躍するGKのカメニがスタメンから外されていたのです。

飛車、角落ちのカメルーンが相手ならば、破れかぶれの戦術でも勝機があった訳です。

選手としての実力云々はひとまず置いておくとして、最も問題なのは本田の言動です。

W杯予選のサウジアラビア戦の直前に、オマーンとの親善試合がありました。

この試合、本田はひどく低調なパフォーマンスでファンをがっかりさせましたが、報道陣から次のサウジ戦についてコメントを求められると、平然とこう言い放ったのです。

「オレを先発で使わないとしたら、監督にはその理由を説明する義務がある」

すべてのスポーツを通じて、ここまで監督をコケにした選手を私は知りません。

しかも直接言うのではなく、マスメディアを使って世間にアピールするという姑息な手を使います。

ところが不思議なことに、メディアはこの時も本田に好意的な報道をしました。

貴乃花親方の時に、あれほど“組織人”論をぶち上げていたメディアは、この時一体どこに行っていたのでしょう?

ところで、チームメートは本田のことをどう思っているのでしょう。

リオ五輪の直前のテレビの企画で、フル代表の長谷部と、五輪代表の遠藤航とのキャプテン対談が放送されたことがあります。

そのとき長谷部は、「自己犠牲の精神をもたない、『オレが!オレが!』の選手が一人でもいるとチームは大変困る」という趣旨の発言をしています。
一体誰のことを言っているのかは想像つきますよね。

福田正博が本田のことを、「スタメンで起用しないならば、代表に呼ぶべきではない」と断じたのは、チームに不協和音が起こることを危惧したからです。

ハリルと選手の間に溝があったのは確かですが、本田と他の選手の間がしっくり行っているとは到底思えません。

チームにとって、こんなにもマイナスの影響が大きい本田を、なぜマスメディアは擁護するのでしょうか?

その答えは、広告代理店です。

2014年、ヨーロッパの主要リーグで活躍したわけでもないのに、本田は突然名門ミランの10番を手にします。

ヨーロッパでは、本田は「マーケティング・マン」と呼ばれることが多いそうですが、その理由は移籍に巨額のビジネスが絡むからです。
1994年に三浦カズがジェノアにレンタル移籍した時、ケンウッドが1億円のスポンサーになっていたことからもわかるように、日本人選手がその実力だけでヨーロッパのクラブに移籍を果たすのは結構難しいことです。
本田の場合は、バックの広告代理店がとてつもなく強力だったということでしょう。

しかし、クラブの経営者にとっては金銭的収入は重要問題ですが、代表選手の選考はあくまで実力を基準にして行われるべきであり、広告代理店への忖度がまかり通るのはおかしな話です。

もしかしたら、代表監督更迭の背景には、このような事情があるのではないでしょうか?
そうだとすると、ハリルの「ビジネスの犠牲になった」という発言も合点がいきます。

監督交代が発表されて以降、マスメディアは一斉に本田の代表選出が決定的であるかのような報道をし始めました。

広告代理店とマスメディアは主従関係にありますので、これは当然のこととしても、解説者たちのメンバー予想も見事なまでの掌返し。
まるでみんな、テレビの仕事が無くなるのを恐れているかのようです。
このようにして世論というものは作られていくのでしょう。

ところで、もし私が監督なら誰を選ぶか考えてみました。

もちろん、広告代理店の影響は一切排除します。
そもそも世界ランク60位の弱小チームが、世界の檜舞台で1勝するなんて夢のまた夢。
2敗1分なら上出来です。
どうせ勝てないなら、次回の2022年カタール大会を視野に入れて、若手を大抜擢してはどうでしょうか。

そうなるとFWの右は中島で決まりです。

真ん中は大迫、左は乾で異論はないでしょう。
左右の控えは原口と久保。
若手枠でハンブルガーSVの伊藤達哉もいれておきましょう。

トップ下はパサーを置くなら清武か柴崎、シャドウ・ストライカーなら堂安律。

そして、後半20分過ぎたら久保建英を投入します。
ボランチは長谷部とのコンビで、大島と井手口に経験を積ませます。
DFは吉田の相棒として昌子と植田。
世界を知っているという点では、スペインリーグ2部の鈴木大輔も面白いところ。
SBは誰でもいいですが、GKはもちろん中村。

どうです?
次のカタールが楽しみになってきませんか。

もし私に、有り余るカネとヒマがあったら、当然ロシア大会を観戦したいとは思います。

でも、日本戦を見たいとは全く思いません。
せっかく世界のトップ選手が集まっているのですから、ビリに近いチームを観戦するなんて時間の無駄以外の何者でもありませんから。

考えても見てください。

もし、野球のWBCが日本で開催されていて、アメリカやプエルトリコや日本など世界のトップクラスが最高の戦いを繰り広げているときに、隣の球場でやっている巨人の二軍戦を見に行く人はどれくらいいるでしょうか?

もっとわかりやすい例えで言うと、リオ・オリンピックのマラソン競技の時、トップランナーには目もくれず、ひたすら「猫ひろし」を応援した人がどれくらいいたでしょうか?

日本にいるのは「サッカーファン」ではなく、サッカーを知らない「日本代表ファン」だという事実が、広告代理店に付け入る隙を与えてしまっているのです。

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