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5☆s 講師ブログ

数字の奴隷

過労死のニュースが後を絶ちません。

職場でメンタル不全者が出ても、誰も驚かなくなりました。

日本の職場を、そこまで追い詰めているのは一体何でしょう?

私は、「数字」ではないかと思うのです。

組織に与えられた今年度の数字は、どんなことがあってもやり遂げなければならない必達目標です。

そしてその数字は、今年度の目標の利益額から逆算されたものです。

社長自ら窓ガラスがビリビリ震えるほどの大声で、「チャレンジ!」と怒鳴りつけた結果、わずか3日で100億以上の利益をひねり出した事業部もありました。

もちろん、会計上の数字をいじっただけの話ですけど・・・。

まさに、「無理が通ればコンプライアンス が引っ込む」。

今や「数字原理主義」は、多くの会社が崇拝する絶対的宗教と化しつつあります。
社長以下全社員が“数字の奴隷”となり、果てしない消耗戦をビジネスの最前線で繰り広げています。

しかし、その数字の先にあるものは一体何なのでしょう?
今年度の目標数字を達成したときそこにあるのは、たいていの場合「やり遂げた」という達成感などではなく、新たに設定されたより高い来年度の目標数字です。

この無限に繰り返される徒労感のループこそ、過労死やメンタル不全の根本原因なのではないかと私は思っています。

私たちは、一体何のために一生懸命働いているのでしょう。

給料をもらうためでしょうか。

そもそも会社は、何のために存在しているのでしょう。
目標数字を達成するためでしょうか。

目標数字を達成し、利益を生み出すために会社は存在し、そしてそこから給料をもらうために、私たちは働いているのでしょうか。

確かに、利益を生み出さなければ会社は生き残れません。

赤字が何年も続けば会社は潰れてしまいます。
会社が潰れてしまうと、社員に給料を払うことはできなくなります。

でもそうすると、会社は「生き残るため」だけに存在し、私たちは「給料をもらうため」だけに働いていることになってしまいます。

寂しい話ですよね。

果たして、本当にそうなのでしょうか?

ダライ・ラマはこんなことを言いました。

「人が食物と水なしでは長く生きられないように、企業は利益なしでは生き残れない。

しかし、人生の目的や意義を、食べて飲むことだけに切り詰めようという者はいない」

給料をもらえなくなると困りますが、だからといって生存することだけを目的にして、毎月給料を稼いでいる人はいません。
生きることには、生存すること以外にちゃんとした目的があります。
ですので、会社にも生き残ること以外に、何かきっと他の目的があるはずです。

ダライ・ラマは、こうも言いました。

「企業は利益を生み出す機械ではない。

利益とは企業の目的というより、むしろよい働きの結果であるべきだ」

初めに利益ありきと考えるから、“数字の奴隷”になってしまうのです。
初めにあるべきものは、ヴィジョンとか理念です。

利益とは、あくまでもヴィジョンや理念の実現を追い求めた結果としてもたらされるものなのです。
そして、それを追い求める時の目安として設定されるのが目標数字なのです。

どんなに辛い仕事でも、ヴィジョンや理念の実現に貢献していることが実感できれば、それは働く喜びに繋がるはずです。

そしてその働く喜びこそ、企業に利益をもたらしてくれる源泉となるものです。

あなたの会社は、ヴィジョンや理念の実現に貢献していると実感できる場所ですか?

それとも、単に利益を生み出すためのマシーンの設置場所ですか?

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