株式会社ファイブスターズ アカデミー

まずはお気軽に
お問い合わせください。

03-6812-9618

5☆s 講師ブログ

番犬か狂犬か

ウォール街をはじめとする支配階級の利権の番犬、ヒラリー。
片や何をするかわからない狂犬、トランプ。

アメリカは、富裕層が支配する閉塞感に満ちた社会体制をこのまま維持する者を選ぶのか、
それとも体制をぶっこわしてくれそうな狂暴な破壊者を選ぶのかという、究極の選択を迫られたわけです。

クリントンが勝てば、生活は相変わらず苦しいままで、必死で稼いだお金はウォール街に横取りされるだけ。

一方、トランブが勝てば、アメリカで最も危険な男の手に核のボタンを委ねることになります。
究極の選択は、狂犬の勝利で終わりました。

当初は泡沫候補と見られていたトランプを、モンスターにまで育ててしまったのは一体何だったのでしょうか。

その謎を解くキーワードは「格差」です。

今、世界の人口は72億人を超えていますが、
下位36億人の人々の資産の合計は、世界で最も裕福な62人の保有資産とほぼ同じです。

36億人は、世界人口のちょうど50%にあたります。

片や62人というのは、0.000000008%にすぎません。
小数点以下、ゼロが8個もつくほど小さい数字です。

これが釣り合うということ自体、人類史上例を見ない「富の偏在」が起こっていると言えましょう。

格差を測る指標として「ジニ係数」が知られていますが、
現在の数値は過去最高水準と同じレベルにまで達し、今後はさらに急激に高まることが予想されています。

ついに人類は、いまだかつて経験したことのない極端な「格差社会」に突入しようとしているのです。

言い換えると、いつ何時、暴力革命が起きてもおかしくない危険な状態になるということです。

当初トランプを支持していた人達は、「プア・ホワイト」と呼ばれる貧しい白人たちでした。

プア・ホワイトとは、大学に進学できずに工場等で肉体労働に従事する人達と言われてきました。

しかし、この定義は完全に誤っていました。

大学を出た白人たちもプアなのです。

ハーバードでMBAを取り、ウォール街に就職すれば、1年目から数千万円の報酬をもらうことも夢ではありませんが、
学費が年間800万円かかります。

これを6年間も払えるのは、富裕層と言われる支配階級だけでしょう。

つまり、フツーの大学を出たところで安い賃金の仕事しかないのです。

だから、学歴に関係なくプア・ホワイトが生まれたのです。

今回は、低学歴のプア・ホワイトも高学歴のプア・ホワイトも、
さらに言えばトランプ政権下では最も弾圧を受けるであろうプア・ノンホワイトでさえもトランプに票を投じています。

これは一体どういうことでしょう。

アメリカで起こっている二極分化というのは、「ホワイト」と「ノンホワイト」ではなく、
支配階級と呼ばれる富裕層からなる「超上流階級」とそれ以外の「下層階級」との二極分化だったのです。
アメリカには、すでに「中間層」など存在していません。

2011年9月、ウォール街を占拠した若者たちのスローガンは、“We are the 99%”でした。

まさに、99%を占めるプアな人々の、支配階級に対する怒りは暴発寸前にあったのです。

サンダースの政策の一部を引き継いだヒラリーは、
1%の富裕層からごっそり税金をふんだくって貧しい99%に分配しようと主張しましたが、
アメリカ国民はそれにさえNOを突きつけました。

トランプはそんなことするはずがありません。

なぜなら彼の資産は3700億円、つまり彼は1%側の人間だからです。
しかも、税金を一銭も払っていないという疑いさえかけられています。

あの、小学生が考えたような経済政策によってプアな人々が豊かになる可能性は、
トランプが共和党の候補に名乗りをあげた時の当選確率くらい低いと思われます。

アメリカの選択が正しいかったのかどうかは誰にもわからないことですが、
トランプが当選したことの唯一のメリットは、
暴力革命の引き金となりかねない暴動の可能性が低下したことではないでしょうか。

しかし、トランプにとって、それは逆に大きな危険性を孕んでいるとも言えます。

「破壊者」として選任されたはずの人間が、結局番犬と同じことしかできないのだと人々が知ったとき、
その熱い期待は絶望ではなく荒れ狂う怒りに変わるでしょう。
窮地に立たされたのは実はトランプの方です。

翻って、日本の格差はどうでしょう。
日本では1億円以上の資産をもつ人が212万人います。
人口の1.6%を占めます。

しかもこの人数は世界第3位です。

アメリカで起こったことが、日本で起こらないという保証はどこにもありません。

初めての方へ研修を探す講師紹介よくある質問会社案内お知らせお問い合わせサイトのご利用について個人情報保護方針

© FiveStars Academy Co., Ltd. All right reserved.