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5☆s 講師ブログ

ビジョンとミッション

数年前のこと、ある人から勧められた本の表紙を見て、ちょっと困惑してしまいました。
『英国海兵隊に学ぶ最強組織のつくり方』とあったからです。

いまどき軍隊なのかな、と思う私の心を見透かしたように、その人は言います。
「昔は作戦本部の命令に絶対服従でしたが、今はほとんどの決定権は現場の士官に委ねられているそうです」

半信半疑でしたが、読んでみて本当に驚きました。
今、ビジネスの現場で、とても曖昧になっていることが、実に明確に整理されていたからです。

それは、ビジョンとミッションの違いです。

管理職にビジョンを語らせると、多くの人が「今年度の予算を達成する」とか、「今のプロジェクトを成功させる」ことと答えます。
しかし、このビジョンを聞かされても、部下のモチベーションはあがりません。

なぜなら、わくわくしないからです。
だって、今年度の予算を達成したら、来年度はもっと高い予算を課せられて、さらに苦労するに決まっています。
今のプロジェクトを無事終わらせたら、次にはもっと難易度の高いプロジェクトが待ち受けているのです。
この辛い状況が延々と続くことがわかっているから、わくわくしないのです。

ここで話を整理するために、私なりにビジョンとミッションの定義をしたいと思います。
ビジョンと言うのは、チーム員全員が共通して思い描く理想とか、夢といったものです。

では、ミッションとは何かと言うと、
そのビジョンを実現するために、達成しなければならない当面の課題のことです。

ただ、この定義に関しては、区々です。
ミッションを最上位に位置づけて、次にビジョン、そしてバリューの順に定めている会社もあります。
この場合は言葉の定義も逆転しますが、その言わんとするところは似たようなものです。

さて、イギリス海兵隊では、ビジョンとミッションを次のように説明しています。

ビジョンは、「アフガニスタンの子どもたちが、笑顔で安心して学校に行けるようになること」
ミッションは、「いついつまでにこの地区のタリバンを制圧すること」
そして、ミッションより下位のものが戦略や戦術、さらには戦技となります。

このビジョンですが、これはそもそもアフガンの戦線に従軍している、すべての海兵隊員の共通認識です。
次にミッションですが、これは作戦本部の命令です。
そして戦略以下については、現場の士官が独自に判断してよいことになっています。

さて、先ほどの会社のケースに戻りましょう。
「今年度の予算を達成」したり、「今のプロジェクトを成功」させることは、あくまでミッションです。
ビジョンではありません。

では、ビジョンは何でしょう?
ビジョンとは、そのミッションを達成することにより実現される“素晴らしい何か”です。
それは、一体何でしょう?

「今年の予算を達成」することや、「今のプロジェクトを成功」させることにより実現する、
“素晴らしい何か”とは一体何でしょう?

人は皆、世のため、人のためになりたいと考えています。
その、世のため人のためになる“素晴らしい何か”こそが、会社のビジョンに他ならないのです。

えっ!
自分の会社のビジョンがわからないって?

そんなことはありません。
何だったら、私が代わりに答えましょうか。

と言うのは、あなたの会社のHPの、「経営理念」の欄にちゃんと書いてあるはずだからです。
もし社員の中に、会社のビジョンである経営理念を語れない人がいるとしたら、
社員全員の共通認識になっているとは言えません。

これは、戦う組織としてはもっとも危険な状態です。
ほぼ内部崩壊に近い状態と言ってもよいでしょう。

私が強い危機感を抱くのは、そこなのです。

社員が会社のビジョンを語れないばかりか、
あろうことか組織のトップ、さらには会社のトップまでもが、口を開けばミッションの話ばかり。

たまに違うことを言ったかと思うと、
戦略や戦術、さらには戦技といった士官レベルのことまで細かく指示するトップさえいます。

ミッションが、まるで王様のように会社に君臨し、
トップまでもがその下僕と化して、ミッションの足元に跪いている。
そんな構図が透かし彫りのように浮かんできませんか。

地価高騰に湧いたバブル期。
ほとんどの銀行が投機のための資金融資を急拡大する中、
こんなことは絶対に長続きしないと、土地投機のための貸出を一切認めなかった信念の男、
北洋銀行の武井正直はいみじくもこう言いました。

「バカな大将、敵より怖い」

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