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5☆s 講師ブログ

フィル・ウッズ

19才の、ある春の日の出来事を、今でもはっきりと覚えています。

その時私は、まるで金縛りにでもあったかのように、まったく身動きができなくなってしまったのです。

きっかけは小さなFMラジオから流れてきた、まさに”慟哭”と呼ぶにふさわしいアルトサックスでした。
フィル・ウッズの「ホェン・ウィ・ワー・ヤング」。

怒りや、やり場のない悲しみが一塊になって私を直撃し、そして激しく揺さぶったのです。
以来40年にわたり、この曲を聴き続けています。
ウッズと親交のあったロバート・ケネディの死を悼んで録音されたものと知って、
何か謎が解けたような気がしたのはずっと後のことでした。

「好きな音楽は?」と聞かれて、はたと困ったことがあります。

というのは、私は音楽には2種類しかないと思っているからです。
それは、「人を感動させる音楽」と「そうでない音楽」です。
私にとって「好きな音楽」というのは、厳密に言うと後者に入ります。

「人を感動させられるかどうか」という基準は、
そのままそれが芸術であるか、あるいはエンタテイメントであるかの区分であるように思えるのです。

私にとって好きな曲というのは、所詮エンタテイメントです。
リラックスして楽しく聞くことができます。
流行り廃りもあるでしょう。

しかし、感動を与えてくれる音楽は違います。
やや大げさに言えば、その曲を聴くときには”覚悟”のようなものが要ります。

そのかわり、人生の苦しい時、つらい時にあなたを励ましてくれる、
最後の最後であなたを支えてくれる、そんな存在なのです。

この区分けは、何も音楽に限ったことではないと思います。

例えば、本でも同じです。
一生の間に出会う本は、かなりの数に上りますが、
人生に影響を与えるほどの感動を受けた本というのは、はたして一体何冊あったでしょう?
そう考えると、今まで読んだ本のほとんどは所詮エンタテイメントだったように思います。

人間も同じかもしれません。

私たちは、毎日毎日いろいろな人と出会っています。
一生のうちに出会う人の数は膨大なものとなるでしょう。
しかしその中であなたに感動を与え、一生忘れられない人となると一体何人いるでしょう。

なんとなく、そういう出会いが多ければ多いほど豊かな人生になるような気がします。

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