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5☆s 講師ブログ

ザ・グレンリベット

「うちの会社は、言いたいことも言えない雰囲気なんです」

よく聞く話です。
いつの時代も、自分の考えを堂々と主張するのは勇気がいるものです。

ザ・グレンリベットは、イギリスではもっとも古いウィスキーです。
ただし、この「もっとも古い」という形容詞については、少しばかり説明が必要です。

そもそもウィスキーの歴史とは、密造の歴史でもあります。

見つかって税金をとられてはいけないということで、ウィスキーづくりは人里離れた山奥で行なわれました。

しかし、そこでは麦芽を燻すときに燃やす材料がありません。

そこでやむなく、堆積していたピート(泥炭)を使うようになったのです。
これがウィスキーの、あの独特の香りのもととなりました。

また、出来上がった酒も人目につかないように、樽に隠しておく必要がありました。

すると、何年か経って樽を空けた時、なんともおいしく変化しているではありませんか。
これが樽熟成のはじまりです。

だから酒飲みはこう言うのです。

「神様はいつも、酒飲みの味方である」

しかし、ここに、税金を納めるべきだと主張する一人の男がいました。
グレンリベット蒸留所のジョージ・スミスです。
彼は、ウィスキー作りでキチンと税金を納めた最初の人です。
だから、政府公認のウィスキーとしては、ザ・グレンリベットが「もっとも古い」というわけです。

彼の主張は、今でこそ当たり前のことと誰もが思いますが、

当時の密造仲間にとっては許しがたいことでした。
彼は、仲間たちから命を狙われたため、護身用の銃を肌身離さず持ち歩かざるを得ませんでした。
今でもグレンリベットの蒸留所には、その銃が飾られているそうです。

自分のポリシーを主張するためには、命がけの勇気が必要な時代だったのです。

グレンリベットの頭に、定冠詞の「ザ」がついているのは、彼に対する尊敬も込められているのでしょう。
バブル崩壊後、住専の問題が浮上し、その管理機構の社長に中坊公平が起用されました。
彼はテレビのインタビューで、こんなことを言っていました。

「ビジネス界には2通りの人間がいます。

 着手先行型と理念先行型です。
 着手先行型の人は、まず対立する2つの勢力の間の妥協点を探るので、ビジネスとしては早く形になります。
 一般的に、企業で優秀と評価される人はこちらのタイプです。
 一方、理念先行型の人は、自分のポリシーを譲らないのでかなり時間がかかります。
 しかし、歴史に残るような仕事は、例外なく理念先行型の人が手がけたものです。
 着手先行型のビジネスでは、歴史の評価に耐えられないのです。
 今やっていることの本当の評価は、100年先に下されると私は思っています」

中坊の業績に対しては様々な評価があります。

しかし、私は思うのです。
彼の評価というのは、まさに100年先でないとわからないのでないかと。

ところが、ビジネスにおける私たちの評価は100年待ってくれません。

すぐに結論が出されます。
しかし、その評価は本当に正しいのでしょうか。
もしかしたら、本当に正しい評価は100年先に下されるのかもしれません。

「言いたいことも言えない雰囲気」と言いますが、自分の理念に沿ったことであるならば

堂々と主張すべきです。
今は、ジョージ・スミスの時代とは違います。
自分のポリシーを主張することで、命を狙われるような時代ではないのです。

そんなことに思いを馳せながらザ・グレンリベットを飲むと、より一層”とんがった”味に感じるのは、
このウィスキーがシングルモルトだからという理由だけではなさそうです。

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