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5☆s 講師ブログ

囚人と看守

前回のミルグラムの実験と同様、心理学界ではタブー視されている実験をもうひとつご紹介しましょう。
スタンフォード大学のジンバルドーが行ったものです。

参加者を看守役と囚人役に分けます。、
今度はトリックはありません。

そして、実際の刑務所にかなり近い施設を作り、そこで生活させるのです。
看守役は看守として、そして囚人役は囚人として。

その際、芸が細かいのは、リアルな囚人体験をしてもらうことです。
彼らはバトカーで護送され、指紋を採取された上で囚人服を着せられ、
ご丁寧なことに片足には鎖がまかれました。
一方、看守役にも制服が支給され、実際の看守のように振舞うことが要求されます。

実験が進むにつれ、囚人役はどんどん卑屈になっていきました。
一方、看守役はどんどん偉そうになり、勝手に様々な罰を与え始めたのです。

当初2週間の予定だったこの実験は、6日間で中止されてしまいます。
なぜなら、看守役の与える罰があまりにエスカレートしたためです。
ある看守役は、囚人に対して素手でのトイレ掃除を命じたり、
またある者は禁じられている暴力を振るい始めました。

この実験がなぜタブー視されているかは、もうお分かりですね。
被験者の人格に影響を与えてしまったからです。
ジンバルドーは、その後10年間もの長い間、被験者のカウンセリングを続けなければなりませんでした。

人は肩書きを与えられると、それらしく振舞おうとするものです。
もちろん、この実験とは反対に、そのことがいい方向に作用することもあります。
例えば、管理職に登用された人は、次第に管理職らしくなっていくものです。

ただ、管理職に登用されるということは、看守役のような一定の権力(権限)も手に入れることです。
ですので、その使い方にはくれぐれも注意が必要です。

「彼を知り、己を知らば百戦あやうからず」で有名な孫子の兵法では、
リーダーの条件は、以下の5つと言っているそうです。
「智」「信」「仁」「勇」「厳」

いかがですか?
最近は「厳」ばかりが突出して、「仁」がほとんど感じられない管理職が多くなったような気がしてなりません。

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