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5☆s 講師ブログ

日銀のバランスシート

日銀が株を買ってはいけないという主張する人の主な根拠は、
もし株が下がった場合、中央銀行のバランスシートが毀損してしまい
日本国の信用が損なわれる、というものです。

私は二つの理由で、この主張は間違っていると思います。

まず、一つ目。
そもそも、多くの国民の生活が毀損しているのに、
日銀のバランスシートだけがピカピカの優等生であることに、一体どれほどの価値があるのでしょう。

アメリカのFRBは、2012年9月にQE3を発表しました。
これは、中央銀行が住宅担保証券を、この先ずっと買い続けるということを宣言したのです。

アリメカではサブプライムローム問題発生以来、住宅担保証券の価格はかなり低迷しています。
この誰も買おうとしないボロ債券を、中央銀行が買い支えようというのです。
当然、FRBのバランスシートは毀損します。
でも、失業率を改善するために、あえて中央銀行がドロを被る覚悟なのです。

その国の信用というのは、見渡す限りの焼野原に、
立派な中央銀行のビルがポツンと建っていることではないと思います。、
それよりも、健全な経済成長の実現によって失業者が少なくなり、
国民全体が豊かになることの方が 信用につながるのではないかと思います。

二つ目。
日銀が株を買い始めたら、株価は下がらないということです。

仕手筋が株価のつり上げを画策したときを考えましょう。
仕手筋との攻防の際、最も重要な要素は、
買いを仕掛けている側の資金がいつまで続くかを見極めることです。
なぜなら、その資金が途切れるときが、株価の上限だからです。

では日銀が買いに出た場合はどうでしょう。
いつまで資金が続くのでしょうか。
答えは、「無限」です。

なぜなら、資金が足りなくなったら、紙幣を印刷すればいいからです。
資金は無尽蔵にあります。
こんな相手に売りを仕掛ける筋はいません。

つまり、日銀は必ず勝利することができるのです。
だた大切なことは、日銀が勝利することではありません。
「株価が上がる」というムードを作ることです。

このとき、勘違いしないでほしいのは、
日銀がバプルを作り出すべきだ、と言っているのでないということです。

2012年4月30日のプログで主張したように
PBRという指標で判断すると、現在の日本の株価は、
理論的にありえないほどの低い水準にあるのです。
これが適正な水準になるように、最初の誘導をするべきだといっているのです。

インフレにすると宣言したのだから、考えられる施策はすべて取り組むべきです。

前回、銀行の貸出が増えない限り、量的緩和の効果はないのではという疑問を提示しましたが、
そうではありません。

岩田氏の研究によれば、昭和恐慌の時も、銀行の貸出が増え始めたのは
日本がデフレから脱却してから3年後です。

つまり、最初に銀行の貸出が増えるわけではなく、
まずインフレ予想が生まれることが大切なのです。
大切なことは、まずは中央銀行があらゆる手段を使って、インフレ予想を作り上げることなのです。

ところで、年末にビッグニュースが飛び込んできました。

このブログでも「右手のしたことを左手が打ち消している」という名言を紹介した浜田宏一氏が
安倍新政権に内閣官房参与として参加するとのことです。

氏の最新刊「アメリカは日本経済の復活を知っている」(講談社)で、
浜田氏は、自らの教え子を正しい経済学に導けなかったことを深く後悔しています。
教え子というのは、日銀総裁の白川方明氏のことです。

ノーベル経済学賞の有力候補である浜田氏の起用により、日銀包囲網が完成しました。
あとは、来年春の総裁人事を待つばかりですが、
この書の中でも、その候補者が数名挙げられています。

これで日本が、デフレ地獄から脱却することは確実です。
私は今こそ自信をもって断言できます。

来年こそ、確実にいい年になります!

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