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5☆s 講師ブログ

信用を創造する

前回、各銀行の日銀当座預金残高を増やしてやることが、すなわちマネタリーベースを増やすことであり、
大量の現ナマを供給したのと同じ効果があると書きました。
今回は、その理由を説明しましょう。

今、日銀がA銀行に対して供給するマネタリーベースを、1億円増やしたとします。

A銀行の日銀当座預金残高は1億円増えます。
A銀行の法定準備金はたっぷりありますので、これを遊ばせておいても利益は生まれません。
よってA銀行は、1億円を貸し出そうとします。

今、A銀行が、ある会社に1億円貸し付けたとしましょう。
A銀行の帳簿には、1億円の貸出実績があったと記録されます。
それはすなわち、1億円がマーケットに出回ったことを意味します。

このとき、この会社の口座がB銀行にあったとしましょう。
当然B銀行にある、この会社の口座に1億円が振り込まれます。

今、B銀行の預金総額は1億円増えました。
でも、この会社は、今すぐ1億円全額を引き出す予定はありません。
とすると、B銀行としては、1億円のうちいくらかを運用して利益を稼ぎたいと思います。
そこで、B銀行は貸付先を探します。

すると、7000万円借りたいという企業が現れましたので、貸し出しました。
B銀行の帳簿には、7000万円の貸出実績があったと記録されます。

そして今、その企業の口座はC銀行にあるとします。
7000万円が振り込まれたC銀行は、運用するために貸出先を探します。

お分かりいただけましたでしょうか。
日銀から供給されたマネタリーベースの1億円は、その何倍にもなってマーケットに流通するのです。
何倍になるかという倍率を、信用乗数と言います。

このように、次々と貸し出しが生み出されていくことを、「信用創造」といいます。
前回、マネタリーベースのことを、信用創造の基となるお金と言ったのはこういう意味です。

つまり、信用創造というメカニズムのおかげで、世の中全体の貸出額と預金額の合計額は、
実際に流通している現ナマの数倍に膨れ上がっているのです。

銀行が危ないなどという噂が流れると、人々が窓口に押しかけ
「私の預金をすべておろすから、現金で払い出してちょうだい!」
と詰め寄る場面がときどき放送されますが、これは土台無理な話です。

銀行の金庫には、預金総額に見合うだけの現ナマがあるわけではないのです。

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