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5☆s 講師ブログ

素朴な貨幣数量説の敗北

今回はちょっとアカデミックな話になりますので、
数学が嫌いな人は適当に読み飛ばしてください。

今までお話した通り、景気をよくするためにはインフレを起こせばいいのですが、
では具体的にどうすればインフレを起こせるのでしょう?

今から6年ほど前に、私は「MV=PT」という「素朴な貨幣数量説」を基に
このブログでそのアイデアを説明しました。
この式は、実物経済規模と貨幣経済規模は等しいことを表しています。

右辺から説明しましょう。
Pは物価です。
Tは取引総数です。

つまり、その年に取引された商品やサービスの価格をすべて調べ上げ、
それがいくつ売れたかを掛け合わせれば、その国の実物経済の取引規模が分かります。

次に左辺を見てみましょう。
Mは、マネーサプライすなわち、日銀がコントロールしている貨幣供給量をいいます。
Vは、貨幣速度とか流通速度といい、お金が回転する速さを言います。

つまり、その国に流通しているお金がいくらあり、
それがその年に何回転したかを掛け合わせれば、
その国の貨幣経済の取引規模が分かります。

そして、右辺も左辺も、その国の経済規模を表していますので等しくなるはずです。
式の説明が終わったところで、インフレを起こすメカニズムを説明しましょう。

「MV=PT」において、VとTが一定であると仮定します。
すると、左辺のM(マネーサプライ)を増やせば、
自動的に右辺のP(物価)も上がることになります。
つまり日銀の貨幣供給量を増やせば物価が上がる=インフレになるということです。

しかし、残念ながらこのメカニズムはうまく働きませんでした。
これについても以前このブログで、私のある発言を紹介しました。
それは6年前に、あるシンクタンクが主催した経済動向の説明会で、
私がエコノミストに発した質問でした。

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