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講師ブログ

空腹の時は叱るな!

部下を叱っているとき、ついつい感情が高ぶってしまい、大きな声を出してしまった。

そんな経験はありませんか。

「叱る」ことは、管理職として必要なマネジメントではありますが、相手が脅えてしまうような大声はパワハラだと訴えられても文句は言えません。
そこで、いい方法をお教えしましょう。
叱る前に食事をして、腹を満たしておいて下さい。

2011年に、シャイ・ダンチガーらの驚くべき論文が発表されています。
イスラエルで、犯罪者の仮釈放を認めるか否かを決めている数名の判定人に、1000人以上の犯罪者の仮釈放の認否判定をしてもらいました。

作業を開始した直後の平均は、仮釈放が認められる確率が65%。
結構、甘々ですよね。

ところが、時間の経過とともに認可される確率はどんどん低下していき、休憩直前にはほぼゼロとなりました。
わずか数時間で、全員が鬼のように厳しい判定人に変身してしまった訳です。

しかし、休憩に入って食事をとった後は、元の65%に戻ります。
それでも時間が経過するに従い、先ほどと同じ経緯を辿るのでした。

腹の減り具合が仮釈放の認否に影響を与えるなんて決してあってはならないことですが、
この実験の恐ろしいところは、判定していたのは、この道平均22年のキャリアを持つ大ベテランばかりだったということです。
長い間、こんな判定が行われていたかと思うと、ゾッとしますよね。

それだけではありません。
もっと恐ろしいのは、判定人たちは自分ではこの傾向に全く気づいていなかったことです。

2013年3月のブログで『フィーリング・グッド効果』の話をしました。
これは営業マンなどが顧客と食事をしながら商談を進めると、顧客の判断が甘くなり成約する確率が高まるというものでした。

心理学では広く知られている理論ですが、最近では脳科学からのアプローチにより、激怒中枢が摂食中枢のすぐ近くにあるため、空腹の影響を受けやすいのではないかということもわかってきました。

やはり、「腹が減るほど怒りっぽくなる」のです。
ですので、あなたが空腹のときは部下を叱ってはいけません。
おにぎりでもお菓子でも何でもいいので、とにかくお腹に入れてください。

そうでないと、もし部下が反抗的な態度に出たりしたら、ブレーキが効かなくなる恐れがあります。
満腹にしてさえおけば、たとえ叱っている最中に部下がスマホをいじったとしても、ちゃんと自制心が働いてカラオケのリモコンで殴るような行動には出ませんから。

トヨタの「改善」

トヨタのグループ会社が、ビジネス書を何冊か出版しています。
様々なエピソードを紹介してくれるのはトヨタの元社員ですので、トヨタ自動車という会社がどんな姿勢で仕事に取り組んでいるのかがよくわかる本です。

例えばこんなエピソードがあります。
工場のオペレーターが作業に不慣れなため、ラインの作業効率が上がりません。
やむなく管理職が自らラインに入り、なんとか滞りなくラインを動かしていた時です。
たまたま通りかかったその上司が、こうつぶやきます。

「ラインに入るならずっと入っておけ。どうせ楽したいんだろ」

言われた管理職はムッとします。
「オレが入らなかったらラインは最悪ストップしてしまう。
そうしたら今日の生産目標は達成できなくなるじゃないか。
だからラインに入ってるんだ。
それが分からないのか!」

その気持ちは分からなくもないですが、管理職の本来の仕事は今日の生産目標を達成することでしょうか。
もしそうだとするなら、明日も明後日もラインに入らなければならなくなります。

現在、多くの企業の管理職は、「プレイング・マネージャー」にならざるを得ない状況に置かれています。
部下が思うように機能しない場合でも、それを今期の目標未達の言い訳にすることは許されません。

やむなく管理職自らが一兵卒となって部下の実務をカバーし、なんとか今期の目標を達成します。
来期も、おそらくその次の期もこの繰り返しでしょう。

このように、部下の実務をカバーする“応援要員”というのが管理職の本来の役割なのでしょうか。
そうではありませんよね。

管理職の本来の仕事は、部下を育成することです。
こちらの方がはるかに困難な仕事です。

もし部下育成がうまくいかないというのなら、育成のやり方に問題があるのか、あるいは教えようとしている仕事のやり方自体に問題があるのかのどちらかです。
それを改善するのが管理職の仕事です。

「うまくいかない」ということは、そこに「改善の余地がある」ということに他なりません。

トヨタでは「問題ない」という答えこそが大問題だと考えます。
というのは、それは取りも直さず「もう改善の余地がない」と言っていることとイコールだからです。
だからトヨタでは「改善」を最も重視し、一見仕事がうまく回っているように見えても、貪欲に何らかの問題を見つけ出そうとするのです。

面白い話があります。
一般社員が改善に貢献すると、管理職から大変ほめられるそうです。
しかし、管理職が改善に貢献しても上司からほめられることはなく、その代わりにこう言われるだけです。

「で、どうするの?」

つまり、次の改善をどうするつもりなのかと聞かれるのです。
この、終わりなき改善に向けた飽くなき努力こそトヨタのDNAなのかもしれません。

「うちはトヨタとは違う」と言い訳を言う前に、まず現状で思いつく「改善すべき点」を書き出してみませんか。
トヨタとは違うのだから、10個くらいすぐに出てくるはずです。

でも、いざそれを実行に移すとなると、社内に抵抗勢力がたくさんいますよね。
そこでもトヨタのやり方が参考になります。

まず真っ先に、その抵抗勢力の人に相談に行くのだそうです。
いきなり説得を試みるのではなく、相談という形をとってアドバイスを求めるのです。
あくまで相談ですので、相手は身構えることもなく障害となる点を思いつくままに列挙してきます。

その時、それをすべてホワイトボードに書き出します。
後はそれら一つひとつについて、一緒になって具体的な対策を考えればいいだけです。
これが相談ではなく説得だったら、こんなにうまくはいかないでしょう。

もし、抵抗勢力が部下ならば解決策はもっと単純で、管理職はこう伝えるだけでいいのです。

「ありがとう。
ではこれをできる理由に変えていこう。
君にはそのリーダーになってもらいたい」

できない理由を列挙できる部下というのは、実は現状を最も的確に把握している部下です。
抵抗勢力を敵に回してはいけません。
そもそも何も考えていない人は抵抗勢力にはなれないのですから。

金持ちになるコツ(2)

空腹感と、がめつく稼ぐことがどのような関係にあるのかを調べた研究があります。

2005年にバーバラ・ブライアーらは、空腹の度合いが、募金する時の金額にどのような影響を及ぼすかを調べました。

すると、普通に食事した人たちに比べ、4時間も食事をしなかった人たちの募金額が激減したのです。
どうやら人は、腹が減るほど募金したくなくなるらしいのです。

わかりやすく言うと、「腹が減るとがめつくなる」。
なんとなくわかるような気もしますが、彼らはこの法則の“逆もまた真なり”についても証明してしまいました。

まず、AとBの二つのグループに1000円でくじを買ってもらいますが、それぞれのグループに伝えられている当選金額が異なっています。
Aグループには3500円。
Bグループにはなんと、350万円。

その後、当選したら何にお金を使いたいかをイメージしてもらいますが、Aグループは当たっても3500円ですので、はっきり言ってショボい夢ばかり。

一方、当たれば350万円のBグループは、思いっきり妄想が膨らみます。
さて、これからが本当の実験の始まりです。

いくつかのチョコレートの味について、おいしいものから順に優劣をつけてほしいとお願いするのですが、その際チョコレートはいくら食べてもいいと伝えておきます。
ここでチェックされるのは味覚ではなく、それぞれのグループが食べたチョコレートの量です。

ショボい夢ばかりのAグループの平均は29g。
一方、思いっきり妄想が膨らんでいるBグループは、なんと40g。
ずいぶん差がつくものですね。

これから導かれる結果は、「がめつい時は腹が減る」。
ねっ、確かに“逆もまた真なり”でしょ。

なんでも、英語の“hungry”という言葉には「空腹」の他に、「大志を抱く」とか「野望を持つ」という意味もあるそうです。
言葉って本当に奥深いですよね。

というわけで、お金持ちになるための結論。
「金持ちになるには、腹が減るほど大きな夢を持ち、トイレはできるだけ我慢する」

どうです?
心理学もたまには役に立つと思いませんか。

金持ちになるコツ(1)

トイレを我慢できる人はお金が貯まる。

2011年のイグ・ノーベル賞を受賞した、タックらのユニークな報告が掲載されたのは、心理学界の権威ある学術誌『サイコロジカル・サイエンス』。

この実験は、二段階で構成されています。

まず第一の実験。
被験者に700mlの水を飲んでもらい、トイレに行きたいレベルを自己申告してもらいます。
その後ストループ課題に挑戦してもらうのですが、「早くトイレに行きたい」という人ほど成績がよくなりました。

ここで、ストループ課題についてちょっと説明しておきますね。
脳トレなどによく使われる問題で、例えば赤い色で書かれた「みどり」という文字を瞬間的に提示して、色ではなく文字の方を答えさせるゲームです。

タイムレースですので、焦って色に惑わされてしまい、「あか!」と答えてしまう人が結構いるのです。
様々な色で書かれた、色を表す文字を次々と提示して、正答率と解答に要した時間を計測します。

でも、なぜトイレを我慢できる人の方が、間違わずに素早く正解できたのでしょうか?
タックたちはこう考えました。
トイレを我慢できる人というのは、膀胱感覚を抑制できる人である。
だから、知覚的な色の処理も抑制できるのではないかと。

「なるほど」と、感心している場合ではありません。
白眉は次の第二実験です。

全員に45分間の課題をこなしてもらうのですが、これはダミーで成績はどうでもいいのです。
すべての課題が終了したことを告げられてほっと一息ついている被験者に、「本日の報酬を差し上げたいのですが・・・」と前置きして、次の二つのうちのどちらかを選んでもらいます。

一つは「今すぐ2100円」。
もう一つは「35日後に4000円」。

実は、これが第二実験なのです。
普通に考えれば、1カ月でお金を倍に増やすことは難しいので、後者の方が正しい選択だとすぐわかるはず。
でも、目先の2100円に目がくらむ人も結構います。

さて結果はと言うと、トイレを我慢できた人の多くが後者を選びました。
トイレを我慢できる人は、目先の利益に惑わされることなく、将来の成功のために今を我慢できる人でもあったのです。

これから導かれる教訓は次の通り。
「最近金遣いが荒いなと思ったら、まずトイレを我慢せよ」

でも、支出を我慢すればお金が減っていくスピードを遅らせることはできますが、お金を増やすことはできません。
がめつく稼ぐことも大切です。
そこで今度は、がめつく稼ぐことと空腹感の関係を調べた研究をご紹介しましょう。

控え選手

先日急逝した星野仙一は、中日ドラゴンズの監督に就任した時に、管理者が組織の中で最も注意を払わなければならない点は何かを学びました。

野球の監督というのは、プレーする選手の一挙手一投足はもちろんのこと、刻一刻と変化する戦況に対して常に目を光らせなければなりません。

しかし、彼がグラウンドの選手以上に注意を払っていたのは、ベンチの控え選手でした。
団体競技というのは、試合に出ているレギュラー選手だけで戦っているわけではありません。
レギュラーを支える控え選手たちの試合に臨む姿勢というのが、チームの士気に大きく影響を与えるのです。

星野によれば、試合に出ている選手は放っておいてもいいそうです。
なぜなら、試合に出ているというだけでモチベーションが高いからです。

最初に“腐り”始めるのは控え選手です。
そしてその士気の低下は、やがてじわじわとチーム全体に感染していきます。

そこで星野は、控え選手の動向が最もよく見えるベンチの一番後ろに陣取っていました。
ベンチの奥には裏の通路へと繋がる出口がありますが、試合中にそこから出て行く選手というのはバットの素振りやトイレを除けば、大抵タバコを吸いに行っているのだそうです。

アスリートというのは、一見喫煙とは無縁なように思えますが、持久力よりも瞬発力が求められる競技では愛煙家が意外に多いそうです。
代打の一打席に勝負をかける野手の中にも、緊張感を和らげるために喫煙する選手は結構いるようです。
そう言えば、体操競技の選手に喫煙者が多いと聞いたことがあります。

監督の星野は、誰が、いつ、何回ベンチ裏に行ったかを完璧に把握していました。
あまりに頻繁に出入りする選手については、裏に行ったとたんにわざとその選手の名前を大声で連呼したりしました。
慌てて戻って来た選手は、以後自分が「見られている」ことを意識するようになります。

大切なのは、監督に「見られている」という意識です。
言い換えるとそれは、監督が「見てくれている」という意識でもあります。

レギュラー選手は、観客から見られていますので手抜きはしません。
よいプレーをすれば、相応の反応が得られます。

でも、控え選手は違います。
よいプレーをする機会がない代わりに、手を抜いていても試合の大勢には影響しません。
でも、そういう考えの選手が増えてくるとチームは崩壊します。

ビジネスの世界でも同じではないでしょうか。
チームの中心となって活躍している主力メンバーは、人事面でもスポットライトを浴びていますが、黙々と裏方の作業に徹っしているメンバーはどうでしょうか。
彼らのモチベーションは高く保たれているでしょうか。

管理者と主力メンバーとは、放っておいてもコミュニケーションはとれます。
なぜなら、向こうの方から相談にやって来たりするからです。

問題は主力ではないメンバーです。
上司のところに相談に来ることがないばかりか、中には忍者のように気配を消している人さえいます。
私も経験がありますが、部下が多くなるとどうしてもコミュニケーションに濃淡が出てしまいます。
一日を振り返ってみたら、その日一言も話さなかったという部下もいました。

今日、帰りの電車の中で、手帳に部下一人一人の名前を書き出して、それぞれ何回話したかチェックしてみませんか?
結構片寄っていることに気づくはずです。

主力メンバーだけが活躍しても、チームのパワーは高まりません。
鍵を握るのは、スポットライトが当たらないメンバーです。
彼らに、あなたなりの「常に見ているよ」というメッセージは届いているでしょうか?

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