講師ブログ

老舗の銘菓

2010年08月20日

故郷の老舗の味は、いくつになっても忘れられないものです。

白浜の隣街、田辺市には天保の時代から続く歴史ある和菓子屋があります。
代表作の「おけし」は、餅の上につぶ餡子をのせただけという、
極めてシンプルな作りですが、餅の柔らかさ加減と、
甘すぎないつぶ餡子が絶妙のバランスで、南方熊楠もこよなく愛した和菓子でした。

先週帰省した際、
地方紙の紙面でこの老舗店の営業時間のお知らせを見て驚きました。

お盆3日間は、朝7時開店、中日には朝5時半開店と書かれていました。
この時期、故人が好きだった和菓子持参でお墓参りするのであろうと推察できます。
この営業努力に頭がさがります。

1個90円のおけし餅が、150年以上の暖簾を守っています。
日持ちしないのでその日限りの賞味期限です。

常に新鮮で
シンプルで
柔らか過ぎずに柔らかく
適度に甘く
一度食べたら忘れられない

この5つのキーワード、
仕事や生き方に通じる極意ではないでしょうか。

この「おけし餅」は残念ながらお取り寄せできませんが
熊野古道を巡る機会がありましたら、ぜひ試してみて下さい。


魂の継承

2010年08月09日

比叡山延暦寺には、1200年に渡る不滅の法灯があります。
守り続ける極意は、普段どおりでいることだと、
先日の夕刊にも掲載されていました。

遣唐使として海を渡った時、
最澄は政府の要人として、云わばファーストクラスのVIP。
かたや空海は一般公募のエコノミークラス。
エリートだった最澄でしたが、
自らが空海の教えを求め弟子入りしたという逸話もあります。

空海が太陽ならば、最澄は月。

命の限りはあるが、魂は永遠に受け継がれるものであり、
大切なのは、受け継ぐ側の心の在りかたなのだと考えさせられます。

先週末、念願だった比叡山延暦寺に向かう予定でしたが、
急遽、20年来の同志の告別式となりました。

彼はまるで花火大会を見届けるかのごとく旅立ちました。
本番当日は、6年目にしてあり得ないアクシデントが発生。

花火の打ち上げ途中に照明が点灯、時間にしてわずか数分でしたが、
プロの力が問われるところです。
スタッフ全員、火事場の馬鹿力の集結です。
ディレクターは走り、花火師は場を読み、司会者は空気を創る。

いたずら好きの彼が、最後の最後に私達を試しに来たようでした。
「俺がいなくても、もう大丈夫だなっ!」
そう聞こえました。

彼が創り上げたイベント魂、
託された私達が、これまでどおり普段どおりに受け継いでいきたい。

合掌。


祈り

2010年07月30日

夏の風物詩、花火大会のシーズンがやってきました。
以前にブログでも紹介しましたが、
私は、東京都のある自治体で開催される花火大会の司会を、ここ数年引き受けています。

2000発に満たない小規模ですが、至近距離で楽しめる臨場感と、
玉数の割には種類が豊富で、当日は内外の多くの観客で賑わいます。

このイベントに関わるようになったのは10年以上も前に遡りますが、
20年来の付き合いがある仕事仲間の誘いがきっかけでした。

「イベントは素人でもできるけど、プロの力を見せたいから一緒にやってくれ」

このひと言に動かされ、関わることになりました。
最初のイベントでの私の報酬が、彼のポケットマネーだったという話は、
その後、笑い話に変わりました。

春のさくらまつり、秋の産業祭、山荘の寄贈イベントetc
インカム越しに、常に冷静に指示を出し続けてきたその彼が、
今年は現場にいません。

ひと一倍現場が好きで、管理職の誘いを断っても現場を選んだその彼は、
今月4日、自宅で倒れそのまま集中治療室にいます。

今年の花火は、
「やっぱり俺がいないと駄目だな・・・」と言わせたい。

関係者一同、復活の祈りを込めて夜空に打ち上げます。


決断

2010年07月16日

睡眠時間を削って熱中した W杯でしたが、
応援していたスペインの優勝で幕を閉じ大満足です。

巷では占いタコが大人気ですが、
私の周りのミーハー連中は、オランダの監督とドイツの監督、
どちらが格好イイかという話題で持ち切りです。

結果次第で天国と地獄を味わう監督、
マラドーナは株を上げ、ドゥンガは株を下げ、
わが日本の岡ちゃんはもちろん高値の株となりました。
監督の仕事、戦術はもちろんですが選手の交代が勝敗を左右することもあり、
決断の時期が重要です。

手前ミソながら、人を動かして結果を問われるのは講師も同じで、
内容の組み立てにはじまり、決断も求められます。
決断の時期を間違うと思うように動いてはくれませんが、
時期がはまると望みどおりになるのが醍醐味でもあります。

選手交代という名の言葉の切り札、
状況を見て、思考を巡らせ、ここぞという時の決め台詞。

決断という勝負勘を養うには、経験という地道な作業の蓄積しかないのかもしれません。


全力

2010年07月02日

記録に残るのではなく、記憶に残る。
まさに今後に語り継がれる試合でした。

4年に一度、にわかサッカーファンになる私の原点は、
あのドーハの悲劇です。

ロスタイムに悲願のワールドカップ出場を逃したあの瞬間、
ブラウン管に映る日本代表メンバーが無念でならず、
誠に勝手ながら「抱きしめたい!」と思いました。

今回は、あの時の無念とは違う感覚でしたが、やはり同じ想いを抱きました。

悔しくないといえばうそになります。
運だからとあきらめてしまうことにも納得はしていません。

でも、あの時の感覚と大きく違うのは何故でしょうか。
うなだれてがっくりと肩を落とすわけではなく、
涙をぬぐうこともせず、しっかりと顔をあげ前を見つめたその姿に
悲壮感はなく、そこには戦いぬいた自信と誇りがあったからです。

結果がだせなくても、全力を出しきることの意味をあの姿が物語っていました。
全力を出すということは、一瞬でもひるまないことであり、
全力を出すということは、信じ続けることだと教えてくれました。

サッカー日本代表チーム、感動をありがとう。
叶うなら、やっぱり「抱きしめたい!」


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